影身始末　～寝子島辻斬り物語　弐－２～｜リアクション

影身始末　～寝子島辻斬り物語　弐－２～

【アウトレットモール前の一幕】

　志波武道は、先ほどから何か争っていると思われる場所へと急いでいた。
　道にはトラックが出現しており、どうやらトラックを止めたときにトラックごと巻き込まれたのだと理解できる。
「影人か」
（特性を聞く限りだと、俺のろっこんは相性が悪そうだな）
　普段の彼とは違い、まじめな表情は事態の困難さをそのまま物語っていた。
「テオの呼びかけに答えてみれば、シャレにならない感じか……」
　だが、そうはいっていられない。
　これらが現実の寝子島へと現れれば大変なことになるだろうし、なによりそれで大切な人々が傷つく可能性があるのなら……その可能性は排除しなければいけない。
「携帯は……使えないか」
　誰かと連絡を取ろうとしても何かしらの力が働いて使えないようだ。
　そして、現場付近には人が無く、アウトレットモールの広場の方に近づくとだんだん騒ぎが大きくなってくる。
　それを確認するやいなや武道は走る速度を上げた。

このページにイラストを設定する