伝説のおイモバトル｜リアクション

伝説のおイモバトル

●猫とおイモとしらみの卵

「キャベツ、食虫植物に続きお芋まで……さすが寝子島フリーダムなのだっ！」

　たまたま寝子島神社を訪れていた後木真央と旅鴉月詠は、暴れ回るおイモモンスターを目にして驚いたが、すぐに気を取り戻し、迎撃するためにファイティングポーズを取った。

「こんなこともあろうかと、が早速役に立っちまったのだっ……月詠ちゃん、釘バットぷりーずなのだっ！」

　真央が月詠に声をかけると、月詠は持ってしたスケッチブックを取り出す。
　そんなものが武器になるのかと思いきや、スケッチブックに描かれた二本の釘バットの絵が実体化して転がり出てきたではないか。
　これが月詠のろっこん『絵空事』の能力。触れたものを絵にして封印しておけるのだ。

「『何かあった時の為』にこないだ渡された護身用釘バットが役に立つとはね」

　月詠はそのうちの一本を自分の手に取り、もう一本をポイと真央に手渡す。

「なんてフリーダムな芋なのだ。まさしく特選、きっと旨いに違いないのだ是非とも胃袋に収納なのだ～！」

　続いて、釘バットを構えておイモモンスターに向き直った真央も自分のろっこん『にゃにゃにゃがおー！』を発動させる。
　そうすればどこからともなく、でっぷりと太った大きな三毛猫が召喚される。

「行け！　がおー！」

　そう叫ぶや否や、真央は三毛猫の襟首をつかむとおイモモンスターに向かってぶん投げた。

「ふぎゃー！」

　三毛猫がおーは爪と牙をむき出して、おイモモンスターと戦い始める。
　伸びてくる無数の触手を避け、その上に飛び乗って走りまわり、目まぐるしい空中戦を繰り広げる。