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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
寝子小の写生大会
●海浜公園のお昼休み
【１】
やがて、昼休みの時間になった。
引率の教師らが、生徒たちに休憩時間であることをふれて回る。
それを聞いて、生徒たちは絵を描く手を止めて、弁当を広げた。
瑠樹の傍には、白燕だけでなく、雄太と姫、かんな、龍樹の四人が集まっていた。白燕の提案で、近くにいる生徒と一緒にお弁当を食べようということになり、瑠樹が呼んで来たのだった。
ちなみに、白燕がそんな提案をしたのも道理。彼女の弁当は、一人で食べるには量の多いものだったのだ。
漆塗りの三段の重箱に、点心に春巻き、ちまきなどがぎっしり詰まっている。
（メイドが、張り切っているなとは思ったが……）
絵の道具とは別に持たされていた袋から取り出した重箱を開けて、白燕は幾分、唖然としたものだ。
並んだ料理はどれも、彼女の好物ばかりだった。デザートも、果物や小さなカップに入った杏仁豆腐など、なんとも豪華である。
彼女はそれを敷物の上に広げると、他の者たちを見やって言った。
「誰かよければ食べないか？ 味は保証するぞ」
「わぁ。たくさん持って来たんだねぇ」
感心したような声を上げたのは、瑠樹だ。
彼の方は、母親に作ってもらった弁当を持って来ている。中身はおにぎりとミートボール、ウィンナー、それにちくわに野菜を詰めたものだった。
「それ、なんですか？」
彼が広げた弁当を見て、ちくわに気づいて訊いたのは、姫だ。
「野菜つめたちくわだよぉ。前に、水着コンテストに行った時、参加してた人に教えてもらったんだぁ」
言って瑠樹は笑う。
「野菜はちょっと苦手だけど、ちくわのおかげで、おいしく食べられるんだよぉ」
「ふうん。なんだか不思議な感じですね。あとで、私のおかずと交換してもらってもいいですか？」
食べたことのないおかずに興味を覚えたのか、姫が訊いた。
「うん。いいよぅ」
うなずく彼に、雄太が尋ねる。
「そっちの入れものはなんだ？」
「こっちはねぇ、果物だよぉ。お菓子持って来ちゃダメって言われたから、デザートの果物を入れてもらったんだぁ。たくさんあるから、みんなにもあげるねぇ」
言って瑠樹は、もう一つの入れ物の蓋を開けてみせる。そちらには、バナナやウサギの形に切ったリンゴ、梨、柿などがぎっしり詰まっていた。
「おお、豪華じゃん！」
それを見て、龍樹が大きな声を上げる。
「姫ちゃんのお弁当は、どんなの？」
姫に問うたのは、かんなだ。
「私のはね……」
ふふっと笑って、姫は自分の弁当の蓋を開ける。
可愛い楕円形の弁当箱の中には、唐揚げや卵焼き、プチトマトと共に、猫の形のおにぎりが二つ入っていた。一つは海苔で巻いてあるため黒く、もう一つはご飯に白ゴマが振ってある。更に、カニとタコの形に切られたウィンナーも入っていた。
「可愛いじゃん。私のはね、こんなのだよ」
かんなも、自分の弁当を広げてみせる。
やがて。
「いっただきまーす！」
瑠樹が両手を合わせて元気よく言うと、弁当を食べ始めた。
「いただきます」
姫も、持参したウェットティッシュで手をふいて言うと、弁当に口をつける。
「美味しい……」
卵焼きの甘い味が口に広がり、彼女は笑顔になる。
「これ、どうぞだよぅ」
彼女の弁当箱の蓋に、瑠樹がちくわを一つ入れた。
「ありがとうございます。私のも、何か一つどうぞ」
「じゃあ、卵焼き一つもらうねぇ」
姫の言葉にうなずいて、瑠樹は箸を伸ばす。
「かんなちゃんも、何か一つどうぞ」
姫はそれを見やって、かんなにも勧めた。
「じゃあ、タコさんウィンナーもらうね。こっちのは、何がいい？」
「マカロニサラダにします。みかんが入ってて、美味しそう」
かんなに問われて、姫が言う。二人は、それぞれ望みのものを交換し、にっこりと笑い合った。
一方、龍樹と雄太は、白燕の重箱からもらった点心を次々と口にほおばっていた。
「どれもこれも、めちゃくちゃうめぇぜ！」
龍樹が叫べば、雄太も「ああ、すごいじゃん！」とすっかり感動した様子である。
ちなみに龍樹の弁当は、唐揚げを中心にポテトサラダやプチトマトなどが入った、見た目もきれいで栄養バランスも考えられたものだった。
もっとも、彼が前日にねだったお菓子は、入っていない。学校からのプリントをしっかり読んでいた母から、だめだと言われたのだ。
しようがないので、バナナを入れてもらっている。
「白石君、果物、好きなの取っていいよぅ」
「ありがとだぜ」
瑠樹の言葉に、彼は遠慮なくリンゴを一切れもらった。
お菓子を持って来ている者はいないようだが、とりあえず、おかずと果物はたっぷりあって、どれも美味しい。
（これはこれで、悪くないぜ）
胸に呟き、彼はさっそくリンゴを口に放り込むのだった。
【１】
やがて、昼休みの時間になった。
引率の教師らが、生徒たちに休憩時間であることをふれて回る。
それを聞いて、生徒たちは絵を描く手を止めて、弁当を広げた。
瑠樹の傍には、白燕だけでなく、雄太と姫、かんな、龍樹の四人が集まっていた。白燕の提案で、近くにいる生徒と一緒にお弁当を食べようということになり、瑠樹が呼んで来たのだった。
ちなみに、白燕がそんな提案をしたのも道理。彼女の弁当は、一人で食べるには量の多いものだったのだ。
漆塗りの三段の重箱に、点心に春巻き、ちまきなどがぎっしり詰まっている。
（メイドが、張り切っているなとは思ったが……）
絵の道具とは別に持たされていた袋から取り出した重箱を開けて、白燕は幾分、唖然としたものだ。
並んだ料理はどれも、彼女の好物ばかりだった。デザートも、果物や小さなカップに入った杏仁豆腐など、なんとも豪華である。
彼女はそれを敷物の上に広げると、他の者たちを見やって言った。
「誰かよければ食べないか？ 味は保証するぞ」
「わぁ。たくさん持って来たんだねぇ」
感心したような声を上げたのは、瑠樹だ。
彼の方は、母親に作ってもらった弁当を持って来ている。中身はおにぎりとミートボール、ウィンナー、それにちくわに野菜を詰めたものだった。
「それ、なんですか？」
彼が広げた弁当を見て、ちくわに気づいて訊いたのは、姫だ。
「野菜つめたちくわだよぉ。前に、水着コンテストに行った時、参加してた人に教えてもらったんだぁ」
言って瑠樹は笑う。
「野菜はちょっと苦手だけど、ちくわのおかげで、おいしく食べられるんだよぉ」
「ふうん。なんだか不思議な感じですね。あとで、私のおかずと交換してもらってもいいですか？」
食べたことのないおかずに興味を覚えたのか、姫が訊いた。
「うん。いいよぅ」
うなずく彼に、雄太が尋ねる。
「そっちの入れものはなんだ？」
「こっちはねぇ、果物だよぉ。お菓子持って来ちゃダメって言われたから、デザートの果物を入れてもらったんだぁ。たくさんあるから、みんなにもあげるねぇ」
言って瑠樹は、もう一つの入れ物の蓋を開けてみせる。そちらには、バナナやウサギの形に切ったリンゴ、梨、柿などがぎっしり詰まっていた。
「おお、豪華じゃん！」
それを見て、龍樹が大きな声を上げる。
「姫ちゃんのお弁当は、どんなの？」
姫に問うたのは、かんなだ。
「私のはね……」
ふふっと笑って、姫は自分の弁当の蓋を開ける。
可愛い楕円形の弁当箱の中には、唐揚げや卵焼き、プチトマトと共に、猫の形のおにぎりが二つ入っていた。一つは海苔で巻いてあるため黒く、もう一つはご飯に白ゴマが振ってある。更に、カニとタコの形に切られたウィンナーも入っていた。
「可愛いじゃん。私のはね、こんなのだよ」
かんなも、自分の弁当を広げてみせる。
やがて。
「いっただきまーす！」
瑠樹が両手を合わせて元気よく言うと、弁当を食べ始めた。
「いただきます」
姫も、持参したウェットティッシュで手をふいて言うと、弁当に口をつける。
「美味しい……」
卵焼きの甘い味が口に広がり、彼女は笑顔になる。
「これ、どうぞだよぅ」
彼女の弁当箱の蓋に、瑠樹がちくわを一つ入れた。
「ありがとうございます。私のも、何か一つどうぞ」
「じゃあ、卵焼き一つもらうねぇ」
姫の言葉にうなずいて、瑠樹は箸を伸ばす。
「かんなちゃんも、何か一つどうぞ」
姫はそれを見やって、かんなにも勧めた。
「じゃあ、タコさんウィンナーもらうね。こっちのは、何がいい？」
「マカロニサラダにします。みかんが入ってて、美味しそう」
かんなに問われて、姫が言う。二人は、それぞれ望みのものを交換し、にっこりと笑い合った。
一方、龍樹と雄太は、白燕の重箱からもらった点心を次々と口にほおばっていた。
「どれもこれも、めちゃくちゃうめぇぜ！」
龍樹が叫べば、雄太も「ああ、すごいじゃん！」とすっかり感動した様子である。
ちなみに龍樹の弁当は、唐揚げを中心にポテトサラダやプチトマトなどが入った、見た目もきれいで栄養バランスも考えられたものだった。
もっとも、彼が前日にねだったお菓子は、入っていない。学校からのプリントをしっかり読んでいた母から、だめだと言われたのだ。
しようがないので、バナナを入れてもらっている。
「白石君、果物、好きなの取っていいよぅ」
「ありがとだぜ」
瑠樹の言葉に、彼は遠慮なくリンゴを一切れもらった。
お菓子を持って来ている者はいないようだが、とりあえず、おかずと果物はたっぷりあって、どれも美味しい。
（これはこれで、悪くないぜ）
胸に呟き、彼はさっそくリンゴを口に放り込むのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年02月21日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年02月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年02月28日 11時00分
