中学生も中間テストざますざます！｜リアクション

中学生も中間テストざますざます！

○テスト前、追い込み！

「えっちょっと、勉強特集？」
　読者モデルの仕事場で、夜乃理沙は耳を疑い、聞き返しました。
「そう、勉強してる様子を撮影するから。理沙ちゃんの勉強方法も参考にしたいな」
　ディレクターの言葉に理沙は慌てました。
　美形で大人びた雰囲気の理沙ですが、勉強は大の苦手です。
「僕の勉強方法って……精々課題の問題集こなすぐらいしか……」
「理沙ちゃんはスイーツ好きだから、テストが終わったらスイーツ食べる！　とか、ご褒美のために頑張るとかは？」
「あぁ、ご褒美作戦って手もあるのか。スイーツのためなら頑張れる……気がする！」
　理沙は尋常じゃないほどのスイーツ好きなのです。
（だんだん先生もうるさくなってきたし、クラスメイトもピリピリし始めてきたし。……実感わかないんだけど僕も受験生……なんだよね）
　先日の進路相談のことを思い出します。
「……目指す進路は決まった。志望校も。うん、今からでも、成績伸ばさないと……。進路相談でも勉強しなさいって言われちゃったし、勉強しないと……」

　そんなわけで、さっそく勉強に取り組んでみたのですが。
「ぐぐ……ツケが回ってきてる……！　高得点狙って勉強まともにやるの小4以来だもんなぁ……！　数学……うぅ……わっかんない！」
　頭を抱え虚しく叫んだ後、結局理沙は睡魔に負けてしまったのでした。

　困った理沙は、担任の先生に泣きつきました。
「全然わかんないので助けてください武田先生！」
「おいおい、質問に来るのはいいが、勉強の仕方とかは自分でだな……」　
　武田剛志先生は、すがりつかんばかりの理沙に困りつつも、アドバイスをくれました。
「今からだと応用まで全てマスターするのは難しいが、基本から押さえていけば基礎はなんとかなるだろう、中間だからな。教科書とノートを中心に、基本問題を解いていくんだ」
　とりあえず言われた通りに教科書を開いてみるものの。
「基本……分からなさすぎてどこがわからないのか分からない！　っらぃょ……」
　簡易テストをやったら中1のところから躓いていました。
「うぅっ頑張らなくちゃ……僕、テストが終わったらスイーツ取り寄せまくって食べるんだ……。テストが終わるまでの辛抱……スイーツ……スイーツ……」
　眠気と戦いながら、理沙は自分へのご褒美を目指して地道に問題に取り組みます。
「今からでも受験に間に合うようにしなくちゃいけないしね……スイーツ……」
　ふとカレンダーを見ると、ハロウィンにつけた○が目につきました。
「そうだ、テストが終わったらハロウィン！」
　ハロウィンと言ったらスイーツです。お化けが持ったキャンディーやパンプキンプリンが目に浮かびます。
「テストが終わったらハロウィンテストが終わったらハロウィン……」
　眠気が飛んで、頑張れそうな気がしました。

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