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◆四章「ぶつかる心、それぞれの信条」
森の中を村人が逃げている。息を切らして。
その身は傷だらけであり、衣服の隙間からは血が流れていた。
「はあ、はあ……あと少しで、村に……!」
そんな村の少女の前に誰かが立ちはだかる。
「ひっ……なんで、うそ、でしょ……」
にっこりと笑う中性的な顔立ちのその人物は、柔らかい笑顔のまま彼女を――――殴り飛ばした。
顔にめり込んだ拳の勢いで地面へと少女は叩きつけられた。
起き上がって逃げようとするが、上から縫いつける様に踏みつけられ身動きは一切取れない。
「ふふふ、どうして逃げるのさ? ああ、まだ復讐心ってのが足らないのかな……あんなに
可愛がってあげたのに……ねえ?」
少女は青ざめた顔で歯を鳴らしながら震える。
目の前の人物――
葛木 明日斗
は笑顔のまま、彼女を髪を掴んで引っ張り上げた。
「大丈夫……これから、いたぶってあげるよ。精神的にも、もう死んだ方がいいってぐらいに、
壊してあげる。身体的にも、消えない傷を……いくつも、ね」
「ああ、あああ、いやああ……」
何かに気づいて葛木は顔を横に傾けた。その瞬間、矢が先程まで彼の頭のあった位置を通過する。
少女を離し、ぐるりと後を向きながら彼は蹴りを放った。
鋭い回し蹴りと何者かの拳が衝突し、激しい衝突音を響かせた。
「あはは……止められちゃったねえ……」
拳を放ったのは日暮であった。
そして日暮は相対して察する。彼は強いと。葛木から向けられた殺気は彼の身体を突き抜け、その全身を
震えさせるのに十分過ぎるほどだった。手練れというレベルではない。
日暮の後方で殺気に当てられ出るのが遅れた
榛宮 智
は自分の心と戦っていた。
(怖い、怖い、どうしようもなく……怖い!!
でも、日暮さんだけに戦わせるわけにはいかない!)
拳を握り、彼は刀を抜いて葛木に立ち向かった。
目の前には村人がいる、今、彼女を護れる力を持っているのは僕らだけなのだと。
榛宮の接近に気が付いた葛木は日暮の頭を掴み、木に向かって投げ飛ばす。
投げられる寸前に腹部に一撃掌底を受け、防御行動の遅れた日暮は背中から木に衝突。
衝撃で木はめきめきと音を立てながら折れた。
フェンシングの突きの要領で放たれた渾身の突きは葛木の拳によって刃を折られた形で封じられる。
金属音を立てて弾け飛んだ刀の切先はくるくると回転しながら宙を舞い、地面に刺さった。
「う、あ……あわわわ……」
「うん、実にタイミングはよかったよ。でもね、距離は計った方が良かったかな。
この距離じゃ、君の突きを出すには少々早すぎるよ。もしかして、怖かったのかなあ?」
笑顔のまま葛木は榛宮を蹴り飛ばした。
右回し蹴り、左回し蹴り、右回し蹴りと……倒れる事すら許さない地獄の連打。
「がっ! ぐっ! あうっ!」
防御すら真面に取れず、一方的に攻撃を受けている榛宮に葛木は語りかけた。
「君達にわかるかい? 復讐というのはね……一種の儀式なんだよ。
愛する者を奪われた悲しみ、守れなかった約束、そして行き場のない憤怒……それは実にすばらしい!!
そう、実にすばらしい――弱者のみに許された足掻きなんだ」
「そ、んな……でも、殺し……なんて――――ぐはっ」
腰を捻った回転力をそのまま載せた拳が榛宮の胸部にめり込む。
余りの痛みに意識を失いかけるが、榛宮は何とか堪えふらつく足で地面を踏み締めた。
「復讐は何も生まないー……彼女はそんな事望んでないー……なんて、綺麗ごとを君も言う口かい?
わかってないね、実にダメだよ。復讐は生者を慰める唯一の方法……自己満足の代物なのさ」
崩れ落ちてもおかしくないダメージを受けながらも、榛宮は膝を折らない。
折れた刀を構えながら、葛木に対して強い眼差しを向けている。
「それでも……僕は、殺しはいけない事だと思う!
復讐は、何一つ生まない……悲しみを広げるだけだっっ!!」
「いいねえ、その考えを曲げない感じ……最高だよっっ! そこまで言うなら、足掻いて見せてよぉぉっ!
弱者は弱者らしくねえええええーーーっ!!」
折れた刀で突きの姿勢を取り、フェンシング特有の足捌きで榛宮は葛木の攻撃を躱して見せる。
にやりと笑った葛木が屈んだ姿勢から足払いを放った。
予測していなかった足への攻撃に不意を付かれ、仰向けに倒れていく。
倒れていく榛宮の顔を掴み、地面が割れるほどに叩きつけた。そのまま口と鼻を塞いで呼吸を阻害する。
一瞬びくりと身体が跳ね、足をばたつかせて抵抗するが純粋な力は葛木の方が上であり、
榛宮は抑えつけられ口を塞がれたという動揺もあって振り払う事はできない。
(く、苦しい……息が、できな……っ!)
酸素が薄くなり、段々と思考があやふやになっていく。
葛木は意識が遠のいていく榛宮の顔を見てとても楽しそうな笑みを浮かべ、妖しく口を歪ませて笑っている。
それでもなお折れた刀を振り上げ朦朧とした意識の中、反撃しようとする榛宮であったが葛木に
押さえつけられてしまう。
「いいねえ、足掻いてよ……その方が散り際が美しいからさ……。
足掻いて、足掻いて、それでもどうしようもなく……絶望に染まったその時の表情……!」
腰の刀を引き抜いて、それを葛木は天高く振り上げる。
「さよなら、その信条を抱きながら……あの世に行くんだねえ……ッ!」
(いまだっ! ……僕だって、僕だってぇぇぇぇぇーーーーッッ!!)
その瞬間、自由になった榛宮の腕が動く。流れる様な動作で転がっていた刀を掴み、
真っ直ぐに突きが放たれた。榛宮の放った突きが葛木の持っていた刀を弾き飛ばす。
不意を付かれた動きに葛木の反応がついてゆかず、そこに一瞬の隙が生まれた。
一瞬とはいえ、戦いの最中その隙は必勝の煌めきともいえる。
それを彼が逃すはずはなかった。
「うおおおおおーーーッッ!」
無防備となった葛木は横からの衝撃を受けて吹き飛ぶ……が、空中で体勢を立て直し地面を踏み締めた。
榛宮と日暮の咄嗟のコンビネーション攻撃を受けて驚きはしたものの、まだ彼は笑顔である。
このチャンスを逃すまいと日暮は腰を低くして突進、葛木に肉薄する。
膝蹴りからのアッパー、そして左右に揺さぶる拳の二連撃……しかしそのどれもが葛木に届かない。
全て届く前に防がれ、潰され、その度に反撃が容赦なく日暮を襲った。
「がっ! ぬぐぅ! うごふっ! くあっ……!」
彼は何度も地面に倒れる――がその度に立ち上がり再び葛木に立ち向かった。
「ははは、ちょっとは拳に自信あったんだけどな。ここまで躱されると自信失うな……ぐふっ!」
「なら、完膚なきまでに叩き潰してあげるよ。二度と立ち直れない程に、ねっ!」
腹部に刺さる様な右ストレート、くの字に曲がった体に左拳の回転を乗せた一撃が打ち込まれた。
倒れそうになれば膝蹴りが放たれ、強制的に起こされる。
倒れる事も、退くことも、距離を離す事も許されない。
意識を失うまで――否、命を失うまで終わる事のないダンスが繰り広げられる。
(ああ、この人はほんとに強い……最初に殺気を受けた時に一瞬で理解はしていたよ。
僕はきっと敵わない、やられるんだって)
遠のいていく意識の中、日暮の脳裏に少女の姿が浮かぶ。屈託のない笑顔で笑うのは海美だった。
(おにいちゃん、待ってるからねっ)
(そうだ、まだ負けられない……僕には、戻るべき場所がある。
帰らなくちゃいけない場所がある。守らなくちゃいけない約束があるんだ……ッ!!)
「うああああああああああーーーーーッ!」
日暮は迫った葛木の拳を弾くと、渾身の力で八極拳の技の一つ頂肘を放った。
勢いよく突き出された体重を乗せた肘による一撃は葛木の鳩尾を的確に貫いた。
「ごっ……! な、に……がはぁ……」
「ざまぁ、みろ……はは……」
崩れ落ちる日暮。その顔は笑っていた。
「最後の……効いたよ、でもね……ここで終わりだッッ!!」
膝をついて、その表情のまま微動だにしない日暮の頭部に狙いをつけ、今度こそ葛木は
必殺の一撃を放った。彼の頭部を割り砕かんと迫る足先が何者かによって掴まれる。
大きな手がそのまま腕力を生かし、空中に葛木を放り投げると重いストレートを放った。
拳が風を斬って風切音を発しながら葛木を大きく吹き飛ばす。
「二人とも、とっても格好良かったわよ、後は……あたしに任せなさい」
そこに立つのは大柄な男性。おおよそ少年に見えないが、れっきとした少年である。
少年――
尾鎌 蛇那伊
は二人を守るように立ちはだかり、葛木に目を向け戦闘態勢を崩さない。
「まだ、あんな攻撃で沈む玉じゃないでしょう? 死んだふりは止めて起きて来たらどう?」
「くく、見抜いていたなんてね……。なかなかに……楽しめそうだ」
葛木は高く跳躍し、上空から尾鎌を急襲する。
体重を乗せた踵落としが尾鎌の右肩をかすめ、地面を破砕した。
カウンターとばかりに尾鎌は振り被った拳で彼を迎撃する。
一直線に放たれた破壊の拳を片腕でいなし、左右から連打を放つ。右に左に放たれる拳の乱打は
その直撃点を予測させ辛くしている。
だが、尾鎌はそれを予測し自らの掌で全て受けきると、その体躯を生かした膝打ちを葛木目掛けて打つ。
紙一重で躱す葛木は躱す度に首筋を狙った手刀を振るうが、それは尾鎌に届かない。
片手で全て打ち落とされてしまったのだ。
読み合いに次ぐ読み合い。その相手の上をいき続けるその速度は上昇していき、
既に常人の目で捉えられる域を軽く超えていた。
一瞬の迷いが勝負を決める。そこはそんな世界である。
達人にのみ許された認識外の領域。
腕の形は既に見えず、消えた様に見える。打ち合う音だけが遅れて耳に届く程度だった。
葛木の揺さぶりながらの蹴りを腕でガードし、確実に一撃、また一撃と尾鎌の拳が葛木に届き始める。
尾鎌は相手に気づかれないように少しずつ重心移動無しの攻撃を混ぜていたのである。
それは少しのずれではあるが、刹那の瞬きで戦局が変わる戦いでは致命的ともいえるずれとなる。
葛木が認識した時には既にもう遅い。
この時点で勝負は決した……どうやっても魔法でも使わない限りは勝敗は決している。
(なに……この、気を抜けば飲み込まれてしまいそうな威圧感と寒気は……)
尾鎌の前に立ち、血塗れのまま攻撃を放ってくる葛木は傷を増していくにつれ、次第にある種の狂気を
帯びた表情へと変わっていく様に見えた……否、正しくは見えた気がするである。
そう、表情自体は柔らかな笑顔のまま、寒気と威圧感が増大していく。
もう勝負は決まり、何も不安は感じず彼を打ち倒すだけなのだが……なぜだろうか葛木が倒れて
意識を失うまで気を抜いてはいけない……尾鎌はそんな気がしていた。
一際強く重い拳が葛木の腹部に命中。拳が肉に包まれるほどにめり込んだその一撃が勝負を決める
決定打となった。
「ぐっ……が……」
意識を失い、急激に力が抜けた葛木の身体は地面に倒れ込む。
激しい戦闘が終わり、全身の力が抜けた尾鎌はその場に座り込んだ。
「はぁ、はぁ……さ、流石にこれは厳しかったわね。
できる事なら、もう二度とこの人とは戦いたくないわ……」
意識を失うまでどれだけ傷つこうと戦意を失わない……。
その姿は戦鬼と読んでも相違ない程に強く、そして恐ろしく思えた。
尾鎌は意識を失っている日暮と榛宮を担ぎ上げ、倒れている葛木を見た。
二度と戦いたくない相手の気配と打ち筋等を心に深く刻み付ける様に。
この男とは歩む道が決定的に違っている……またいずれ何処かで戦うかもしれない。
そんな気がしながら尾鎌はその場を後にするのであった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月30日
参加申し込みの期限
2015年04月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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