テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。｜リアクション

テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。

「おじさんがチャーハン作るなら、あかりも食べるの！　作り放題ならあかりもチャーハン作るの！」
　店の制服を借りた橘は、一生懸命に中華鍋を振るうのであった。
　しかし、どんどんと米粒が鍋からフライ・ハイしていく。
　ついでに中華飯店特有の熱気で橘の体内水分もフライ・ハイ。
「チャーハン作る時はこぼすのがデフォルトなのなの。料理は下手だから！」
　言い切っちゃったのである。
　仕方がない、ちょっと水分がフライ・ハイして、意識が朦朧としているからね。
　流石にこぼしたチャーハンを鍋の中に戻すのは怒られた。
「ちひひー、ごめんなさいなの……！」
　ほんの少しだけ残った自作のチャーハンは、橘が責任を持て完食した。
「食べられるものは全部食べるの！　ふうひょうひがいがどうとか、あかりはしらないよ！　食べられるならたべるのなの。だってそれが食べ物の望みでしょう？」
　橘の純粋な気持ちに触れた店内の客たちは、その神々しさに両手を合わせて思わずお辞儀をした。
　中高生以外の客もポツポツと来店しており、その中で橘の尊い言葉に胸を震わせるのであった。
「あかりはみぃんなの望みを叶えるためにこの世界に降りて来た、天使だもの！　そう、天使だから！」
　そして椅子の上から橘はエンジェル・フライ・ハイ！
　そのまま墜落、転倒！
　旅鴉が橘のめくれたスカートをスケッチブックで倫理的ガードを行い、事なきを得た。
「すまないが、ここから先は別料金コンテンツだ」
　こんな時でも旅鴉はクールであった。
「ちひひー、また失敗しちゃったのー」
　後日、その純真無垢さに惚れ込んだ店主の板野から「看板娘としてバイトしないか？」と誘われる橘であった。