段ボランド de ファイト｜リアクション

段ボランド de ファイト

　鷹城空の操っていた飛行機が、急に活力を失いふらふらと高度を下げていった。
　やがてぺしゃっと落ちてしまう。
「くっ、なんだ、燃料切れだとでもいうのか……！？　それとも」
　一緒に墜落するような空ではない。ごろっと受け身を取って着地し、立ち上がって周囲をうかがった。
「それとも……タイムアップか！」
　どうもそっちのほうが正しい気がする。なぜってここにも段ボール兵器たちがあるものの、いずれも動いていないからだ。
　ふう、と空はため息をついた。
　なんだかお祭りが、終わってしまったような気分だ。
　でも――。
　彼女は行く手遠くにに、まだ動いている段ボールを見出した。
　密林の合間から見えるのは、スペースシャトルではないだろうか。段ボールの大きなシャトルが組み上げられようとしている。

　陽が傾いている。ずっとつづいていたざわめきがやんだ。
　八神修と鬼河内萌は顔を見合わせていた。
「なんだか……」
　萌はそれ以上言葉を重ねない。黙って『NYANDAM』を脱いだ。
「塵は塵に、紙は紙に……だな」
　修が手を差し出したが萌は握らず、手のひらをむけて上げるような仕草をする。
　修が倣うと萌は軽く飛んで、パチッと手のひら同士をハイタッチさせた。

　ここでも、ハイタッチが行われている。
「ふー、なんとかなったね！　お疲れ様ー！」
　こう言って凛は、焔や英二、さらにはダンボーまでとハイタッチして成功を祝すのである。
「なかなかに熱くて激しい戦いだったなぁ、結構楽しかったよ！」
　その一方で凛は、なんとなくだが密林が小さくなっていくようにも感じていた。一晩もすればこの段ボランドも、元のサイズに戻るのではないか。
「それで……」

　
　散乱する段ボール材を月詠は集めながら言った。
「最後に何か一つ、作ってみようか。スペースシャトルとかどうか。箱ものだから、わりと簡単に形はできる」
　終わったら、後片付けをして帰ろう。

　『段ボランド de ファイト』おわり

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あとがき

担当マスター：桂木京介
ファンレターはマスターページから！

　ご参加ありがとうございました。桂木京介です。
　楽しく暴れたり、逃げたり隠れたりできたでしょうか？

　芸術家ダンボーを探し出すというミッション、意外と皆さんが挑んで下さったので、こういう形で落ちをつけてみました。私もこういう終わり方になるとは思ってもみなかったので驚いております。毎回のことですが、『らっかみ！』はマスターの私にとっても驚きの連続です。
　南波太陽とか五十嵐尚輝も出したかったのですが、そこまで余裕がありませんでした。まあ彼らも、段ボランドのどこかにはいたものと思います。

　ご感想をお待ちしております。
　次は『【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ！』（仮題）でお会いすることができそうですね、今から皆様のご参加を楽しみにしております。
　それではまたお目にかかりましょう！　桂木京介でした！

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