カオス・オブ・フニャンゲリオン｜リアクション

カオス・オブ・フニャンゲリオン

　ヘリ部隊と翠響の戦車部隊が一斉に使人の一点を集中攻撃し始める。

「零号機の狙撃とヘリ・戦車部隊で使人の動きを食い止めます。
　その間に初号機と弐号機で使人に取り付き、コアを破壊してください」
　
　みゆきの通信が各パイロットたちに伝えられる。

「わかった！　やってやるぜ！」

　初号機の刀はダッシュすると使人に向かって殴りかかる。
　だが、鋭い衝撃を受け、吹き飛ばされたのは初号機の方だった。
　立ち上がろうとするが操縦に動きが追従してこない。動きがもたつく。
　そのまま使人に激しい追撃を受ける初号機は全く立ち上がれない。

（このままだと負ける、守れないのか？）

「嫌だ、負けたくない、負けたくないんだ！
　なあ、お前はちゃんと動けるんだよな？　ちゃんと動けたらあんな奴一発だよな？
　だから動け！動けよ！！動くんだ！！！
　動いて一緒にあのサンマをぶっ潰すんだよ！だから動いてくれよ！」

　刀がそう叫んだ瞬間、不思議な感覚に囚われる。
　体が軽い、アレを潰せるという確信が湧いてくる。
　みゆきの声が聞こえた気がするが、それよりも大きな声が頭に響く。
　
「暴走か――コントロールを司令部に確保しろ」

　その様子をモニター越しに見つめていた。ニャルフ司令、ソウダロウが机に肘をついた姿勢で言う。

「了解――できません！　初号機、信号を拒否。コントロールを司令部に確保できません！」

　刀は何かに身体を操作される感覚を振り払う。

「このままアイツをぶっ潰すんだ邪魔するな！」

　初号機は全身を低くして使人に向かって突っ走る。
　そのまま顔を掴んで力任せに地面へ叩き付け、空いた手で顔を何度も殴りつける。