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嵐の夜に、猫鳴館にて
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【3】
藤堂 月乃
は、本格的に降り出す前にと、せっせと寮の外に出ているものを中に運び込むことに専念していた。
前面に『不撓不屈』と大きく書かれたTシャツとジャージ、軍手といった格好で、口にはむろん、ろっこん『一粒入魂!』を発動させるための飴玉が入っている。
大きな木の植わった植木鉢やプランター、誰かが放置したままの肥料の袋や、何も入っていないバケツなど、こうしてみると寮の周辺――殊に、庭にはさまざまなものがあった。
(土嚢? 誰かが、飛ばないように重しをしてくれたのね)
その途中、ゴミ箱や汚れたシートなど、中に入れるのがためらわれるようなものに、土嚢で重しがされているのに気づいて、彼女は胸に呟く。
やがてだいたいのものを運び終わると、彼女は小さく吐息をついた。
「あとは……と。一応、寮の周辺も見ておいた方がいいわね」
あたりを見回して呟くと、彼女は周辺に何か危険なものや、遠くに飛ばされそうなものが落ちていないか点検するため、歩き出した。
その途中、
邪衣 士
と出会った。
「植木鉢とか、折れたり枯れたりすると困るものを中心に、外に出ているものを中に入れておいたわ」
「すまんな。さっき雨崎に会ったら、飛ばされそうなものは、土嚢で重しをしておいたと言っていたが」
声をかける月乃に、士は言った。
「あれ、雨崎くんだったのね。おかげで助かったわ。ゴミ箱とか、飛ばされると困るけれど、中に入れるのもちょっと悩むもの」
笑って返すと、月乃は首をかしげる。
「でも……今は他のことをしているのかしら。姿を見ていないわ」
「後木やスティックと一緒に、鶏舎の補強をしていたが……そろそろ終わるだろう」
士の言葉に、月乃はそうだったと小さく目を見張った。ここには、建物ばかりではなく、他にも守らなければならないものがあるのだ。
その彼女に、士が尋ねる。
「ところで、君はどこへ行く?」
「寮の周辺を見回りに行くところよ。危険なものや、飛ばされそうなものが落ちていないか、見ておく必要があるかなと思って」
「そうか。気をつけろ」
答える彼女に、士が言った。
「ありがとう。じゃあね」
軽く手をふり、月乃は士と別れて再び歩き出した。
寮の周辺には、風で飛んで来たとおぼしいビニール袋やパック、小さな子供用のバケツなど、さまざまなものがころがっていた。月乃はそれらを拾って、出る時に持って来たビニール袋に入れて行く。
ぐるりと一周して、玄関前に戻って来ると、月乃はビニール袋の口を縛って、玄関の植木鉢などを入れた付近に一緒に置いた。ゴミも入っているが、どちらにしても、台風が去ったあとにはまた大量のゴミが出るに違いない。中身はその時に選り分けようと考えたのだ。
(私にできるのは、こんなところかな)
胸に呟き、彼女は自分の部屋へと向かう。
その途中にある大部屋では、
初島 優
が一人、ジャージを着込んでお茶をすすっていた。
(おのれ、神魂めー。こんな時期に、それも太平洋側の島で吹雪だなんてー。冬支度なんて、全然できてないってのにー)
頭の中でぶつぶつと、神魂の影響と決めつけ、文句を言いつつ、彼はあれこれと考える。
夏に台風が来た時、彼に向かって倒れて来た大木のおかげで材木に余裕ができて、寮内のあちこちは補修が施されていた。特に屋根は傷んだ箇所を葺き替えることができたので、雨漏りに悩まされる心配はないはずだと、彼は考えていた。
(瓦は……そのうち、窯でも作るべきなのかなー? まあいいやー。そのへんは、台風通り過ぎたら考えようー)
胸に呟き、ずずっとお茶をすする。
そしてふと、思い出してズボンのポケットから、小さな紙袋を取り出した。
それは、前の台風の時、大木に潰されそうになったのを助けてもらったお礼にと買ったものだった。だが、女の子にプレゼントを渡すのが気恥ずかしくて、ずっと渡せずにいたものだ。
(これ、今日こそちゃんと、藤堂さんに渡そうー)
そう心に決めて、顔を上げた途端に月乃が廊下を歩いて来るのが開けっ放しのドアから見えて、初島はちょっと驚く。が、善は急げだとばかりに、立ち上がった。
「藤堂さーん、ちょっといいかなー?」
大部屋の前を通り過ぎて行こうとする月乃を、呼び止める。
「初島くん、何? どうしたの?」
怪訝な顔で立ち止まった月乃に、初島は少しだけためらったあと、手にしていた紙袋を差し出した。
「……そのー、えーっと……これ受け取ってー! 前に台風来た時に、助けてもらったお礼ー」
「え……」
驚きながらも受け取って、袋を開けた月乃は、目を見張る。出て来たのは、白い髪留めだった。
「あ……ありがとう……」
少しはにかんで言うと、月乃は微笑む。
仲間を助けるのは当然で、彼が無事だったのがうれしかった。けれどもこれは、彼女にとっては更にうれしい出来事だった。
「これ、大切にするね」
笑顔で付け加えると、彼女はそのまま踵を返す。
その背を見送り、初島は「渡せてよかったー」と吐息をついて、笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月23日
参加申し込みの期限
2015年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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