せんせいといっしょ：久保田先生編｜リアクション

せんせいといっしょ：久保田先生編

　作業が終ったのは、それから少し後の事だった。後片付けも終わり、後は資料を運ぶだけである。台車を取りに行った男性４人が戻ってくると、皆で協力して資料を図書準備室まで運んだ。
　因みにキリがいい所で逃げようとした瞬平だったが、またもや美和に見つかって最後まで手伝った事を付け加えておく。
「皆、本当にありがとう。お陰で明後日の授業に間に合うわ」
　話によると、明日は会議がある為、資料を作る時間が無かったそうだ。だからどうしても今日中に仕上げたかったらしい。
「みわちゃん先生、皆さん、お疲れさまでした」
　綾花の言葉に、また皆で改めて「お疲れさま」と挨拶をかわす。そして、解散しようとしたのだが、そこで美和が
「折角だし、皆にジュース奢っちゃうね」
　といえば歓声が上がる。
　こうして、美和と１０人の生徒たちの放課後は、緩やかかつ賑やかに過ぎていくのであった。

　それから２日後。
　国語の授業で配られたプリント類を見、庚は皆でわいわい言いながら作業をした事を思い出し、僅かに口元を緩ませる。確かに随筆の内容も面白かったが、妙に思い出深い物になりそうだな、と瞳を細めてから、顔を上げた。
（たまには、あんな日があっても、いいかもな）
　あの日以来、話しかけてくるクラスメイトが増えたのも確かだ。ちらり、と一緒に作業したクラスメイトを見れば、彼女らもどこか楽しげにプリントを見つめている。庚は口には出さぬ物の、皆と手伝いが出来て楽しかった、と素直に思うのだった。

　これは後日談ではあるが、美和はあの合コンで気になる人とメルアド交換ができた、とるるかにお礼を言っていた。また、修から貰った可愛い針無しステップラーのセットが気に入り、愛用するようになった。
　因みに、部活を途中で抜けてしまった真央だが、美和のフォローがあり、注意程度で済んだのだった。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
この度は『せんせいといっしょ：久保田先生編』に参加して下さり、ありがとうございました。
皆さんのお陰で無事お仕事終了となりました～。授業で活用される事でしょう。

そういえばの話ではありますが、こういう作業ってなんか楽しいものですよね。
執筆中、自分の学生時代を思い出しつつ執筆させていただきました。

やはり久保田先生だからか、恋愛がらみのお話もアクション内に出てきて楽しかったですね！
きゃっきゃうふふ♪　なノリではないのですが、期待に少しでもそえればいいな～、と思っています。

それでは、短くなりましたがこれで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。

おまけ
久保田先生の呼び方が、結構変わっていますがアクションを基準にしております。
愛されてますね♪

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