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何も死守しない普通の一日
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寝子島駅のホームは休日を利用して出掛ける人々で混雑していた。
その中に
浅葱 ききょう
の姿があった。ゆったりとした菫色のワンピースはボブカットの毛先の色とよく似ている。眠そうな目を線路の先に向けて、来ないわね、と呟きながら遠慮のない欠伸をした。
興味の対象を探すかのように顔を動かして柱の一点で目が留まる。黄色い長方形の箱のような物体に赤くて丸いボタンが付いていた。
瞬きを忘れたききょうが柱の前に立った。
「……押したい」
非常停止ボタンに顔を近づけて言った。耳にした周囲の人々が驚いた顔で振り返る。ききょうの清楚な見た目に誰もが安堵した表情を浮かべた。
「押したいわ」
ききょうは人差し指を近づける。赤いボタンの表面に触れると、躊躇うことなく押し込んだ。
人の心を掻き乱す警報音に周囲は騒然となった。列の先頭で並んでいた
浅葱 あやめ
は混乱に巻き込まれ、線路へと落下した。
「あ…い、痛い……」
あやめは落ちた衝撃で膝が曲がり、四つん這いの姿勢となった。両方の掌は皮膚が擦り剥けて赤くなっていた。
「……あら、あやめはあんなところで何をしているのかしら?」
ききょうは心底、不思議でたまらないという様子で言った。
そこに一人の駅員が駆け付けた。
「大丈夫ですか!」
駅員の声にあやめは、平気です、と小声で答えた。間もなくホームへと引き上げられた。
「ありがとうございます……助かりました」
「無事で何よりです」
二人の遣り取りに興味を覚えたのか。ききょうがのんびりとした様子でやってきた。
「危なかったわね」
「…ききょうさん、もしかして……今の警報音は……」
「そう、私が押したのよ」
駅員はききょうに向かって頭を下げた。
「あなたの適切な判断で大事には至りませんでした。誠にありがとうございました」
「気にしないでいいわよ」
ききょうは満足そうな表情で答えた。駅員は丁寧に礼を述べて持ち場に帰っていった。
腑に落ちないのはあやめである。頭の中で渦巻く疑問が口から零れた。
「…警報音で…僕が…落ちて…押したのは……また…巻き込まれた?」
「あやめはこれからどこに行くのかしら」
「…え、えっと、僕は…眼鏡の専門書を買いに…本土まで行くつもりです」
「あら、奇遇ね。私も新しい文学作品を買いに行くところなのよ」
ききょうの笑みを受けて、あやめの目が小刻みに動く。一度、視線を逸らして眼鏡を押し上げた。
「…書店まで…その……一緒に?」
「久しぶりにいいわね」
あやめは項垂れた姿で電車を待った。その横でききょうは気ままに話を始める。
「これから何が起こるのかしら」
「……それって、どういう……意味ですか?」
あやめは顔を上げて横目でききょうを見た。昔を懐かしむような表情は笑っているようであった。
「色々あったわね。小学校の時の遠足ではあやめが迷子になって、翌日に保護されたわ」
「あ、あれは…ききょうさんが…最初に列から外れて…追い掛けた僕が……迷子には、なりました……」
「二人で川や海に行った時も、あやめだけが流されたわね」
「…そ、それは……その通りです…」
反論が出来ず、あやめは身を縮めて猫背となった。
そこに電車が到着した。二人は乗り込んで空いていた座席の端に並んで腰掛けた。
少しの揺れで電車が動き出す。走行音が安定したところで今度はあやめが口にした。
「…あれは…かなり昔の冬でした…勉強部屋にあったストーブを…ききょうさんが付けて、飲み物を取りに行きました…」
「そんなこともあったわね」
「…はい…僕は一酸化炭素中毒に…なりかけました…」
「冬でも換気は大事よね」
ききょうは頷いて言った。罪悪感は微塵も見られない。あやめは覚悟を決めた表情で次の話に移った。
「…親戚の家の、古い蔵を…二人で探検したことがありました……」
「懐かしい記憶ね」
ききょうの様子に目だった変化は見られない。あやめは話を先に進めることにした。
「…蔵の中は暗いので……ききょうさんは…ロウソクを使いました……それが原因で……蔵は燃えてしまいました…」
「懐中電灯があれば良かったのにね」
急に思い出したという風にききょうは笑みを作った。
「最後まで粘って、火を消そうとしたあやめの髪が少し燃えたのはおかしかったわ」
「…髪が生えるのに……時間が掛かりました…」
「でも、あやめが足を骨折した時は私も心配したわ」
ききょうは人差し指と親指の間を僅かに空けて、これくらい、と言って見せた。泣き笑いの表情で、どうも、とあやめが返す。
「本を高く積み過ぎたのが悪かったわね。下の本を無理に引っ張り出したら簡単に倒れて、通り掛かったあやめが下敷きになったわ」
「…そうですね……全治三週間でした…」
「頭ではなくて良かったわね」
「…そうですね。最近は…二人でいることが…少ないので…そのような話はありませんが…ひとつ、ありました…」
ききょうは小首を傾げて、どんな話? と聞いてきた。
「…僕が朝、剃刀で髭を剃っている時に…ききょうさんが寝ぼけて…背中に当たってきました」
「あったような気がするわね」
「剃刀の刃で…顎が切れて……血塗れになりました…」
「思い出したわ。最近の剃刀はよく切れるみたいね」
ききょうは感心した様子で言った。あやめは力なく笑うと窓外の流れる景色に目をやった。
「…そのような、ききょうさん…僕は嫌いではありません……少し、苦手意識は…ありますが……」
「すぐに慣れるわよ」
ききょうはあやめと同じ景色を眺めた。ふと思い付いたことを口にする。
「そろそろ新しい眼鏡が欲しいわね」
「その時がきましたら、
浅葱眼鏡店
を…よろしくお願いします」
「今の腕前を見せて貰うわね」
一時、会話は途切れた。思い思いの方向を見て表情を和らげる。
二人を乗せた電車は本土へと渡っていった。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月08日
参加申し込みの期限
2015年03月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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