テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。｜リアクション

テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。

　篠崎響也もまた、チャーハンのオッサンによってチャーハン中毒症状を起こしていた。
「何故だか急にチャーハン食べたくなった。しかしあの音はなんだったんだ？」
　シャッター音が聞こえた方向へ走ってみると、逃げていくコック姿のオッサンの後ろ姿を視認する。
「あいつか。すごい逃げ足の早さだ」
　篠崎はあとを追うことにした。
　だが、オッサンは通りの角を曲がったきり、姿を消してしまった。
「見失った……。まぁ、そんなことよりチャーハンだな」
　彼はオッサンの追跡よりも自分の胃袋の欲求を最優先することにした。
「そういえば、前に行った『日本海』ってお店が美味かったな」
　思い立ったら吉日である。
　篠崎は迷わず『日本海』へ足を運ぶことにした。

　最上るるかはチャーハンのことで頭がいっぱいのままだった。
「突然チャーハン食べたくなった！　また神魂の影響？　ううん、これはもれいびの仕業？」
　きっと、急に現れたコック姿のおじさんのろっこんだろう、と最上は考えた。
「こういう時は、情報収集っと……。えっと、『寝子島　チャーハン』と……」
　ＳＮＳやブログを検索して、それらしい記事を読みあさっていく最上。
「あっ、これかも？　……えっ、ゴキブリ入り？　これってヤラセじゃないかな？」
　検索して出てきた画像には、確かにチャーハンの中からゴキブリらしき異物が混入していた。
　だが、異物が巧妙に作りこんだ模型のようにも見えなくない。
「うぅん、『日本海』かぁ。あたしは行った事ないけど、学生に人気の定食屋なんでしょ？　料理にＧが入ってたらもっと騒ぎになるはず……」
　しかし、最上はチャーハンの欲求を抑えることができない。
「ダメダメ！　今は我慢だよ！　この事件を解決したら、響也にチャーハン作ってもらうようにおねだりするんだから！」
　最上はいわゆる『自分へのご褒美』を鼻先にぶら下げることで、チャーハン欲求を事件解決の意欲へ昇華していく作戦に出た。
「そうと決まったら、情報収集しながら『日本海』へ突撃だね！　あ、響也もテオの声が聞こえているはずだし、何か情報を掴んでいるかも……？」
　最上はスマホを操作すると、すかさず篠崎へ電話をかけたのだった。