カオス・オブ・フニャンゲリオン｜リアクション

カオス・オブ・フニャンゲリオン

「フニャンゲリオン零号機、リフトオフ！」

　零号機担当オペレーターのナスティの凛とした声が、フニャのコクピットに座る零の耳にも届いた。

（例え試作型とは言え、機体の最大限を上手く引き出し、発揮させてやるのもパイロットでござろう）

　零は操縦桿を握りしめ、意識を最大限に集中させた。

「零さん……大丈夫でございますか？」

　そんな零の緊張を察したのか、ナスティが心配そうに声をかける。

「大丈夫……フニャの所有する装備を頼む……」

「了解しました。ニャルフ及び、フニャンゲリオンの装備データを転送いたします……」

　電子音が鳴り響き、コクピットのコンソールが明滅すると次々とフニャンゲリオンの装備が表示されていく。

「……フニャトロンスナイパーライフル。これだ、これを使おう……」

「了解です。フニャトロンスナイパーライフル、ロック解除。コンテナより取り出して使用してください」　

　同時に零号機の乗ってきたエレベーターに積載されていた武器搬送用コンテナが開く。

「狙撃で相手のフィールドを中和しつつコアの貫通だ……」

　零はライフルを担ぎ上げると、作戦を頭の中で組み立て始める。

「現在の敵の位置と移動速度から割り出した狙撃に最適なポイントです。移動お願いしますね」

　少し心配しながらも零さんをしっかり信じてサポートするナスティだった。
　彼に初めて会った時から容姿の特徴等、親近感もあり思いもよせている。その静かな物腰――

「零さん、帰ってきたら後で一緒に肉まん食べましょう」

「無事に戻れたら……だな、今は戦が先……だな」

「はいっ！」

　ナスティは大きくうなずいた。