カオス・オブ・フニャンゲリオン｜リアクション

カオス・オブ・フニャンゲリオン

　夏神零は零号機の操縦席のモニターから寝子海岸に上陸する使人を見ていた。

「寝子島観光の大きなお客様がご到着か……青い地球が危ないぞ？　……か……　もてなさないとな」

「招かれざるお客様にもお出迎えは必要でございましょうか？」

　零号機を補佐するオペレーター、ナスティ・クローヴァの声が操縦席内に響く。

　零の乗るフニャンゲリオン零号機は試作機ではあるが、その可能性を引き出す事ができれば、旧式と言えども新型と変わりない動きがとれるだろうと零は思った。

「オレは大丈夫……こう言う局面は慣れてしまった……」

　初めてとは思えない落ち着いた物腰で、傍らに置かれたマニュアルに目を通す。

「怖いくらいに落ち着いていますね……零さん。飲み込みも早いのかしら？
　凄く手馴れてるようにも見えますし。フニャとの共鳴率も高い数字を出しています。凄く安定していますね――」

　零の落ち着いた様子に安心を見て、ナスティは零号機発進の指示を各部署に伝達。
　ほどなく零号機は高速エレベーターで地上へと送り込まれた。