カオス・オブ・フニャンゲリオン｜リアクション

カオス・オブ・フニャンゲリオン

●サンマ型使人撃滅作戦

　偽装されたハッチから次々とフニャンゲリオンが地上に姿を現し、使人と相対する。
　エレベーターの拘束具が解除され、大きな地響きを立てて三体のフニャンゲリオン――フニャが歩き始める。

　フニャの操縦を行いながら初号機のパイロット、刀は違和感を感じ取っていた。
　このフニャ初号機は先の戦いで楔シンゴが乗って出撃し、使人の攻撃によって大破させられた機体だ。
　今は応急処置で修理されているとはいえ、やはり本調子ではなく、操作に対する反応が僅かに遅れているように思えた。

（シンゴくん――これがシンゴくんの乗っていたフニャなんだね）

　初号機のオペレーター、みゆきは今はここに居ないシンゴの事を思った。
　真面目でナイーブな性格のシンゴが、戦えないことで存在意義を見失っているのではないかと、みゆきは心配して励ましに行こうと思ったのだが、その希望はシンゴの父でもあるニャルフ司令、楔ソウダロウによって許可されなかったのだ。

（ごめんね、でも世界を救えないヒーローがいたっていいんじゃない？今は休んで）
　
　そしてみゆきは刀に想いを伝える。

「シンゴくんが守っていたフツウを今度は私達が死守しよう。
　それに、戦っているのは『一人じゃない』から！　戦車隊、ヘリの部隊のサポートもあるから安心して」

　精神状態が強さに繋がっているフニャンゲリオンのポテンシャルを活かすため、刀を支える覚悟を決めたみゆきだった。

「戦車・ヘリ部隊、フニャとの連携を要請します。使人の弱点を見つけ次第、報告してください――」

　みゆきの指示で戦車・ヘリ部隊はフニャ達に進路を譲って、援護の態勢へと移行する。