ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―｜リアクション

ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―

●九
　書きかけの原稿をびりーっと破き捨て、桃原空音が叫ぶ。
「ボーツ！　却下！　アツさが足りなーい！」
　メカサンマ編に続いて別のシナリオを書いていた桃原だったが、自分の書いたものに納得がいかなかったようだ。
「こうね、あたしはね、ギューンとトキメキ感じたり、ドキューンと危険感じたりするぐらいのお話が書きたいんだよっ！」
「その熱意をなんで今書いてる漫画に向けないんだ」
　手伝っている漫画の原稿は進まず、かわりに新たなシナリオばかりが書きあがっていく現状に逆巻天野がツッコミを入れる。
「原稿もあとでやるもん！　萌えとか燃えとか創作パワーが足りないから補充してるだけだもーん」
　口を尖らせる桃原。
「こう、キケンな香りのする美青年とか出てきてほしいよね！　サンマさんを愛するあまりにヤンデレ化しちゃってる感じの！」
「……頼むからそういうのはやめてくれ」
　逆巻が疲れた表情で桃原を止める。

「あれ、もう１４ページ目って書いちゃった？」
　原稿をまとめようとしたところで旅鴉月詠の原稿が目に入り、若干あわてる桃原。
　選択肢次第ではバッドエンドに直結するようなものを作ろうとしていたのだ。
　作る内容が被ってしまったが、旅鴉は特に気にした様子もない。
「バッドエンドが二つあっても差し支えないだろう。いっそ専用のエンディングを作ったらどうだ？」
「おおー、それだ！」
　情熱を全開にして書き上げていく桃原。
　プレイヤーはＢＬ展開の果てにどんな結末を見ることになるのだろうか。

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＜９＞
　キャットロードを歩いていた君は不意に、背中側からの熱い視線を感じた。
　振り返るとそこには美青年が立っている。
　君の大ファンだという彼は、花束をさしだし君に愛の告白を告げる！
「ずっと前からお前だけを見ていた。俺だけのサンマになってくれ！」
　気持ちは嬉しくとも君は皆のアイドルだ！　何とかしてこれを断りたい。
　さて、どう答える？

　俺は皆のアイドルだから　→ページ１３へ
　俺は寝子島民の皆の恋人だぜ　→ページ７へ
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