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【9】檀屋にて
十月十八日の夕方。
タクシー運転手の
円城 徹
は、旧市街の参道商店街の一画にある煙草店『檀屋』へとやって来た。
煙草店といっても檀屋は、誰もが知る通常の紙巻煙草だけを扱う店ではなく、一般にはあまり知られていない水煙草や手巻き煙草など、さまざまな種類の煙草と、パイプや煙管、シガレットケースといった、煙草に関する小物までそろった、煙草の専門店だった。
(僕も今日で、四十六……か。さすがにこの歳になると、誕生日を祝うってこともあまりないな。だがまあ……仕事も早く終わったことだし、自分への褒美ってわけではないが、ここで何か買って帰るのもいいだろう)
そんなことを胸に呟き、徹は店内へと入って行った。
一見すると何十年も前からあるような、古びたたたずまいや静かな店内の様子は、彼にはなじみのものだ。
そう、煙草の小物集めが趣味の彼は、普段からよくこの店に出入りしているのだった。
「いらっしゃい。……なんだ、円城さんじゃないか」
奥のカウンターから、声がかかる。店主の
御堂地 瑛華
だ。
「あぁ、そういや新しい小物が入ったよ。そっちの棚にあるのがそうだ」
さすがに彼女は、徹が何が目当てで店に来たのかわかっているようだ。
彼女が指さす方をふり返り、たしかに初めて見る品だと徹はそちらに歩み寄る。
その彼を見やって、瑛華は小さく吐息をついた。実は今日はあまり客が来ず、暇だからそろそろ店を閉めようかと考えていたところだったのだ。
(……ま、何か買ってくれれば恩の字、買ってくれなくても暇潰しぐらいにはなるか)
胸に呟き、小物をあれこれ物色する徹の姿を目で追う。
そのうちふと、彼女は先日、他の客も含めての雑談で出た話を思い出した。壁にかかったカレンダーで日付を確認して、口を開く。
「……そういや円城さん、たしか今日が誕生日って言ってたよな?」
「そうだけど、なんで……」
驚いてふり返る徹に、瑛華は笑った。
「ほら、この前、ここでちょっとそんな話をしただろ?」
「……そういえば、そんなこともあったけか」
言われて徹も思い出す。それへ、瑛華は続けて言った。
「誕生日だからといって、煙草の割引はできんが……私でよければ、話につきあうよ」
――ホントは暇だったとは、口が裂けても言わないが。
と胸の中で付け加え、彼女は小さく笑う。
「そりゃどうも」
徹は、いかにも彼女らしい申し出だと笑って肩をすくめた。だが、悪くはない提案だ。
「話をするなら、飲み物ぐらいいるだろう。……ちょっと待っててくれ」
言って徹は一旦外に出ると、店先の自動販売機で缶コーヒーを二つ買って戻って来た。一つを瑛華に差し出す。
「悪いね」
言いながらも受け取り、瑛華はプルトップを開けながら言葉を継いだ。
「しかし、今日もいい天気だね」
「ああ。……客待ちをしてても、天気がいいと気持ちがいいな」
徹も缶コーヒーのプルトップを開け、一口飲んでうなずく。
「景気はどうだい?」
「まあまあ、かな。……やっぱり、観光客は夏の方が多いな。そういえば、煙草には季節による客足の変化とか、あるのかい?」
「う~ん、どうだろうねぇ。……たしかに夏は観光客が立ち寄って行く率が高い気がするが、売上につながってるかは、ちょっと謎だね」
瑛華は問われて、首をかしげる。
二人の会話は、そこから更にハロウィンに関するものから、煙草の小物に関するものへと次第に移り変わって行った。
「手巻き煙草はどうだい? 巻く分だけ手間はかかるが、サイズを自分の好みに合わせられるし、葉も好きにブレンドできて面白いよ」
いくつか、新しく入った携帯灰皿やライターなどを勧めたあと、瑛華が言った。
「手巻き煙草か……。聞いたことはあるけど、実際どんなものなんだ?」
問い返す徹に、瑛華はカウンターで実演してみせる。
小さなローラーにフィルターを入れ、刻み煙草を入れてローラーを回したあと、今度は巻き紙を入れてローラーを回し、端を糊付けして出来上がりだ。
瑛華がローラーを開けると、中から煙草が一本、ころがり出て来る。
「……なんだか、魔法みたいだな」
目を丸くする徹に、瑛華は笑って作りたての煙草を差し出した。
「吸ってみな」
「ああ。ありがとう」
受け取って、口にくわえて火をつける。
「……悪くないな」
「だろ?」
ややあって言う徹に、瑛華はにやりと笑う。
「半自動で巻いてくれるシガレットマシーンもあるが、趣味にするならこっちの方が面白いよ」
「……そんな気はするな」
うなずいて、徹は店内に目を走らせた。パイプや煙管らの並ぶ棚の一画に、瑛華の手元にあるのと同じ、ローラーやフィルターなども並んでいるのが見える。
(……あれを、自分への褒美にするっていうのも、悪くはないが……)
はたして、自分に今瑛華がやって見せたように、上手に煙草を作れるだろうかと徹は考える。
「……ちょっと、考えてみるよ」
結局、今買うのはやめて、保留にすることにした。
「ま、じっくり考えるこったね」
瑛華も笑って答える。
そのあとも、二人は四方山話に花を咲かせ、やがて缶コーヒーの中身が全てなくなり、あたりがずいぶんと暗くなるころ、徹は腰を上げた。
「すっかり長居してしまったが、僕はそろそろ……。今日は、ありがとう」
「いや、たいしたことはしてないさ」
瑛華が笑って返す。
それじゃあと徹は踵を返し、店を出て行こうとした。その彼を、瑛華が呼び止める。
「これ、持って行きな」
ふり返った彼に、瑛華が差し出したのは、アルミ製のシガレットケースだった。
「これ……」
戸惑う彼に、瑛華は言う。
「売れ残りのやつだがね。こんなもんでよければ、誕生日プレゼントってことで」
促されて、徹はそれを受け取った。よく見れば、それは先日ここに来た時、手に取ってはみたものの、サイフの中身が足りなくて、結局買わなかったものだ。
(本当に、記憶力がいいんだなあ……)
思わず胸に呟き、小さく苦笑して、徹は顔を上げた。
「それじゃ、遠慮なく……」
片手で感謝の仕草をして、彼はそれを背広のポケットに入れる。
「じゃ、僕はこれで」
改めて挨拶すると、彼は店を出た。
それを見送り、「売れ残ってたのは半分本当だが……まぁ、ちょうどいいだろ」と瑛華は呟く。
一方、徹は。
外に出て歩き出しながら、たしか瑛華の誕生日は来月だったと思い出した。
(彼女の誕生日には、他の常連客と一緒に、今日みたいなたわいのない会話を楽しむ日にしてあげたいな)
ふと、そんなことを思う。
そして、ポケットからアルミ製のシガレットケースを取り出して眺めると、口元に小さな笑みを浮かべた。
(いい一年になりそうだ)
胸に呟き、改めてそれをポケットに落とし込むと、そのまま歩き出した――。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月11日
参加申し込みの期限
2015年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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