カオス・オブ・フニャンゲリオン｜リアクション

カオス・オブ・フニャンゲリオン

●使人、襲来

（転校生があの機体のパイロットだなんて知らなかったのだ。
　少し悔しい気もしたけど、みんなを守って欲しいのだ……）

　待機態勢にあった戦闘ヘリの中で、戦闘ヘリの副操縦士、後木真央はぼんやりと考え事をしていた。

「巨大サンマ型使人、寝子海岸に接近します！　特殊弾頭の仕様を許可します。
　戦闘ヘリ、戦車部隊は海岸線でこれを防いでください！」

　ニャルフオペレーター、北原みゆきの悲鳴に近い通信が耳に入った。

「ハイなのだ、戦闘ヘリ出撃なのだ」

　真央がヘルメットから延びるマイクに通信を返す。

「うおおおお、なんだこれなんだこれ！　怪獣ジャン！！　カッケー！！！」

　真央の前方、メイン操縦士席に座るパイロット、宇崎宙太郎は興奮を抑えられずにいた。
　まるで怪獣映画やアニメのような光景が目の前に繰り広げられているのだ。
　山のような巨体のサンマ型使人が波を蹴立てて海岸を目指している。

「使人ってなんでこうも無駄に図体でかいのかしらねー」

　地上には戦車部隊が展開し、その一員である篠原翠響はやれやれと大きなため息をついていた。
　隣に並ぶ戦車には天之川麗仁。オペレーターの通信に従い、戦車を海岸の防衛ラインに向かわせる。

　真央・宙太郎のヘリ部隊がまず先に使人に接敵し発砲。続いて戦車部隊も砲撃を開始する。

　シュバッ！　ドドーン！

　たちまち白煙の尾を引きながら数発の砲弾が発射され、吸い込まれるように使人の身体に命中した。
　大きな衝撃波と爆音が辺りを揺るがし、攻撃したヘリや戦車も大きくその機体を揺らした。

このページにイラストを設定する