暴走する人馬、鳴り響くは銃声　～機鋼世界マシナリア～｜リアクション

暴走する人馬、鳴り響くは銃声　～機鋼世界マシナリア～

■終章「エピローグ」

「ありがとうございました！　あなた方のおかげで物資を守り通せました！　感謝の言葉だけじゃほんと、足りないぐらいですよ」
「そうそう、あんたらがいなかったら……俺らはあっという間にミンチ肉になってハンバーグの材料にされてたかも知れないからな」

兵士達を代表しヘルトとヴァイゼは帰り支度を整えている彼らにそう感謝の意を示した。
彼らはそれに対し当たり前のことをしただけで、特別お礼を言ってもらう事ではないと告げる。

「いえいえ、なかなかできませんよ。このような状況で逃げ出さずに救援してくれるなど」
「そうだぜ。俺があんたらの立場だったらとっくのとうに逃げてるしな！」

肩をすくめてみせるヴァイゼを横目で見てヘルトは溜め息ひとつ。
それに不服そうにヴァイゼが顔を歪める。

「もうヴァイゼ、キミは少し黙ってくれないかな。纏まるものも纏まらないよ、君が話すと」
「おいおい！　それじゃ俺がうるさいみたいじゃねえか！」
「ふふふ、楽しいお二人をもっと見ていたいのですが、わたし達はそろそろ行かなくてはなのですー」

ちーあがそう切り出したことで出発の時刻が近づいている事に気づく二人。

「そうだったな、あんた達も急ぐ旅の途中だってのに……引きとめて悪かった」
「いえ、いーのです。それではお二人もお元気でー！」
「おう、また会えたらそん時は美味いもんでも食いに行こうぜ！」
「はぁ……ヴァイゼに任せるとろくな店にならないのでその時は僕が選びますよ」

二人は彼らに背を向け発車し、ゆっくりと走り出した列車の後部デッキに飛び乗った。
そのままヘルトとヴァイゼの姿が見えなくなるまで彼らは見送る。
すると……次第に視界が白く変わっていく。

「そろそろ時間なのです。今回は依頼達成お疲れ様なのですよ！　みなさんがいなかったら、わたしもどうなっていたことか！」

白い世界でくるくるとスカートを翻して回るちーあの姿が見える。
彼女はスカートの裾を持って丁寧にお辞儀をすると、無邪気な笑顔を振りまく。

「わたしを助けてくれた皆さんとまた会えることを楽しみにしているのですよーっ！　ではまたなのです！」

再びちーあが深いお辞儀をした瞬間、彼らの意識は静かに眠りへと落ちていった。

――――どれくらいの時間がたっただろうか。
目を覚ますとそこは自分が異世界に来る直前に眠っていた場所だった。
そう今回も依頼を解決し、元の世界に戻ってこれたという事である。
しかし彼らはまたいずれ近いうちに呼び出されるのだろうとも思う。
なぜなら、枕元に『またねっ！　ちーあより』と書かれた不思議な模様の紙が置かれていたのだから。

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あとがき

担当マスター：ウケッキ
ファンレターはマスターページから！

お初の人もそうでない人もこんにちわ、ウケッキです。
この度、遅延しての提出となり誠に申し訳ございません。
ご迷惑をおかけした皆様に深くお詫び申し上げます。

機鋼世界マシナリアシリーズ。
今回のお話はその一話目となります。
全てのお話がこのシリーズでは続いていきます。
関連のお話を読まなくても楽しめる様には致しますが
予め、私の他作品を読んでおいていただけるとあれこいつは……なーんて人物が登場しているかもしれません。

様々な人物が登場する中でどのように物語は展開していくのでしょうか。
気負いしない程度に、気長にのんびりとお待ちいただけると幸いです。

それでは今回はこのへんで。
ではまた！

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