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2.未返却者のシチリアーナ
その一方で、返却をそれぞれの理由でできない生徒たちもいた。
弓弦原 譲
。彼はその中の1人である。星ヶ丘寮の一室で彼は考え込んでいた。
ローズウッド製のサイドテーブルには図書室の回収キャンペーンの数日前に全校生徒に配られた告知プリントが無造作に置かれている。
そこには返却の推奨と回収の実施を知らせた旨が書いてあった。
「どうしたものか」
そう言って彼は大事そうに1冊の本を撫でる。
題名は『ねこといもうと』
それは児童書であり、彼が普段読むような本とはかけ離れたジャンルであった。
眼鏡の下の瞳を細め彼は自嘲するように呟く。
「1度返して、また借りればいいだけのことなんだが」
理屈では分かっていても感情では否定してしまう。その本以外は期日以内に返却している彼はなおさら落ち着かないようだった。
「もう内容も覚えてしまっているしな」
彼が幼い頃に持っていた本でもあった。失くしたものを寝子島高校で見つけたのは彼にとっての僥倖だったのかもしれない。
思い出の痛みと共に彼は何十回目かわからない読書を開始しようとした。
ピンポーン。
来客を告げる鐘が鳴る。
同じく星ヶ丘寮。
「あわわ~! ど、どうしましょう~」
包帯と薬品と少々の服と紐パン(黒)が散らばった部屋をさらにかき混ぜるように探しているのは
添木 牡丹
。
ボサボサの髪に包帯が絡みついたりもするがそんなことを気にせずに部屋中を漁り続けている。
彼女が借りた本は計10冊。貸出冊数の限界である。
お硬い専門書から、人によってはドン引きされるような内容のものまで幅広いジャンルで彼女は借りていた。そしてその全てが返却期限を過ぎているのだった。
「か、回収なんて来られたら、私の人間性が暴露されてしまいますぅ!」
回収されなくても返却しなければ後日貼り出されるのだがそれには気づいていないようだった。
「ここにないのは……学校にあるはずです。心当たりを探し尽くして……目撃者は記憶を消さないと……」
1時間ほど探し続けてなんとか数冊を見つけた彼女は、部屋の惨状を見なかったことにして行動を考える。
見つかった本の多くは専門書やファッション雑誌、恋愛小説など比較的健全な部類だった一方で、行方知れずの本がショタっ子だったり、殺人鬼だったりとクリティカルなものばかりだったことが彼女の不幸の始まりでもあった。
桜花寮女子棟。
ここにも1人、悩める女子生徒がいた。自室で裁縫をしているのは
哀坂 零葉
、赤い瞳には疲労の色が浮かんでいた。
彼女は
八十八旗 信彦
に誘われて入部した
部活
の衣装作成に勤しんでいるのだ。
そして、その衣装作成の為の資料として借りている本の返却期限が切れているのだった。机の上に広げられているのは衣装と裁縫セットの他に、『ソーイングの基礎』『初心者のためのコス衣装』などの数冊。
「痛っ」
針で指を刺したのも何度目かわからないくらいになっているくらいに、彼女の両手の指には小さな傷。
縫おうとすれば指を刺し、裁ちばさみを使えば生地を切り過ぎる。
クールな外見からすれば想像できないくらいに、彼女はとても不器用だった。
零葉は指の傷に軟膏を塗りながら、卓上カレンダーを見る。
今は4月の下旬。衣装の制作開始と本を借りた日が4月の上旬。返却期限が過ぎていることを彼女は自覚する。
「後もう少しで完成なのよね……。期限を守らないのはどんな理由であれ悪い事だけど……完成までは……!」
と、決心して作業へと没頭する。
そして糸切りハサミで自分の爪を切りそうになるというミスを引き起こしながらも、彼女の制作は少しずつ進んでいくのだった。
図書委員会からの刺客の足音はまだ、彼女には聞こえない。
寝子島高校は単位制の授業とクラス毎の授業の2種類が並行して行われている。
それは生徒の自主性を重視しつつもクラス毎の協調性というのを意識した結果でもあった。
自主性の結果、授業をサボる生徒も少なからずいたりもする。
暖かな春の陽光の下、午後の授業をサボタージュしているのはツインテールの髪を揺らしながら歩く高身長の女子生徒、
桃川 圭花
である。
彼女の手には、図書室の植物図鑑が抱かれている。
「強く甘い芳香ね。オレンジ色の花は……」
学校から星ヶ丘寮方面へとゆっくりと散歩気分で歩きながら彼女は花を探していた。
目につくのは散ってしまった桜の木、春牡丹が大輪の花を咲かせている姿、野薔薇が清楚な白い花を咲かせ芳しい香りを発している。
歩けど図鑑にあるような小さなオレンジ色の花を咲かせた木を見かけない。気がつけば星ヶ丘教会が見えてきている。
「見つからないじゃない」
自分の名前である桂花を指す花、金木犀を彼女は探していた。
金木犀は秋の花。そして今は春。図鑑の秋の花という表記を見落としたまま彼女は探し続ける。
「これは?」
と、オレンジ色の花を見つける度に彼女は調べる。それが金木犀の花とはまったく違う形と分かっていても。
「ふぅん」
ラナンキュラス、蓮華ツツジ、ガザニア……。
様々な花が咲き乱れる街並みをゆったりと彼女は過ごす。
授業をサボっているという後ろめたさを感じられないその姿はある意味で優雅とも言えた。
「香り、香り……後で香水のお店にでも行ってみようかしら」
そんなことを考えながら彼女の散歩はゆったりと続く。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
深城和哉
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年03月14日
参加申し込みの期限
2013年03月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年03月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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