テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。｜リアクション

テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。

『私だ』
　旅鴉月詠、その人であった。
『ヒーローが私のような魔女に何の用かな？』
「情報が欲しい。でもあまり時間がねぇんだ」
　焦る風雲児を察したのか、受話器越しの旅鴉はすぐに本題へと切り出した。
『私もテオの声を聞いて、すぐに調べてみたよ。どうやら、中華飯店の日本海の誹謗中傷が発端じゃないかな？　SNSでヤラセ画像が出回っている』
「ってことは、やっぱり……」
　風雲児は悔しそうに唇を噛み締めた。
　旅鴉も小さく嘆息を漏らした。
『さてこの騒動は何だろう、風雲児？　炒飯に罪はない事が解って、ネットでは炒飯祭なのは解るが、現実に騒ぎ立てるのは不自然だ。ネットの彼等はささやかだから』
「でも、『日本海』は開店休業状態だったぜ？」
　風雲児の言葉に、旅鴉は数秒、間を置いてから答えた。
『……ふむ。風雲児、出来ればそのまま聞き込みを続けてくれないか？　私も現場へ向かおう』
「おう、足取りを追うんだな？」
『ああ、無差別で中高生をチャーハン好きにしているのならば、学校の多い通学路付近を捜索すればすぐに出会えるはずだろうね？』
「サンキュー、旅鴉！　何か分かったら連絡するぜ！」
　旅鴉は待った、と１つ付け加える。
『私は少し準備をするから、もしかしたら遅れるかも。犯人を確保したら、そのまま取り押さえていてくれ。急行しよう』
「待ってるぜ！　じゃあな！」
　そう言って風雲児は通話を終えた。