テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。｜リアクション

テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。

　その頃、日暮ねむるはどうなっていたかというと……。
「はい、仲買手数料込で200円になります。え、高いって？　このご時世、寝子島チャーハンブームですよ？　炒飯がどれだけ貴重か知ってますよねぇ。嫌なら他をあたってくださいな」
　予想以上の集客に顔が綻んでいた。
　客から「あこぎな商売人め！」とか「足元見やがって！」と非難されることもあった。
　だが、日暮はそんな言葉を気にも留めない。
「う～ん、このぐらいなら悪巧みってほどじゃないし……」
　彼はただ、このビジネスチャンスをものにしようと頭を働かせただけのこと。
　そこに悪意は決して存在しないのだ。
「はい、ラスト１個ですよ、ありがとうございます！　……ごめんなさい、さっきので50個目、つまり完売しちゃいました……」
　なんと、買い込んだ50個の炒飯おにぎりを全て売り捌いたのだ。
　売上は200円×50個で１万円だ！
　元手は半額ほどなので、純利益だけでも５千円の儲けだ。
「いや～だいぶ財布が潤ったなぁ！　これがホントの炒飯バブルだよねぇ。当面は缶コーヒー代ケチらなくて済むよ」
　笑いが止まらない日暮は、スマホでチャーハンブームの顛末を確認。
「どうやらギリギリだったようだね……。おかげでひと儲けさせてもらったよ……って、ん？　これは……！」
　日暮は再びマネーの匂いを漂わせた情報を見付けてしまった……。