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専門書ブースは利用者が少ないため、図書館の中でも死角になりやすい。
刻人はひとりで浅山が何かを探している様子に注視した。
「もしかして、郷土史の棚の書籍を探しているのかな?」
浅山が筆談をしようとすると、刻人はそれを制した。
「ああ、大丈夫。図星なんでしょ? 僕、大学で寝子島の郷土史について色々と学んでいるんだ。ここの図書館もよく利用している。よかったらお目当ての資料を一緒に探してあげるよ」
浅山は一礼したあと、探す本のリストを刻人に手渡した。
「えーっと、『寝子島風土記』に『落神伝承民話集』、それに『誰も知らない神魂怪奇ファイル vol.1~7』?? これは……寝子島書房から出てる本だね。誰も知らないのになんで書籍化されているんだろうね……。だいたい、どうしてあのトンデモ本がこのリストの中に?」
恐らくは真偽問わず落神に関する情報ならなんでも蒐集しているのでは、と刻人は訝しんだ。
「風土記と民話集なら僕も借りたことがある。ほら、これだよ。でも寝子島書房みたいなイロモノは専門書ブースにはおいてないよね……」
『そちらなら既に趣味ブースからもってきましたから大丈夫です』
浅山がようやく筆談で会話を成立させた。
『ありがとうございました。では、私は加納さんたちに本を届けますね』
「ああ、“気を付けてね”」
含みある言い方に、浅山の表情が強張る。
「……流石に叢雲もここじゃ大きな騒ぎを起こしづらいはずだよ。だからしっかり業務をこなしておいで」
刻人が笑顔で浅山を送り出す。
彼女がワゴンにお目当ての書籍を載せて立ち去る姿を見送ると、刻人は振り向かぬまま唐突にバックステップ!
彼の伸ばした右手が、本棚の陰に潜んでいた男の首に食い込んだ。
「ぐぇ……!? お前……!?」
「おひさしぶりです……ええと、Dさん、と呼べばいいですか?」
Dさんと呼ばれた男――前回の教団が手引きした誘拐事件の実行犯であり、強力なろっこん無効化ろっこんを持つもれいびであり、その正体は身の安全の保証と引換えに“英雄たち”の抹殺をけしかけられていたメサイアの構成員である。
「先程からアイドルのファンに紛れていたのは気が付いていました。単独行動は危険なのに、気配の消し方がなってませんね? 僕が徒手空拳じゃなかったらどうなっていたことやら?」
「は、離せ……! 俺が倒れたら、メサイアとの協力関係が崩れる! そんなこと、ビリオンが黙っていないぞ……!?」
「安心してください。僕はただ知りたいだけなんです。質問に答えてくれますよね?」
刻人は笑顔だ。一見、敵意は感じられない。
左手には鉛筆。図書館のアンケート用紙に書き込むために備え付けられた鉛筆だ。
それがみるみるうちに黒ずんでヒビが入っていく。
刻人のろっこん『有益なるクロノメーター』の効果だ。
手に触れているものを任意のタイミングで経年劣化させることができる。
「僕のろっこんは生物・無生物問わないんです。試してみますか?」
「わかった、話す……! 俺はここでお前たちとやり合うつもりはないんだ!」
Dは脂汗で額を濡らしていた。
補足しておくと、刻人のろっこんは生物には効果がない。
ブラフで相手を動揺させ、会話の主導権を握る考えだ。
刻人は満足げに頷くと、次々に質問をぶつけていった。
「加納と僕達、両方を監視してるかと思ってさ、この状況。僕達と加納達を潰し合わせて、君らが黙示録を奪おうとしている……と、皆に思われそうだよね? 当たってる? 君の立ち居地正確に教えてよ」
「奪う? なんのことだ……!? 確かに双方を監視していたが、俺はビリオンから
『英雄たちを守れ』
と伝達されているだけだッ!」
「へぇ? 守れ、と……?」
「ああ、そうだ……!」
Dは首を絞められたまま唾を飲み込んだ。
「メサイアは今、お前たちと同じ敵と戦っている。つまり同盟関係にあるといいっていい……! 君たちはもれいびとはいえ、民間人だ。教団側が……いつ強硬手段に出るかわからない状況で武力行使ができるのは、いまだに指名手配されていない俺みたいば一般人に紛れた同胞たちだ。ビリオンは報道で顔と名前が割れているからな……!」
「意外だね……」
刻人は素直な感想を述べた。
「てっきり暗殺されるかと思ったよ」
「やろうと思えば、いつでも殺せたさ……。でも同盟関係を自ら崩すような愚行はしない」
「強がりはよせ……ッ!?」
刻人はそれ以上喋ることができなくなった。
誰かに口を塞がれている感覚。
背後から刻人は取り押さえられてしまっていた。
「……単独行動は、危険なんだぜ?」
Dは皮肉混じりに口端を釣り上げた。
(2対1か、卑怯じゃないか……)
自身の軽率さを悔やむ刻人。
彼はDの首元から手を離した。
先程は浅山と一緒にいた上に、Dに手出しをしていなかった。
しかし、監視対象がDに危害を加えてきた以上、この場で刻人が殺処分される条件が揃ってしまった。
……と、ここで刻人の口元を抑えていた手が離れる。
振り返るが、背後には誰もいなかった。
おそらく、何らかのろっこんだろう。
「言っただろう? 自ら同盟関係を崩すような馬鹿な真似はしない、と……」
「わかった、君たちの言い分を信じるよ……」
分が悪いと感じ始めた刻人は両手を掲げた。
「その代わり叢雲の歴史を教えてよ。君が所属していた時の状況とかさ。あと、元々の教団トップの神武と白山、加納は昔から組織にいた?」
「いちいち質問が多い奴だな……」
Dは顔をしかめつつも、案外素直に答えてくれた。
前回の誘拐事件でも桜庭と会話で情報提供しているあたり、口が軽いのかもしれない。
実際優しい人である。
「宗教法人叢雲教団は、14年前に立ち上げられたいわゆる新興宗教だ。神武尊師が運営していたフリースクールを母体として、草薙製薬の社長――つまりあの女狐の父親の出資金で立ち上げたと聞いている」
「単刀直入に聞こう、いくら出してもらったのかな?」
「正確な額は分からない。だが、数千万円は掛かったという噂だ。奇妙に思えるかもしれないが、宗教とはいえ何事もゼロから始めるとなるとカネが要る。草薙製薬がいなければ、尊師の信仰も広まることはなかっただろう」
「さっき宗教法人と言ってたけど……、宗教団体じゃないんだ? ちゃんと法人登録されているとは知らなかったよ」
「信者は南関東周辺に約1,000人ほどいる。支部は23区内に2箇所、寝子島近くの茅ヶ崎に1箇所、東京湾をまたいで千葉の館山に1つある。そして教団本部はお前らも知ってのとおり、奥多摩にある。俺たちがお前らを誘拐した奥秩父の施設は旧本部の建物で、今年の4月に今の本部に引っ越したんだ。現在は“特別な用途”以外の建物の使用を女狐から禁止されている。どんなことか? 察しろ、お前たちが身を持って体験したことの類だ」
「神武の人となりについて、もっと詳しく教えてほしい」
刻人の質問にDは淀みなく答えた。
「落神伝説を誰よりも信じておられたお方だ。弱者を見捨てることのできないお方でもあった。社会の爪弾き者だった俺たちを拾ってくれて自活できるまで育ててくれたのだからな……。尊師は常にこんなことを口にしていた。
『なぜ、人は優しくなれないのだろうか?』
と。俺には真意はよく分からないが、どんな時も尊師は弱き者の味方だった」
「そんな聖人がなんで武装蜂起を?」
「それだ」
Dは途端に顔を強ばらせた。
「たしかに、尊師は世の中で我が物顔で弱者を虐げる強者に対して、猛烈な不快感と反発心を抱いていた。しかし、血が流れることを望んでいなかったはずだ。だからこそ、この差別や不条理に満ちた世の中の改善を落神のチカラにすがろうとしていたのだ」
刻人はDが言わんとしている内容が読めてきた。
「……あのお嬢さんの奸計に、その尊師がまんまとハマったってことかな?」
「ああ、恐らくはな……。尊師は起訴された今でも容疑を否認しているから、そういうことなのだろう。尊師のひとの良さに、あの女狐がつけこんだんだ……」
刻人はこの情報を深く記憶に刻み込んだ。
「とはいえ、女狐は創立当初から巫女として信者たちから慕われていた。創立当時は純粋に神様を信じる6歳の女の子だったんだがな……」
「何かあった……?」
腕を組む刻人。
Dは憂鬱そうに目を伏せた。
「……女狐の母親が不倫していたのさ。社長は以前から日本国内外を飛び回ってロクに家にいなかったそうだ。そこに教団設立のための活動が加われば、どうなるか簡単に想像つくだろう? 身を持て余した若い母親が、その間によその男を引入れていたんだとさ。しかも、バレた時には既に子供を産んでどこかに捨てたと聞いている。父親は最期まで誰か分からずじまいだ」
「最期って、まさか……」
刻人が喉を鳴らす。
「そうだ……、お前の思っている最悪の状況が現実にあったんだ」
Dは忌々しげに言葉を吐きだした。
「殺されたんだ。当時9歳の女狐が、実の母親に毒を盛ってな……!」
刻人は息を飲んだ。
加納 泉月花
は、9歳にして人を殺めていた。
しかも、その相手は実の母親……!
「警察は、子供だった女狐が誤って母親に毒薬を投与してしまったという見解を出して捜査を打ち切ってしまった」
「荒唐無稽だ」
「だが事実だ。……不倫がバレた日から、母親は深刻なうつ病を抱えていて、気力が湧かずに日がな1日寝床から起き上がらないことも多かった。その日も女狐に抗うつ剤を持ってくるように言ったらしい。女狐が持ってきたそれを飲んだ途端、母親がぶっ倒れたんだとさ。そもそもオーバードーズ(過量服薬)で何度か病院に運ばれていたから、警察も自殺を最初疑っていたらしい。結局、事故扱いになったけどな。……それ以上の詳細は俺みたいな一般信者にまで伝わっていない。報道も大々的に行われていない。製薬会社の社長夫人が毒飲んで死んだなんて笑えない話だからな、社長はコネを使いまくって情報規制で躍起になってたぜ」
Dの話がどこまで真実なのか、定かではない。
しかし、刻人はそれでもこう告げた。
「信じるよ、今は。その話も、君たちも。これから先、僕は君の事を信じる」
「……感謝する」
Dは頭を下げた。
「ところで、白山のことは何か知ってるかい?」
「教団設立と同時に、今までのフリースクールは孤児院へと体裁を変えたんだ。設立から1年くらい経った頃から、白山が教団に出入りするようになった。……それ以上のことは、俺には分からない」
「そう。色々と有益な情報をありがとう」
刻人は謝辞を述べると、周囲を警戒しながらその場を立ち去る。
情報班にDから得た情報を伝達後、先行している隠密班の後を追うことにした。
「僕は『虚飾』……」
図書館を出た刻人の口から罪の名が漏れる。
「七つの大罪のうちの1つ、『傲慢』に取り込まれた大罪の名残だ」
ふと、『妻』の写真を懐から取り出し眺める。
「危うく殺されるところだったなぁ。これじゃ『妻』を悲しませちゃうね……」
その口元は不自然に綻んでいた。
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シナリオジャンル
推理・サスペンス
バトル
神話・伝説
定員
40人
参加キャラクター数
40人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月13日
参加申し込みの期限
2015年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月20日 11時00分
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