this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
10月の★ハッピーバースデー
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
16
つぎへ >>
【12】生まれて来てくれて、ありがとう
その日の朝、
望月 神無
はなんとなく、姉夫婦の様子に違和感を覚えた。
それで、思わず尋ねる。
「なぁ、姉ちゃん。やけに張り切ってるけど、何かあったのか?」
というのも、姉はおっとり、その夫である義兄は静かでおちついていて、総じて二人がバタバタしているところなど、あまり見たことがなかったからだ。
だが、その日は二人とも妙に忙しそうにしていて、いつもよりなんだか張り切っているふうだった。
ちなみに、二人は洋食店を経営しており、神無はそこに居候させてもらっている。
彼女の問いに対して返って来たのは、今夜パーティーがあり、店が貸切になっているという答えだった。
(ふうん。……ま、店のことなら、俺には関係ないか)
胸に呟き、神無は肩をすくめた。
それよりも、夜といえば、昨日、
日月 透
から言われたことの方が、気になった。
「突然ですが、明日の夜は空けておいて下さい」
それはつまり、今夜どこかへ連れて行ってくれるということだろう。
(どこへ連れて行ってくれるんだろう……)
なんとなくドキドキしながら、彼女はその日の昼間を過ごした。
日が落ちて、そろそろ透が迎えに来てくれるだろうかと、自室でなんとなくそわそわしていると、姉の呼ぶ声がする。
(きっと、日月先生だ)
鏡の前で、どこもおかしくないかと姿をたしかめ、慌てて部屋を出て行く。
「こんばんわ、神無さん。……さて、行きましょうか」
玄関には、思ったとおり透がいて、彼女を促した。ただし、彼が神無を連れて行ったのは外ではなく、姉夫婦のやっている店だった。
「え?」
訳がわからずキョトンとしていると、突然クラッカーが鳴らされた。
「お誕生日、おめでとう!」
姉夫婦が、声をそろえて笑顔で叫ぶ。続いて、拍手が打ち鳴らされた。
「……これって……」
見回す店内は、金モールや花で飾られ、壁の一画に『神無さん、おめでとう!』と書いた紙のプレートが掛けられている。
「そういえば、今日は俺の誕生日だ……」
十月二十五日。ふいに、キッチンにあったカレンダーの日付が、脳裏に浮かんだ。
それへ、透が言った。
「今夜は、私がこの店を貸切ました。事前に予約を入れて、私とお姉さんたちとで、お祝いができるようにお願いしたんです」
彼女が生まれて来なければ、彼女と自分が出会うことはかなわなかった――透は、そんなふうに思っていた。
彼女自身は、どこか自分の幸せを度外視しているところがあるように、透には思える。けれど、彼自身は神無が生まれて来てくれたことに、心から感謝していた。これから彼女が重ねる月日が、幸せなものであってほしいとも思う。
そんな気持ちを込めて、彼女の誕生日を、自分だけでなく彼女を大切に思っているこの人たちと共に、祝いたかったのだ。
だから、この店に予約を入れた。
彼は、そんな気持ちを込めて、言った。
「私は――私たちは、神無さんが生まれて来てくれて、とてもうれしいですよ」
そして、撫子のブーケと共に、用意していたプレゼントを渡す。
神無はそれを、どこか呆然と受け取り、笑顔でこちらを眺めている姉夫婦を見やり、それからまた透を見やった。
「俺……俺は……」
何を言っていいのか、わからない。
ずっと、自分の幸せなんてどうでもいいと、彼女は思って生きて来た。
姉や義兄や……親しい人たちが幸せなら、それでいいと考えていたのだ。
けれど。
(そんな俺の幸せを願ってくれる人たちが、ここにいる。……俺は――幸せになってもいいんだ)
ふいに、目の前がぼやけた。
「あ、ありが……ありがとう、ございます……」
喉をついて出る嗚咽が、感謝の言葉を震わせ、途切れさせる。
「いいえ、どういたしまして」
透は小さく笑って、そんな彼女をそっと抱きしめ、子供をあやすようにその背を撫でた。
パーティーのあと、自分の部屋に戻って、神無は小さく吐息をついた。
祝いのケーキは、彼女の大好きなチョコレートで、一人で半分近くたいらげてしまった。
用意された料理はもちろん、姉夫婦の手作りで、店を経営しているだけあってどれもすばらしく美味しかった。
(……なんだか、夢のようなパーティーだったな……)
人前で泣いてしまったことは、少し恥ずかしかったが、涙は止めようがなかった。
パーティーのことを思い出しながら、彼女は撫子のブーケを自分の机に飾る。それから、プレゼントの箱を開けた。
中から出て来たのは、小粒のブルースターサファイアがはまった、小さな銀の指輪だった。チェーンが一緒についている。
(これって……ペアリング……?)
眉をひそめて、胸に呟く。
「あ……!」
ふいに、思い出した。
パーティーに訪れた透の胸元に、チェーンで吊るされた小さな銀の指輪が輝いていたことに。指輪には、小粒の赤い宝石がはまっていた。
「あれって……レッドスピネル……?」
気づいた途端に、彼女は赤くなった。
以前に、ネットで見たことがある。レッドスピネルは、十月二十五日の誕生石で、ブルースターサファイアは九月三十日の誕生石だ。そして、九月三十日は透の誕生日だった。
(……本気で、ペアリングだったのか……)
頬を紅潮させたまま、改めてまじまじとそれを見やる。
やがて彼女は、リングをチェーンに通し、首からかけた。
胸元で、青い石が、やわらかく輝く。それはまるで、今日のことはけして忘れない――とでも、呟いているかのようだった。
<< もどる
1
…
10
11
12
13
14
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
10月の★ハッピーバースデー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月11日
参加申し込みの期限
2015年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!