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10月の★ハッピーバースデー
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【10】この感情は、恋なのでしょうか。
金曜日の夕方。
シーサイドタウンにあるボーリング場は、ゲームを楽しむ人々でそこそこの混みようだった。
その中に、
八神 修
と
常闇 月
の姿もあった。
ちょうど月が、やや軽めの玉を高速でレーンに投げたところだった。玉は一気にピンまで到達し、全てを倒してしまう。
「ストライク、だな」
修が小さく拍手して、言った。
「さすがに、飲み込みがいいな。初めてとは思えないよ」
「八神さんの教え方が、いいせいだと思います」
静かに返す月に笑い返して、修は自分も玉を手に取ると、真ん中を狙って投げる。
それは、昼休みのことだった。
「八神さん、もうすぐ誕生日とお聞きしましたが……お祝いしたいので、当日どこかへ出かけませんか?」
五組の教室までやって来た月は、修にそう持ちかけた。
「ああ。誕生日は明日だよ。……だた、当日はちょっと予定があってさ」
答える修に、月は少し考え言う。
「なら、今日の放課後はどうでしょう?」
「それなら、大丈夫だ」
修もうなずいた。
そんなわけで二人は、シーサイドタウン駅で待ち合わせして、このボーリング場へとやって来たのだった。
月はボーリングが初めてとのことで、修がルールを説明し、玉や靴選びも手伝った。
その後、ゲームを始めたわけだが――彼女は、何回か投げてみてコツをつかんだらしく、確実にスペアを取って行き、好成績を上げていた。
修の方は、緻密に玉の速さや当てる角度、倒すピンの本数などを計算して、これも確実に点数を入れて行く方法を取っていた。
体力が低いと自覚している彼だが、こういった頭を使ってやるタイプのものは、得意なのだった。
しばらくボーリングで汗を流した二人は、そこから映画館へと移動した。
二人が選んだのは、リバイバルでかかっていた『ロミオとジュリエット』だった。もう四十年以上前の映画である。
座席に並んで腰を下ろし、月はふと思い出したように尋ねた。
「有名なお話なのは知っていますが、内容までは知りませんね。……どんなお話なんですか?」
「対立する家の子供同士が、恋に落ちる話だ」
修は言って、始まるまでまだ少し時間があるなと、話を続ける。
「舞台になっているのは、十四世紀のイタリアの都市ヴェローナだ。ヴェローナは、1239年に神聖ローマ帝国の皇帝フリードリヒ二世の協力で、周辺のロンバルディア同盟諸国を征服して繁栄を手に入れた。だが、ローマ教皇グレゴリウス九世は、フリードリヒ二世を反キリストだと非難して、ロンバルディア同盟諸国を擁護し、破門したんだ。それが原因で戦争になってしまった。以来、ヴェローナの支配層は、教皇派と皇帝派に分かれて、熾烈な争いを繰り広げることになった。……主人公の二人、ロミオとジュリエットの家もこの派閥争いをやっていたのさ」
「つまり、両家の対立はとても根が深く、二人の恋はとても成就しそうにない……ということですか」
月が、軽く目を見張って問い返す。
「まあ、そうなんだが……」
修が言葉を濁した時、ちょうど開演のベルが鳴った。
「始まるようだ」
「はい」
促されてうなずき、月は大画面の方に視線を向け、軽く背筋を伸ばした。
映画が終わり、二人は外に出て、近くの喫茶店に入った。
「八神さんは、とても集中して見ていましたね」
それぞれ、飲み物と軽い食事を注文したあと、月が言う。
「ああ。……常闇は、楽しめたかな?」
「はい。……ジュリエット役の女優さんがとてもきれいで、溜息が出ました」
うなずく月に、修は笑った。
「ああ。……彼女はもともととてもきれいな女優だが、あれはカメラワークもいいんだと思う。彼女は演技力も抜群だが、それを演出がうまく引き出しているとも、見ていて思ったよ」
「音楽も素敵でした」
「ああ。物語を、ドラマチックに盛り上げつつ、主張しすぎない。素晴らしい音楽だ」
月の言葉に、修はうなずく。その彼に、月は続けた。
「最後は、少し意外でした。……二人とも死んでしまうとは、思いませんでしたね」
「あれは、ロミオが軽率なんだと思うよ。死んでるか、たしかめろよって話だよな」
苦笑して、修は付け加える。
「ま、恋人だと冷静ではいられないか」
その言葉に、月は軽く目を見張った。少し考え、問う。
「そういえば……八神さんはあの方が好きと伺いましたが……恋とはどのような感情なのでしょうか?」
「俺のことは、さておいて……そうだな……」
幾分驚きながらも、修は彼女の問いに、しばし考え込んだ。ややあって、口を開く。
「楽しいとか、心が休まるとか、その人をもっと知りたくなるとか……。なんていうか……理屈じゃなくて……」
修はつと、自分の胸元を示した。
「ここが熱くなるような、そんな特別な感じだよ」
月は、じっと彼の言葉を聞いていたが、しばし頭の中でそれを反芻しているようだった。
やがて、彼女はポツリと言った。
「……では、私が八神さんに抱いている感情も、恋というものなのでしょうか」
「……!」
これは、修にとっては、爆弾発言だった。
しばし声もなく彼女を見返したあと、尋ねる。
「俺に、そう感じるってことか?」
「はい」
月がうなずく。だが、その面には、異性に対する恋情を吐露した者に特有の羞恥や、相手の反応に対する不安などは見られなかった。普段どおり、おちついて静かなままだ。
それを見て取って、修は小さく笑う。
「……ありがとう。だが、その感情になんと名前をつけるべきかは、俺にもわからないな。時に恋情は、友情とひどく似ていることもあるしね。……結論を出すのは、もう少し様子を見てからでも、遅くはないと俺は思うよ」
「……そういう、ものなのですか」
小さく首をかしげて、月が返す。
そこへ、注文したものが運ばれて来た。
ウエイトレスがそれらをテーブルに並べる間、二人は黙る。
やがてウエイトレスが立ち去ると、月は思い出したように、自分のバッグの中からリボンのついた小さな紙の袋を取り出した。
「……そういえば、こちらを渡していませんでした。お誕生日、おめでとうございます、八神さん」
言って彼女は、それを修に差し出す。
「ありがとう」
修は軽く目を見張ってそれを受け取り、「開けてみてもいいか?」と尋ねる。
「どうぞ」
月の答えに、彼は袋を開けた。
中から現れたのは、ビーズ状に加工されたトルマリンがあしらわれた、ゴム・ブレスレットだった。派手ではないが、お洒落な感じで、普段使いができそうな品だ。
「ありがとう。大事にするよ」
修は言って、さっそく腕に嵌めた。
「喜んでもらえて、よかったです」
うなずく月の口元に、修は小さな笑みを見たような気がして、微笑む。
「さて、食べようか」
月に声をかけ、スプーンを手に取った。向かいで彼女もうなずき、食事を始める。
(なんだか、暗い過去の影が薄れているような気がするな。……これからも、彼女が喜怒哀楽を覚える手助けに、なれればいいな)
その彼女を見やって修は、ふとそんなことを思うのだった――。
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グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月11日
参加申し込みの期限
2015年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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