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クロース・トゥ・ユー
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ふかふかのソファにどでっと家猫のように横たわり、肘掛けに両膝を乗せてぶらぶらさせながら、
桧垣 万里
は皿にのせたクッキーを楽しんでいた。
香ばしいチョコチップクッキー、甘いココアバターテイストも、夢見るようなバニラテイストも最高だ。自分で焼いたクッキーながら、なかなかの力作と自画自賛したくなる。
クッキーをかじるたび、破片がばらばらっと落ちるが、掃除は後ですることにして、今はただ、この時間を味わい尽くしたい。だから余計なことは考えない。気にしない。
メイド喫茶『ねこのて』で働いているとき、万里は立ち居振る舞い言葉遣い、いずれも最高クラスのメイドになる。けれどもこうして仕事を終え普段着姿でくつろいでいると、なんともずぼらになってしまうのである。
それでもいいではないか、と彼女は思っている。オン・オフがきっちり区別されているからこそ、仕事にも身が入るというものだ。
店に出す用のクッキーではなく、新しい味のテスト用に焼いたクッキーだから形はまちまちだ。型は使っていないから、星型に見えるクッキーがあってもそれは偶然そんな風になっただけのもの。ハート型も同様だ。
そう。ハート型のクッキーも……。
その一枚を食べ終えたとき、万里は両膝をそろえて肘掛けから下ろし、立ち上がって服の上にこぼれた破片をばらばらと落とした。
ぱんぱんと両手をはたいて眉間にしわを寄せる。
「万里は可愛い自慢の妹だけど、家でだらしないのは女の子としてどうなんだろう?」
とため息交じりに万里は言うと、そこから立ち去ってすぐに、箒とちり取りを手に戻ってくる。
「いや、ギャップがあるのが万里の魅力ではあるけど、でもお兄ちゃんは心配だよ……!」
ブツブツと言いながら掃き掃除開始だ。ゴミを集めるとまとめて捨てる。それから、クッキーを詰めた袋をくくって輪ゴムで止めた。
万里の外見はやはり万里である。それは変わらない。
ところがその口調はどうだろうか。まるで男性だ。トーンも低い。顔つきにしたって、凜然たるものに変わっている。
つけっぱなしのテレビを消したところで、けたたましい音を立てて携帯電話が鳴った。
「誰からだろう……? そもそも、ケータイはどこなんだ……」
うろうろと探し回って鞄の中からこれを発見すると、苦心しながら万里は受話ボタンを探した。
「確か万里はこうやって……ん?」
画面に表示された文字は『お母さん』だった。
「……万里に体を返すべき場面だけど、少しくらい僕がでても大丈夫だよね?」
ふっ、と万里は笑った。
彼女、いや、『彼』は今、万里であって万里ではない。
万里の姿を借りて出現した彼女の兄、
千里
なのだ。
私服時に自作のハート型クッキーを食べると、万里の体を借りて彼が出現する。その間、万里の意思はなくなり記憶も残らない。
体を妹に返すかどうかは千里の意思で決めることもできるのだが、いま、千里はいたずら心を起こしたのだった。
「……も、もしもし?」
やや緊張しつつ、千里は電話に出た。なにしろ、彼が母親(万里の母親であるが、もちろん千里の母親でもある)と話すのははじめてなのだ。本当は「はじめまして」と言いたいところだが我慢した。
「僕……じゃない私は元気だよ」
やや前屈みだった背をしゃきっと伸ばし、悠然と千里はソファに腰を下ろした。
「学校もお店もちゃんと行ってるし、頑張ってる」
言いながら千里は苦笑いしていた。無理もない。『頑張ってる』のは実際には万里なのだから。
それにしても――母の言葉を聞きながら、千里は目を細めた。
この電話の向こうに母がいる。一度も直接、会ったことのない母が……。
嬉しいけど、緊張する。
緊張するけど、やっぱり嬉しい。
千里は目を拭った。万里の目が、少し濡れていた。
「……あ、ああごめん。ぼうっとしてた。えっとなんだっけ? 送って欲しいもの? ……えっと、僕、じゃない私今よくわからないから、また後でかけ直すね」
やや早口になって千里は電話を切った。
長く、深々と息を吐き出す。
短い、とても短い母子の会話だった。けれども貴重なひとときだった。
携帯をそっとテーブルに置くと、千里は目を閉じた。
今は眠っている『妹』に呼びかける。
「………少しの時間だったけど、母さんと電話できてよかったよ。僕がこうしていられるのは万里のおかげ。ありがとう。今日はもう体を返してあげなきゃ……」
顔を巡らせ、床が綺麗になっていることを確認すると、千里はさっきまで万里がそうしていた姿勢でソファに背中を預けた。
そして千里は目を閉じた。
「あれ? 私いつのまに寝てたんだろう」
寝ぼけ眼で万里は身を起こした。両腕を上げて大きなあくびをする。
ふと見ると、目の前のテーブルに携帯電話が置かれていた。
「鞄から出したっけ……?」
独り言しながらなんとなく手に取る。
「あ、お母さんから電話きてたんだ」
履歴をぼんやり確認すると、ほんの数分前に着信があったようだ。
けれど変ね――と万里は思った。
電話に出た覚えがないのに、不在着信になってない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月27日
参加申し込みの期限
2015年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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