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みんなで、かぼちゃ三昧!
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【3】
さゆるは一人、黙々とグラタンを作っていた。
加熱したかぼちゃの中身をくり抜き、抜いた中身をホワイトソースに混ぜ、更に茹でたシイタケや鶏肉、マカロニなどと混ぜ合わせる。
それは、母のレシピノートに書かれていたもので、かつて母と共に作ったものでもあった。
(……お母さん……)
ふと、胸の中で母を呼ぶ。
本当は、参加するつもりのなかった、『かぼちゃ三昧の会』だ。
というのも、以前の『栗三昧の会』の時、昔のことを思い出して感傷的な気分になってしまったからだ。また、あんな思いをするのは嫌だった。
なのに、絢子に声をかけられ、彼女にしては珍しく断りきれなかった。
それは結局のところ、彼女自身も、また母と共に作った料理を作ってみたいという気持ちが、あったからかもしれない。
けれども今は、やはり参加したことを後悔していた。
脳裏にまざまざと十歳ぐらいのころの、両親との思い出が浮かび上がっていたからだ。
その年のハロウィンは、珍しく家族そろって過ごした。
(そう……。あたしは、お母さんと一緒に料理を作った。……幼いあたしができたのは、材料を混ぜるとか調味料を量るぐらいだったけど。それでも、うれしかった)
胸に呟き、小さく唇を噛みしめる。
熱々のかぼちゃのグラタンに、ポタージュスープ、サラダにかぼちゃのパイ。それらが並ぶテーブルの真ん中には、大きなジャック・オ・ランタンの飾り物が置かれ、両親と幼い彼女がテーブルを囲む。
記憶の中の幼いさゆるは、無邪気に輝くような笑顔を浮かべていた。
(……あのころのあたしと、今のあたし……まったくの別人みたい……)
ふと思う。
もう長らく、あのころのように笑ったことなどなかった。
誰かを心から信頼したり、満たされた気持ちで時間を過ごしたことも、ないように思う。
破滅的な生活を送っているという自覚はあったが、それを改めようという気持ちにはなれない。
たぶんそれは、心のどこかに穴が開いているかのような、奇妙な空虚感のせいだ。
その穴を満たすものに出会えれば、再び昔の自分に戻れる気もするが、それを探そうとは思わない。
(探したところで、どうなるものでもないわ。……もっと、むなしくなるだけかもしれない……)
胸に呟き、彼女は唇を引き結んだ。
ホワイトソースを作っていたフライパンの火を止め、そこに抜いたかぼちゃの実を入れて混ぜる。
(でも……)
つと、混ぜる手を止めた。
(もし、このむなしさを埋めることができたら……)
かすかな光にすがろうとして、彼女は「いいえ」とかぶりをふる。そして、自分に言い聞かせるように、呟いた。
「バカなことばっかり考えてないで、料理に集中して」
再び唇を引き結ぶと、混ぜる作業を再開する。
彼女と同じ調理台では、陽太がまんじゅうを作っていた。
こちらも母親のレシピである。メールで送ってもらったレシピを見ながら、まずはレンジで加熱したかぼちゃを、裏ごしする作業に専念していた。
まんじゅうの生地の方は、かぼちゃを加熱する間に、小麦粉と砂糖、水、ベーキングパウダーを混ぜて作ってあった。
ちなみに彼は、このまんじゅうを持ち帰って知人にあげるつもりにしていた。
昨日、たまたま知人とその姪に出会った彼は、この会への参加について話したところが、その姪がかぼちゃ料理に興味津々といった体だった。
そこで彼は、思わず言ったのだ。
「出来上がったら、持って行くわー」
と。
そんなわけで、出来上がったらまずは、持って帰る分を確保しないといけないのだった。
裏ごしが終わると彼は、その一部を生地に入れて、練り込み始める。これを薄く延ばして、丸めたかぼちゃの餡を入れて蒸したら出来上がりだ。
(生地は薄く伸ばしすぎると割れちゃうんだ。……気をつけようっと)
メールのレシピを確認して胸に呟き、彼は再び練り込む作業に戻る。
と、何か聞こえた気がして、顔を上げた。
ガスレンジの前にいるさゆるが、何か呟いているらしいのが見える。
(レシピを口に出して確認してるのかなー?)
思わず首をかしげた彼の視線の先で、さゆるは猛然とフライパンの中身を混ぜ始めた。唇を引き結んだその表情は、幾分か険しく見える。
(んー。何かあったのかなー)
なんとなく気にはなったが、声をかけられる雰囲気でもないと感じて、自分の料理に意識を戻した。
かぼちゃを練り込む作業が終わると、今度は生地を適当な分量にちぎって丸めたあと、薄く伸ばして行く。
やがて、伸ばした生地に餡を入れて丸め終わると、彼は小さく吐息をついた。
蒸し器が温まるのを待つ間に、ふと流しに捨てたかぼちゃの種に目をやる。
(これも食べられるんだったよねぃ)
ふと思いついて彼は、それを拾い上げると洗ってキッチンペーパーで水気を拭き取った。オーブンで二十分ほど加熱したあと皮を剥き、今度はレンジで加熱する。
「パンプキンシードの出来上がりー」
レンジから出したそれを幾粒かずつ乗せ、ちょうどころよく湯気が上がり始めた蒸し器の中に、彼はまんじゅうを入れた。
「これであとは、蒸し上がるのを待つだけだよぅ。楽しみだねぃ」
細い目を更に細くしながら呟き、彼は使った道具をかたづけ始めるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月27日
参加申し込みの期限
2015年04月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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