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段ボランド de ファイト
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鬱蒼たる密林、どこからか聞こえるエンジンの唸りは、きっと段ボール戦闘機のもの。キュラキュラ聞こえる段ボールキャタピラの音も、それなりに本物らしく聞こえるのはなぜなのか。忽然と出現したこのジャングルを、これまた忽然と出現した紙製ダイナソーが闊歩する。これが悪い夢ではないというのが、彼女にはどうしても信じられないのだ。
「うぬう」
おそらくきっとこの「うぬう」のうめきが、この島で一番似合う美少女、姓はマクミラン名はルーシー、フルネームならば
ルーシー・R・マクミラン
は、シュロの葉をかき分け垂れ下がる蔦を避けつつ、雑草が鼻の頭をこするほど地に伏せて、にじり、にじり、と匍匐前進をつづけていた。
進むのは茂みが中心、ルーシーは隠密行動を心がけている。
「……段ボランド……と言ったな、ここは」
どすっ、どすっ、と高射砲が、空に向けて砲撃を行っていた。高射砲といってもサイズはせいぜいノートパソコン程度のものだろう。実際その高射砲は、ちょっと前の人気ノーパソの箱からできているようだ。その交戦相手は、紙おむつのパック多数を梱包していたと思わしき大型段ボールの爆撃機だ。両者は音ばかり派手だが実際は段ボールつぶて(といっても業務用のホチキスで留めてあるから当たればそれなりに痛い)をぶつけあっている様子である。
両者の縮尺が違うのはあきらかだった。ノーパソ高射砲に比べると、爆撃機は明らかに大きすぎる。これは素材になった段ボールの材料が違うためだろうか。大きさは統一ではないらしい。もしかしたら遠近感を出すためのものだったかもしれないが、自由に動いて戦っている今となっては意味がなかろう。
高射砲と爆撃機が互いの戦いに夢中なのを確認して、ルーシーは両者に近づいていった。
いずれも近くで見れば、惚れ惚れするくらいよくできている。もちろん段ボール製ゆえ本物そっくりのリアリティとはいかないが、ディフォルメの効き具合に美意識を感じずにはいられなかった。ルーシーはミリタリー的なものには詳しくないが、マニアならあの姿でも、『第二次大戦後期の○○軍の××』と兵器名を言い当てられるのではないか――そんな気がした。
あの安い素材でこれほどの物を作る才は素晴らしいものだと、ルーシーは素直に感心するのである。
だがやはり明らかにこれは、『フツウ』ではない。断じて違う。
「かくなる上はこの元凶を、明らかにせねばなるまいな!」
ルーシーは握りこぶしを作った。
とはいえルーシーは芸術を愛でる者として、あの『作品』を壊すのは忍びなかった。
破壊行動を控えて真相に近づくには――と彼女は一計を案じている。
かつて、どこかの傭兵が段ボールを使ってうまく隠れ、世界転覆を企むテロリストの野望を阻止したとかなんとか、そういう話を以前、ルーシーは聞いたことがある。幸いここは段ボールが豊富すぎるほどに豊富だ。つまり――。
「この至高の芸術である身体を隠すというのは好かぬが、やむを得まい!」
しかし、とルーシーはつぶやいた。
「……その前にここで、視聴者へのサービスカットを入れておくべきではあるまいか!」
どこに視聴者がいるのかはわからないがルーシーはいつだって観客のことを意識している。芸術というのは他人に見られてこそであり、芸術のためなら一肌だろうが二肌だろうが、脱ぐことにためらいのないルーシーなのだ。さっそく彼女は立ち上がると、颯爽と上着を脱ぎ捨て胸元に手を……。
「ドゥアオラア!」
手を……かけたところでルーシーは硬直した。
まるで手負いの獅子、荒々しく強烈な雄叫びを上げ、手刀で爆撃機、さらに蹴りにて高射砲、と、一瞬で眼前の段ボール兵器をふたつとも粉砕した姿があった。火の玉のような勢いだが、見ればなんと少女ではないか。年の頃はルーシーと同程度だろう。黒髪黒目、よく日焼けしている。服装のほうは、柔道か空手か知らないがいわゆる稽古着だ。
「なんなんだこの場所は!」
ギン、と剃刀みたいな少女の目には怒りの色があらわだ。笑めばなかなか美少女のようだが、なんという必要以上にトゲトゲしているようにルーシーの目には映った。トゲトゲといってももちろん髪型がドリルというわけではない。むしろごくありきたりなポニーテールだ。武器まして拳銃など持たない。それなのに少女は、全身から激しい攻撃性を放ちまくっている。
少女はルーシーに一瞥をくれたものの、特に感慨はないようで、
「先日の商店街といい、これといい……この島はどこかが狂ってやがる……」
と言い捨てると、両肩を怒らせたままそこから立ち去ろうとする。
「ふおぉぉ!?」
一瞬、その迫力に気圧されかけたルーシーだが、彼女とてインパクトという意味では揺るぎない自信があった。
「待てい! そこな者、この
ルーシー・R・マクミラン
の前を素通りすることは許さん!」
「あぁ? なんだテメェ?」
見た目通りひどい言葉遣いだ。なまじっか顔立ちが整っているだけに(※とはいえ自分ほどではない、とルーシーは断言できる)その粗雑さは目立った。
「天下の往来でなんでテメェの許可なんざ取る必要があんだよ!」
「密林に段ボール兵器がうろつく場所の、どこが天下の往来かっ!」
右目は青、左目は緑のルーシーの両眼は、人形のように美しいけれども、そこに込められた強い意志は、さしもの野獣少女にも届いたようだ。少女は少し、黙ったが、
「るせぇ、こっちは急いでんだ。勝手に行かせてもらうぞ」
むすっと不機嫌な返答をして、やはり立ち去ろうとするのである。
「待てというに! 見ればそなたもこの段ボランドに迷いし者のようだな。ここから脱するつもりであれば、我と同行することを許そう」
ルーシーはぐっと人差し指で空を指した。唯我独尊! 彼女にルーシーがついて行くのではない、ルーシーこそが彼女に随行を許すのだ。
ルーシーは少しだけ夢想していた。
気品があり王者の美を備える自分と、野育ち丸出しながらダイヤの原石のような美をもつあの少女……組めば好対照ではないか。正義のスーパーヒロイン一号と二号といった風もあるではないか。もちろん一号(主役)はルーシーとして!
ひれ伏すという期待もあったがあに図らんや、少女は腕組みしてルーシーを見ていた。
「……なんというか、予想の斜め上過ぎて怒る気もおきねぇ。俺も大概だが、テメェも変な奴だな」
「常識の尺度を超えてるものを『変』というのであればさもあろう。しかし、我を表する言葉はそれよりも『傑出している』というのが正しかろうなっ!」
「言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信ということだけはわかった」
「左様か。得心したのであれば、我について段ボールを被るのだっ!」
「いや、やめとく。俺は好き勝手暴れてるほうが好みでね」
「ふぅむ」
残念ではあるがルーシーは芸術の頂点に立つ者、頂点の孤高を知っている。引き留めはしなかった。
「それではここで相別れん。……名前だけでも聞いておこう」
「
詠 寛美
(うたい・ひろみ)だ」
このとき寛美が、ふっと一瞬だけ笑った気がした。
ルーシーと寛美、電撃的な出会いであった。
ルーシはふと思うのである。
――なかなか面白い娘であった。また会うときがくるやもしれぬな……。
この勘が当たるかどうかは、定かではない。
「さて」
寛美を見送った後、彼女がが叩き壊した段ボールを持ち上げ元の箱に整え直すと、ルーシーはその下に潜り込んだ。
「参るとするかの」
隠密ミッションのスタートだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月27日
参加申し込みの期限
2015年05月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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