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chapter.7 セクシークレーム
保健室の前に佇む影。
怒りのオーラをまとったその影の主は、クレーマーの女性だった。ついに彼女は、ここに辿り着いてしまったのである。
やや強めのノックをした後、女性は目の前の扉を開けた。
部屋にいたのは、数名の生徒と礼美。室内なのにストールを巻いたままというのが、地味に女性の怒りを買った。
「失礼します。あなたが鷲尾先生でよろしいですね?」
「はい、そうですけど……」
棘を含んだ言い方の女性に頷く礼美。
「ちょっと、お話したいことがあるんですけど」
言って、女性は職員室で話したようなことをまくし立てる。礼美も、周りの生徒たちもそれをただ黙って聞いていた。
——案の定、ね。
内心でそう思っていたのは、蛇那伊。
彼は女性がここに来ると聞いた時から、こんな展開になるのだろうとなんとなく予想していた。一方的に言い分を主張する女性と、それを聞き続ける自分たち。
このまま女性が言いたいことを言い終えて、気が済んで帰ってくれれば言うことなしだったのだがそう甘くはないだろうとも踏んでいた。
事実、女性はある程度主張を終えると礼美へと食ってかかった。
「黙ってないで、なんとか言ったらどうなんですか!?」
バン、と近くの机を叩いて礼美を睨みつける女性。
これ以上放置していたら荒事になる。そう判断した蛇那伊は、すっと前へ進み出た。
「あたしから提案があるんですけど、聞いてくださる?」
「何よあなたは。生徒は黙ってて頂戴!」
会話に入ってきた蛇那伊を弾こうとする女性だったが、蛇那伊は一歩も引かず、自分の考えを述べ始めた。
「お子さんの成績が下がって困っているのよね……なら、お子さんに禅なんかの精神修行をさせてみてはどうかしら」
「ぜ、ぜん!?」
突然耳に飛び込んできた聞き慣れない単語に、女性の声が裏返った。蛇那伊はこくりと頷くと、その提案の真意を語り出す。
「セクシーさに目を取られて勉強が出来なくなるなら、セクシーさを気にしない精神の強さを持てばいいのです」
仮に今この場で礼美のセクシーさを減らし、息子が雑念から解放されたとして、また別な女性にときめいた時に似たような事案が発生するのではないか。
おそらくそう考えた上での、蛇那伊の提案。つまり根本から子供の精神を鍛え直せということなのだろう。しかしこれは逆に、女性を怒らせてしまった。
「どうしてうちの子に責任があるみたいなことになってるの!? うちの子は何も悪くないし、そんな修行めいたことなんてさせてたまるもんですか!」
しまった、まずい方向にいってしまった。周りが一瞬そう思ったが、この女性の反応は蛇那伊の想定内であった。
彼はぐいっと身を乗り出し、これでもかと女性へ顔を近づけて説得をした。
「優秀な親が子を守れば、子が成長しないのは歴史が証明しています。子の成長を望むなら、親は逆に鬼になるべきなのです!」
迫力ある距離感で、迫力ある顔で言い切られた女性はうっと言葉を飲み込みかけたが、我が子のこととあらば怯んでいるわけにはいかないと自らを奮い立たせ、蛇那伊に張り合う。
「そんなことしなくても、うちの子は充分立派に育っています! あなたにうちの子の何が分かるって言うのよ!」
そこからはもう、修行させるべきだという蛇那伊とそんなことはさせないという女性の水掛け論だった。終わりが見えないその言い争いを、じっと見ていたのは円だった。
彼女、円は一学期にここ保健室で起こった出来事を思い返していた。
礼美に恋煩いをしてしまった少年のことを。もしかしたら、その少年の母親がこの人なのかもしれない、と。
そんなあれこれを考え出すと、円もまた、口を挟まずにはいられなかった。
「あの」
蛇那伊と女性の言い合いに、円が静かな、しかし確かな声で割って入った。視線がこちらに向いたことを確認し、彼女は口を開く。
「お子様が先生から魅了されたってことですけど、どのような話からそう思われたんです?」
「どのような、って……」
少し言葉に詰まったものの、女性は目を見開き、鞄から一枚の手紙を取り出した。
「これよ! この、あなたへのラブレターを息子の引き出しから見つけたのよ!」
言って、一同に見せたその手紙は紛れもなく、礼美への思いをつづった手紙だった。息子がわざわざ親に見せたとは考えにくいため、おそらくこの女性が勝手に息子の部屋を漁ったりしたのだろう。
「これを読んで、私はこんな学校に息子を置いておけない、そしてこんな教師をのさばらせてはいけないと思ったの!」
キンキン声でわめき始める女性に、円はあくまで冷静な口ぶりで対応した。
「お母様の懸念ももちろん分かります……が、先生の存在は、お子様にとって悪いことばかりではないと思います」
「なにそれ、どういうことよ」
「学びというものは、勉学だけではないということです」
すっくと立ち上がった円は、白衣をばさっと翻し女性に告げる。
「社会とは、多様な人間が存在し、個性を受け入れる必要がある。ここは、それを学ぶ場でもあるのではないかと」
「だからって、恋なんかにうつつを抜かして勉学が疎かになるようでは」
「憧れは、人生を豊かにする。お母様もそういう経験はございませんか?」
円の言葉に少し目線を動かし、次の言葉をなかなか見つけられずにいた女性だったが、「そのことと息子の成績が下がっているのは関係ない」と本来の主張を述べ主導権を握り返そうとする。
が、円はそれに真っ向から立ち向かった。
「ご存じの通り、先生のために走り回る生徒はたくさんいます。魅力的ということは悪ではありません。人間性を学び、取り込むことで生きる糧ともなり得るのです」
言うと、円は保健室を見回した。そこだけでも幾人もの生徒が集まっている。
「礼美せんせーの存在も、生徒の人間性を育む大きな支えとなるきっかけにもなると思います」
それは、女性自身が味わってきたことだった。ここにいる生徒たちはもちろん、ここに来るまでにも何人もの生徒が自分に対して礼美への思いを語りかけてきた。
それは少なからず、この養護教諭が慕われているということなのだろう。
だがそれでも、彼女は礼美を許すことは出来なかった。どれだけ多くの生徒にとって支えとなっていようとも、我が子が骨抜きにされたのでは黙っていられるはずがない。
「お母様」
そんな彼女の思考に、円の言葉が入り込む。
「もし、先ほどお母様が仰ったようにお子様の気持ちが恋であるなら、そういう憧れって、素敵な時間や経験ですよね。お母様も、経験なさったことはありませんか?」
「わ、私の話は今してないでしょう! 息子が心配だという話をしているの!!」
相手にペースを握らせまいと半ばムキになった女性が、強引に話を本題へと引き戻す。
これ以上は何を言ってもこの着地点に戻ってしまう。
蛇那伊や円がそう感じ、次の一手を模索していた時。
保健室にいた生徒たちの中から、新たな声が上がった。
◇
「うーん、俺は貴女の言ってること、すごく分かるなあ」
沈黙を破ったその声は、
八十八旗 信彦
のものだった。
彼は柔らかな物腰で女性の隣に腰掛けると、「出来れば、もっと貴女の話を聞かせてほしい」と女性に言った。
「なによ、話の通じそうな生徒もいるじゃないの。だから私が言いたいのはね……」
遠慮なく主張を、と言われ自分を説き伏せてこようとしない目の前の生徒に、女性は少し気が緩んだのか、ため込んでいた愚痴を次々に吐き出し始めた。
それは礼美に対する辛らつな言葉から始まり、息子の成績が下がったこと、そして息子の話題から家庭の話にまで広がり、よくもまあこれほど愚痴が出てくるものだ、と感心するほどだ。
そしてさらに感心すべきは、それらすべてをしっかり相づちを打ちながら聞いている信彦の姿勢だった。
「うんうん、気持ちはよく分かるよ。たしかにそうだよね」
決して否定はせず、相手への同調、共感を第一に考えた信彦の態度は、次第に女性の怒りを放出させていくことに成功していた。
感情的になっている相手に、下手に意見を、それも正論めいたことを言っても逆効果だと生まれつきの紳士である信彦は肌で感じていたのかもしれない。
しかしチャラ男と名高い彼ではあるが、まさかマダムキラーの属性も秘めていたとは、恐ろしいものである。
——うん、ちょっとヒートアップしちゃってるかな。でもあくまで紳士的に!
内心そう思いつつも、辛抱強く笑顔で女性の愚痴に付き合い続ける信彦。
「……だから、要するにうちの子が誘惑されるなんてことは許せないのよ!」
何度目かのその言葉に、信彦は頷く。
「貴女がそう感じるのも、無理はないよね」
もう少し。
もう少し怒りを放出させて、冷静になった時にでも、ちょっとずつ説得を織り交ぜていこう。
信彦はそう算段をつけ、タイミングを見計らっていた。そして現にその計算は、順調に進んでいた。さっきまでの殺伐とした女性の雰囲気が、幾分和らいできたように見えたのだ。
このままいけば、あとちょっとで落ち着いてくれるかな?
と、そのタイミングで保健室の扉が開き、新たな訪問者が現れた。
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担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月15日
参加申し込みの期限
2015年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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