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◆第二章「迷いと記憶」
~村・伐採所~
「あー、どうすればいいんだろうな、どっちが……正しいのやら」
考え事に没頭しながら
灯 斗南
は歩いていた。彼が考えているのは、村の者に罪があるのか、
それとも妖狐である雪にのみ罪があるのか、それとも……。
罪というものは片方にだけあるものではない。罪があるという事は、少なからず両者に何かしら
その原因があるものだからだ。罪の在処……考え始めれば問いは尽きない。
「凶行に走る狐の妖怪……そいつを討伐するのが村の為……でも……」
(雪おにいちゃんをたすけてあげてっ)
(おにいちゃんは悲しくて泣いてるだけなんだよっ! お願い、助けてよっ!)
頭に過るは村の子供達の声、討伐に来たという自分にその妖怪の救済を願う。
憎まれただけの妖怪ではない……明らかに村の大人達は何かを隠している。
そう、討伐する事を迷う……もしくは討伐すること自体が間違いではないかと思うような事実を。
彼は揺らいでいた。討伐する事が正しいのか、救済するのが正しいのか。
迷う彼の前に現れたのは件の妖狐……雪。
白い髪に赤い目を輝かせ、斗南を睨んでいる。雪は戦闘姿勢をとって斗南に飛び掛かる。
咄嗟に後方へ跳んで斗南は事なきを得た。
「問答無用か……! やるしか、ない」
斗南は炎を顕現させ、壁の様に放つが……炎は安定せず壁の形を構成しなかった。
揺らめく炎は雪の爪によってあっさりと斬り裂かれてしまう。
炎を超えて迫る雪の手の平に宿る紫の炎。その炎は狐の業火。触れた者を容赦なく灰へと変える地獄の炎。
斗南は身を翻して躱す。先程まで斗南が立っていた地面に炎が触れ、草花を一瞬で灰へ変えた。
(直撃はまずいか、なら!)
手を包む様に炎を展開し雪の炎を拳で弾く。炎と炎、源流は同じ力ゆえに触れることは可能。
鋭い斗南の突きをしゃがんで回避、雪は立ち上がりながら斗南の顎筋を狙う。
鉄すらも容易に斬り裂くような爪が彼の顔面に迫る。
「くっ!」
わざと地面に仰向けに転がるように倒れ、地面に着く直前に身体を半回転、
右腕を軸に左足を振り上げて側転。追撃を封じながら回避し斗南は雪から距離を取る。
「真面に打ち合うには相手が悪い、こっちは一人……取れる手は……」
考える間も与えず、雪は彼の命を狙い襲い掛かる。
次々と放たれる斬撃に追い詰められ、次第に斗南の傷は増えていく。
数分経った頃には怪我をしていない箇所を見つけることが困難と言えるほどであった。
彼は本来、炎を使う相手にここまで後れを取る事はない。
彼の炎は強く、場数を踏み、数多の修羅場を潜り抜けたその戦闘センスは並みの妖怪では太刀打ちできない
ほどである。その彼がここまで押し込まれるのは雪が並みの妖怪よりは強いという事もあるが
大きな理由としてはただ一つ。彼の心の迷いであった。
討伐するべきか、救済か。
その二つに揺れる心は無意識のうちに心を曇らせ、顕現する炎に影響を与えている。
揺らめく不安定な心で顕現すれば、炎もまた揺らめき、不安定となる。
その時、後ろから村人が叫んだ。
「――――です! いいからさっさと殺してください!」
それは決定的な一言。村人から放たれた彼の迷いを消す言葉。
それが事実を物語っていて、月華の件に関しての真実を予測させるものであった。
「そうか、それなら……!」
斗南の炎に勢いが戻る。雪が手を合わせて放った大きな狐火の火球を炎に包まれた片手で
刀を抜いて弾く。赤い軌跡が宙に鮮明に、美しく引かれた。
弾かれた狐火は村人の近くの地面で弾け飛び、村人の服に焦げ目を残した。
「ひいいいいっ!」
悲鳴を上げて村人は腰を抜かす。よもや自分に攻撃が及ぶことはないと思っていたのだろう。
雪はその様子を冷たく見ている。いや、自分の攻撃を本気ではないといえ、簡単に弾いた斗南を
警戒しているだけかもしれないが。
「……?」
雪の目線は地面に注がれている。そこには刀を抜いた拍子に転げ落ちたのだろうおにぎりがあった。
実に不格好なおにぎりは地面に衝突し、形を保つことができずにぐしゃりと潰れている。
それを見た雪の瞳から涙が流れ落ちた。
頬を伝う一筋の涙。
それは悲しき過去の印。
「やはり、狐……お前も……被害者……ということか」
背を向け跳躍しながらその場を去る雪。
村人は追って奴を殺してくださいというが、斗南は聞く耳を持たない。
斗南もまた背を向けてその場を後にする。
森の中を歩きながら彼は呟いた。
誰にも聞こえないような声で。
「双方に罪があるのなら、お互いに……罪を受ければいい」
彼が何を考えているのか。
どんな想いでその言葉を吐いたのか。
知る者は誰もいない。
なぜなら――。
仮面で隠された彼の素顔を窺い知るものは――――この場に誰もいないのだから。
~森の岩場~
雪は岩場を跳び、穴に滑り込む様にして飛び込む。
村人を殺そうとしたのだが、いつもの様に上手くはいかなかった。
妨害者……よくわからない奴がいる。
村の中にも知らない気配が複数……妨害者は複数とみていいだろう。
「人間め、やはり邪魔をするか……大事なのは自分達の同族だけだというのか!」
いらつきながら雪は岩場の壁を拳で殴りつける。岩には軽くひびが入った。
「そんなにおこっちゃだめだよ、きつねさん」
急に聞こえた声に驚いて雪は跳んだ。考え事をしていたとはいえ、至近距離まで近づかれたという事は
なかなかの実力者である可能性が高いと思ったからである。
しかしその場に立っていたのは年端もいかぬ少女、年のころで言えば六つか七つだろう。
「…………何をしている」
「えっとねー、ここであに上まってるの。えへん、えらいでしょー?」
ここで待っている? いったい何のことを言っている?? こんな山奥でにわざわざだれかが迎えに
来るというのだろうか。そもそも置いていったのではないのか。口減らしという手法はよく耳にする。
養えなくなった子供や老人を山に捨てていくという。人間の醜い所業の一つ。
「あに上はね、かたきうちっていうのをがんばってやってくるんだよ。だから
いいこでまってるの。だって、きっと帰ってくるって約束したんだもんね」
その瞳に悲しみはない、余程そのあに上という人物を信頼しているのだろう。
だが……いくら信頼していても……人間は。
胸の奥が締め付けられるような気持ちにかられながら、いるならば好きにしろ、と雪は離れた位置に座る。
「あ、あの……ち、ちか、い……です」
「っっ!?」
驚いて飛びのくと先程まで雪が座っていた場所のすぐ隣の腰を掛けられるほどの岩場に少女が座っている。
少女――赫乃は俯きながら恥ずかしそうにちらちらと雪をみていた。
自分はどうかしていたのだろうか。これほどまでに人間の気配に気づかないとは。
とはいえ、彼女達には村の人間が放つような匂いや香りがない。どこかここではない場所の、
知りえもしない嗅いだ事のない香りを漂わせている。いったいなんなのだろうか、この人間達は。
「ねー、きつねさんもおなかすかない? わたし、おなかすいちゃったからおにぎり食べる!」
はんぶんこして、いっしょにたべよー?」
「ごいっしょ、に……いかが……です、か?」
差し出されたのはおにぎり。ぶかっこうでなんとも持ったら崩れそうなおにぎりである。
不思議と懐かしさにも痛みにも似た上手くいい表せない感情に導かれる様に雪はおにぎりに手をのばす。
(――しいよ。ほら、――て。)
誰かの声が脳裏をかすめた。誰の声だっただろうか、懐かしい気持ちになる。
一口おにぎりをかじった。
味は上手くついておらず、まばらに広がって、美味しいとはお世辞にも言えない。
(――う? 上手く、で――かな?)
だが、彼は呟く。
「……美味しい、今まで口にした、どんな……飯よりも」
浮かぶ、少女の顔。忘れてはならない、大切な人の笑顔。
「あああ、あ……ああっ!」
とめどなく流れる涙、それはその笑顔が二度と戻らないことを知っているから。
空中に手を伸ばす。誰かに手を伸ばす様に。
少女の顔が消え、映るは血濡れの少女。
地面に横たわり、無数の致命傷を受けた……ずたずたの身体。
そばには血に塗れたおにぎりが転がっている。
「ああああ! うあああアアアアあァアアッァアアァ!!!」
悲しき咆哮、彼の目に宿るは狂気の炎。
全てを焼き尽くす、自分すら焼いてしまう業火。
ゆっくりと歩き、穴の外へと向かおうとする雪の前に海美が立ちはだかる。
きっとした強い瞳で恐れる事も無く、雪を見据えていた。
「村のひとにわるいことしにいくんでしょ。だめだよ、どうしてもっていうなら、
わたしをたおしてからいけっ! ぶしの子だからにごんはない!」
容赦なく雪は海美を殴り飛ばす。衝撃でふら付き、壁に叩きつけられた海美は全身の痛みに呻き声を漏らした。
しかし、ふらふらとよろめきながらも、雪の前に立ちふさがる。
「あ、ぐ……だ、め……そんな、こと、しちゃ……だって……!」
薙ぎ払う様に放たれた狐火に飛ばされる形で海美は地面へ叩きつけられた。
「がっ……うっ!」
とどめを刺そうと腕を振り上げた雪の前に赫乃が立つ。
凛とした表情、その瞳に恐れもありながらも退くことはないという意思の表れ。
爪を振り下ろそうとするが、その姿が記憶にかすり、誰かと被る。
(だ――だよ、人間と――喧――ちゃ!)
「ぐうううあ、ああああ!! がああああああああ!!」
苦しそうに呻きながら彼は壁を引き裂いた。爪によって裂かれた岩壁から破片が落ちて地面に転がる。
雪は二人に背を向け、岩場の下へと飛び下りてその場を去った。
「い、ま……なおして、あげ、るね……っ」
懐から花を取り出すと、海美の傷に触れさえ彼女は集中する。
赫乃の治療を受けやすらかな光に包まれながら、海美は去っていく雪の背中を思い出していた。
(だめだよ、わるいことしちゃ……だって……せなかが……ないてた……か……ら)
そこまで考えて彼女は静かな眠気に誘われ、緩やかに目を閉じ眠っていった。
~村、広場~
開けた場所の真ん中に井戸がある。ここは村の人の憩いの場、談笑し笑い合う場所である。
広場といっていいのかもしれないが、足元は整備されておらず土のままで石も大小様々に転がっていた。
「それでよ、あの妖怪が飛んできてなー、間一髪のところで狐火を避けたのよ!
いやーあん時はほんと肝が冷えたね! まさにここで終わりかーってなあ」
「そうなんだー、やっぱ妖怪って怖いよねっ! そんなことができちゃうなんてっ」
「そうだな! まったくいなくなってほしいね、あんな存在。と、そろそろ畑仕事しないとだ、
じゃあ、嬢ちゃんも妖怪には気い付けるんだぞ」
「はいっ。ではまたー」
会話が終り、村人が畑仕事に戻っていくのを手を振って
響 タルト
は見送ると、
周りに誰もいないのを見計らって井戸の水を汲み、頭からかぶった。
すると瞬く間にその姿は猫へと変化した。
(やっぱ双方から話は聞かなきゃだよね。人間の姿じゃ警戒されちゃうけど、この姿なら平気なはずっ)
と、森に入っていくタルト。
首元の鈴を鳴らしながら森の中を探索する。
妖怪って言うぐらいだから強い気配で分かるかと思って森に入ったタルトではあったが、
森の中は思いのほか何かしらの気配が多く、雪の気配を特定できずにいた。
(はぁ、これじゃあ見つかるわけないよー……どうしよっかなー……)
「ん? なんだ、お前……?」
「!!!??」
不意に横から声を掛けられたタルトは跳び上がり、にゃああああと声を上げる。
尻尾は太い木の幹よろしく大きく太っていた。
「猫にしては雰囲気が違う……言語も解せない所を見ると、年若い妖怪の新米と言った所か」
(……ばれてないっ! よかったぁ……)
タルトは正体がばれなかった事に安堵し、彼の話にそのまま付き合う事にした。
「驚かせてしまったか。すまない、こちらもぼーっとしていたからな。我を忘れてしまうほどに……怒りに支配されて
しまうことが最近多いんだ。全く、暴走とは……情けない話だよ」
緊張している姿勢を感じ取ったのか雪はタルトを気づかっている。
「俺は明日あの村を焼きに行く。何も残さない。全てを焼き尽くす。
もう後戻りは……できないんだ。お前はどこか遠くに逃げろ、巻き込まれないように」
ふらりと立ち上がると彼はどこかへと去っていく。
かける言葉も見つからず、タルトはそのまま彼の背中を見ていた。
彼がいなくなってから、はっとして我に返る。
(そうだ、伝えないと! 明日の事!!)
タルトは猫の姿のまま、疾駆する。
雪から聞いた情報を皆にしらせる為に。
最悪の事態を防ぐために。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
18人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月30日
参加申し込みの期限
2015年04月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月06日 11時00分
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