this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
クロース・トゥ・ユー
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
舞台は、ステッラ・デッラ・コリーナの高級レストラン。そのVIPルーム。
乾杯は赤ワイン、それも、フランスの専門家が最高の評価を下したヴィンテージものだ。
絶品料理はこの店のシェフが、みずから材料を買い求め、丸一日をかけて作ったものだという。
ここまでのレベルの食事は、いくら札束を積んでも実現できるものではない。金の力だけではない。本当の意味での権力が必要だ。それはときとして暴力と表裏一体であろうとも。
広い空間を
神無月 文貴
が分け合う相手は、ただの一人。
はっきりと口には出さないが、
神無月 文貴
は言葉以外のすべてで彼女に語りかけていた。
「お前は俺の女だ」
と。
メインディッシュが来るまでの時間に、ぽつりとごく当たり前のように文貴は言った。
「娘が卒業したら正式に籍を入れてえと思ってる」
彼は相手の反応は待たない。続ける。
「けど俺の嫁になるってこたァ神無組の姐さんに、極道の女房になるってこった。いつどうなるかわからねえヤクザな稼業 下手したら若い身空で未亡人にしちまうかもしれねえ」
伝法な口をきく文貴だが、言葉とは裏腹に口調は、禅寺の庭のように静かだ。ただし、有無を言わせぬものがある。
「それでも構わねえか? そのへんの意志をもう一度確認してえ」
しかし文貴の真に恐ろしいところはその言葉ではない。
目だ。
剃刀のような視線、黒目の小さな三白眼が、じっと彼女を見つめていた。
その気になれば文貴は、一分であろうと瞬きをしないでいられる。眼光の鋭さを競って、文貴に勝った相手は一人もいない。なお、負けた人物のうちかなりの度合いが、すでにこの世にはいないということも付記しておく。
その、凶器ともいえる視線をまっすぐに受けて彼女は言った。
それこそが自分の望みだ、と。
文貴は、薄い唇の端を歪めた。
食事が終わったとき、文貴は音もなく立ち上がり彼女に告げた。
「スイートを予約してある。今夜は帰さねえぞ」
文貴の目の奥に情欲が燃えている。
スイートルームに着くなり、彼はイタリア製のスーツを乱暴に脱ぎ捨てた。
先にシャワーを、といった戯れ言は聞きたくないし許すつもりもない。ベッドに彼女を押し倒すと、その上にのしかかり唇を割るようにして舌を差し入れた。
窒息する寸前、まだ糸を引く唇を拭って文貴は吼えた。吼えるように、ではない、獣(けだもの)として吼えたのだ。
「このときをどんだけ待ち焦がれたか……お前にはわかんねえだろ」
彼女のブラウスを、文字通り破り捨てるようにして引き剥がす。ネクタイをほどく手間がもどかしい。シャツはもういい。着たままだ。かわりに彼女の下着を丸めて背後に放り投げた。
「体も心も俺の、俺だけのモノにしてえ。他の男なんか目もくれねえようにしてえ」
もう一度キス。
さらに深く。
それは自然界の捕食者が、獲物を襲う様に似ていた。
「……愛してる」
刺すような視線をもって語った。
指と舌を這わせながら文貴は言う。
「俺は極道だ。神無月の姓を頂きゃテメエにも危険が及ぶ」
彼女の体を、折れるほどに抱きしめる。しかし彼女はそんなにヤワではない。逆に鋭い爪を、文貴の首筋に突き立てた。ぷっと肌が破け、赤い血が彼のシャツを染めた。
そうだ。それでこそ、俺の女だ。
「それでも地獄まで付き合う覚悟があるなら一緒に堕ちてくれ。好きでそう生まれた訳じゃねえがこの稼業にゃ誇りを持ってる。四代続いた代紋と慕ってくれる舎弟。極道の妻になるってこたァその全部をしょってくってこった……後悔しねえか?」
彼女は歯で答えた。すなわち、牙を沈めるようにして文貴に噛みついたのだ。これが彼女の意思表明。
すなわち、同じことを二度訊くな、と言っている。
墜ちる覚悟がなくて、どうしてここまで付いてくる。
墜ちる覚悟なき愛が、果たして愛といえようか。
「……テメエにならよ、殺されたって構わねえ……!」
文貴はうめいた。このとき、彼の中でなにかが爆発した。
いよいよというとき、文貴は自嘲気味に言ったのだ。
「はっ、童貞みてえに緊張してやがる! 三桁の女を抱いてきたのに本命に手を触れるだけでぶるっちまうなんて情けねえ……」
そこからの数時間は、乙女であれば見るだけで孕みそうなほど濃厚なひとときとなった。
欲望と愛情は不可分。
体温を貪り合い身も心も結ばれる。
我慢に我慢を重ねた末の時間だ。
ずっと言葉はなかった。しかし黒い空が白む頃、
「お前は命にかけて守る」
ようやく文貴は、一言だけ告げた。
「……かけて守る」
身を起こした文貴は一人だった。
傍らに、愛した女の姿はない。体温すら残されていない。
つまり最初から、彼女はいなかったということ。
毒づく。
憎々しいほどに、現実味のある夢だった。
『クロース・トゥ・ユー』 了
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
このページにイラストを設定する
あとがき
担当マスター:
桂木京介
ファンレターはマスターページから!
ご参加ありがとうございました。桂木京介です。
今回は文体を変えたということもあって、多少テイストの異なる描き方になったかもしれません。とはいえ大いに楽しんで描きました。あなたにも楽しんでいただければ幸いです。
秋の夜……といっても、様々なストーリーがあるものですね。
ご意見ご感想ご要望など、ございましたらどこかでお知らせいただければ嬉しく思います。
それではまた、新たなシナリオでお目にかかりましょう。
桂木京介でした!
↑ページトップに戻る
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
クロース・トゥ・ユー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月27日
参加申し込みの期限
2015年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!