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何も死守しない普通の一日
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孤児院のネコホームの門前で
八十八旗 信彦
が落ち着きのない態度を見せる。仕立ての良いスーツは白で統一されていた。革靴まで白く、潔白だ、と全身で主張しているようであった。
「ベガち、出て来てくれないかなぁ」
建物に目を向ける。窓を忙しなく人は通り過ぎるが目当ての人物ではなかった。
「外からだと何もできない……前みたいに入ってもいいかな」
肯定する者は誰もいない。信彦は自身で同意して敷地内に足を踏み入れた。建物が近くなり、僅かながら見える範囲が広がった。出入口のドア越しに職員と思われる女性が見えた。子供が廊下を走り抜ける。
「ベガち、いないなぁ。職員の人に頼んで呼び出して――」
何かを思い出したのか。信彦はがっくりと首を垂れた。
「それが出来たら苦労しないんだよねー」
あああ、と声を上げて頭を掻き毟る。地面を何回も踏み付けると、信彦は急に笑顔を浮かべた。
「俺とわからないように変装すればいいんだよ」
スーツの内ポケットから颯爽と取り出したのは深緑の手拭いで、白抜きの唐草模様が鮮やかな逸品であった。信彦は躊躇いなく頭に被り、鼻の下で結んだ。
「これで俺とわからないはずだ」
そのような信彦の姿を通りから見た人々は一様に驚いた。慄いた表情で走り出す者がいれば、その場でどこかに電話を掛ける者もいた。
瑠璃条 ベガ
は自室の机に着いていた。机の上には開いたノートが置いてある。両面が真っ白で何も書かれていなかった。
「……あれ、あたし、何してたんだろ」
ベガは机の上のノートを見た。側にある高校の教科書を目にして、そっか、と儚い笑みを作る。
「宿題をやらないとね」
教科書をパラパラと捲って頁を開いた。シャーペンを握ると問題に向き合う。文字を追っていた目がぼんやりとして動きを止めた。
持っていたシャーペンが指から離れた。コロコロと転がって机の端で止まる。
「……あたし、何してんのかな」
ベガはシャーペンに横目を向ける。孤立しているように見えた。
「一人ぼっちで倒れてる、あたしみたい」
声にした途端、目が潤んだ。ベガは顔を上に向けた。
「泣いてないもん」
机を離れて桃色のタートルネックを手に取った。
「ちょっと歩こうかな」
パンツルックに着替えたベガは部屋を後にした。ずんずんと廊下を歩いて急にしゃがみ込んだ。
戸惑いの表情で窓際に寄り、そっと外を覗いてみる。
手拭いで頬被りした信彦がいた。門の方を動揺した様子で見ている。そこから一人の警察官が現れた。
「えー、どうなってんの!?」
ベガは手を伸ばして施錠を解いた。僅かに窓を開けて外の話し声に聞き入る。
「ここで何をしている?」
「えっと、彼女に会いに来ました」
「そのように顔を隠してか?」
若い警察官は信彦に鋭い眼光を向けた。
「これはですねー、顔がわかると出てくれないからで」
「それで彼女なのか? 知り合いでもないように思えるが」
警察官は身構えてにじり寄る。信彦は手拭いを取って頬に当てた。冷や汗でも掻いているのだろうか。
「市民から通報があった。詳しい話を聞きたいので署まで同行して貰えるかな」
「あー、でも俺は彼女に会いたいんで」
「何してんのよ!」
ベガは走り出した。急いでサンダルを履いて外に飛び出していった。
「あ、あの、すみません! その人は悪い人じゃないんです!」
警察官の目がベガに移る。表情や服装を一瞥した。
「君が彼の言う彼女なのか」
「それは、ちょっと今は。でも、その人は確かに知り合いで、手癖と女癖がとんでもなく悪いだけです」
「手癖は引っ掛かるが、話はわかった。ここからは君達の問題だ。私は失礼するよ」
警察官は含みのある言い方で、その場を去った。
残された二人が顔を見合わせる。ベガは澄ました顔でそっぽを向いた。
「ベガち、助かったよ」
「助けたくて助けたわけじゃないもん」
「でも、ありがとう」
「ふーんだ」
素っ気ない態度を取るベガは、ゆっくりと建物へと戻っていく。焦らすように小さくなる背中に信彦は両手を開いた。背後から抱き締めにいくような姿で踏み止まる。
「……俺の中で、ベガちは一番だから」
ベガの歩みが遅くなる。振り返らないで、浮気ばっかりするくせに、と強い言葉が飛んできた。
「これからもずっと、ベガちは俺の中の一番だから!」
ベガは立ち止まり、そして駆け出した。建物に入るとサンダルを脱ぎ捨てて、あっという間に見えなくなった。
信彦は一人となった。建物を前に立ち尽くす。
すると窓の一つにベガが横向きで現れた。複雑な表情で頬を赤らめて震える。溜めた力で一気に振り向くと窓を開け放った。
「あたしは彦にゃんのこと、まだ許したわけじゃないからね!」
言葉を待たずに窓をぴしゃりと閉める。すぐには立ち去らないで信彦を怒ったような顔で見つめた。
「ベガち、ありがとう! 絶対に許さない、って言われなくて安心したよ!」
笑顔の信彦にベガは笑ったような顔で舌を出して引っ込んだ。
「愛してるよ、ベガち」
信彦は窓に向かって手を振ると、喜びの奇声を上げて帰っていった。
ベガは窓から見えないところで外の声を聞いていた。目には涙が溜まっている。口元には笑みが浮かび、おかしいね、と言って大粒の涙を零した。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月08日
参加申し込みの期限
2015年03月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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