this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
保健室、やっぱり満席です!
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
chapter.9 セクシーコメディ
「せんせー! ボク、カレーつくってきたよっ!」
この場の雰囲気に、そして保健室にまったく似つかわしくない声と言葉を携えてやってきたのは、家庭科室でカレーをつくっていた萌だった。
「は、はい!?」
女性が素っ頓狂な声を上げる。当然の反応だ。誰だってそうなる。というかもう彼女の頭は、パンク寸前だった。
目の前でセクハラと暴力が繰り広げられたと思ったら、唐突に保健室にカレーを持ち込む生徒。
一体この学校はどういう教育方針なのか。もう教育という言葉がむなしく思えてくる。
「ほら、いい匂いでしょ?」
鍋を前に出し、匂いを保健室に満たそうとする萌。さすがにそれは、慌てて礼美が止めに入った。
「あ、あのね。ここは保健室だから、一応そういったものは持ち込まないでね」
「えー、だってボク、せっかく究極のカレーを目指してつくってきたんだよ!」
「うんだからね、究極のカレーは少なくともここで食べるカレーではないと思うの」
なんとか部屋からカレーの入った鍋を除去しようとする礼美と、意地でもここでカレーを食べようとする萌。ふたりの攻防は一進一退の様相を呈していた。
この時点で充分悲劇だが、さらに女性を困惑させる人物が増えてしまうことになる。
それは、度重なる鼻血でベッド周りを真っ赤に染め上げた涼太郎の存在だった。
「う……」
再び意識を取り戻した彼は、自分の周囲が血でべとべとになっていることに気付いた。その感触が気持ち悪くて、彼は着ていた衣服を脱いでいく。そしてシーツだけを身にまとい、まるで古代ギリシャの神のような出でたりで礼美たちの前へとやってきた。
「先生、ベッドが血で」
「えーーーっ、ちょっとなんて格好してるの君!?」
礼美が叫んだ。さっきまで普通に寝てた男子が突然古の神に変身していたのだから当たり前だ。そしてその衝撃は礼美だけでなく、女性にも訪れていた。
——なんなの、この学校は本当に。
もうすっかり言葉も出なくなって、ただあんぐりと口を開けたまま放心状態で涼太郎の出で立ちを見つめる女性。その視線に気付いた彼は、自分の美しさに彼女が見とれているのだと見当違いの勘違いをしてしまった。
「やあ、初めまして。生まれたままの天使とは、僕のこ」
華麗なポーズを決めてナルシスト全開アピールをしようとした涼太郎だったが、その言葉が最後まで続くことはなかった。
なぜなら、突然のエンジェル登場に驚いた萌——おそらく彼女にはほぼ全裸状態の彼の姿は刺激が強かったのだろう——が、持っていた鍋をうっかり放ってしまったからだ。そしてその鍋に入ったカレーが、思いっきり涼太郎にかかってしまったからだ。
「あっつぅ!? え、カ、カレー!? あつっ、あっつ!!?」
思わず叫び、全身をバタバタさせる涼太郎。その様はあながち、天使の舞に見えなくもない。鼻血とカレーで体もシーツもぐしゃぐしゃだけれど。
「……」
女性の脳は、目の前の出来事を処理しきれなくなっていた。
順を追って整理しよう。
養護教諭や生徒たちと話していたら、突然スケバンが乱入してきた。
と思ったら、そのスケバンにセクハラを働こうとする男子生徒がベッドから飛び出してきた。
と思ったら、セクハラ男は暴力に打ちのめされた。
と思ったら、何の前触れもなくカレーを持った生徒が入ってきた。
と思ったら、シーツしか身にまとっていない生徒がベッドから現れた。
と思ったら、カレーが飛び散って辺りが鼻血とカレー塗れになった。
「……ええと」
ダメだ。整理したところで、さっぱり目の前の事態が把握できない。
ここは学校の保健室で合っていただろうか。そもそもそこからして怪しくなってきた。
眼前では、礼美が必死に走り回ってこの惨状を処理しようとしている。それを見て女性は思った。
——あれ、この教師、もしかして常識人な方なのでは? と。
皮肉にも、生徒たちが突拍子もないことをやりすぎたためそれをフォローするはめになった礼美の姿が、結果的に女性の心から怒りを取り払っていたのだ。
そこに、とどめとばかりにやってきたのは修だった。
「……ずいぶんと凄まじいことになってるな」
クレーマーの女性と話をしにきた彼だったが、保健室の惨状を目の当たりにし、この場所では満足に話が出来ないと判断する。
「すみません、お話したいことがあるのですがここでは何ですので、あちらの部屋でよろしいでしょうか」
これ以上ここにいたら、自分まで巻き添えを食らうかもしれない。そんな恐怖すら覚えていた女性は、もうこの場から離れられるなら何でも良いといった様子で修の提案を受け入れた。
扉を閉める間際、修はちらりと後ろを振り返りその場にいた者たちに告げる。
「……こっちは頼んだ」
諸々の液体のにおいを閉じ込めるように、修はぴしゃりと扉を閉めた。
◇
「突然すみません、4組にいる猫島君のご友人のお母様ですよね?」
近くの空き教室に移動した修は、女性にそう尋ねた。
「え? ええ確かにうちの子は4組ですけど……」
スムーズに話を進めるため、寝太郎から聞いた情報を元に話を切り出す。実際にそこが友人関係かまでは知らない。ただこの方が手っ取り早かったのだろう。
「噂は聞いていますよ」
「噂?」
「ええ、将来有望な生徒がいる、と。俺は隣のクラスの生徒ですが、その噂はこっちまで伝わってきてますから」
「あ、あらそうなの。ほほほ……まああの子ならそのくらいはね、ええ」
自慢の息子を褒められ満更でもないのか、機嫌良さそうな声で会話する女性。
そこからも修は、手に入れた情報を頭から引き出し、部活での態度を褒めたり成績、性格面もとにかく褒めちぎった。
そのことが母親の心を満たす一番の方法だと、彼は知っていたのだ。
事実、目の前の女性はみるみる笑顔になっていった。
元より保健室を出た時点で礼美への憎しみは半分ほど消えていた上、気がかりだった息子のこともここまで褒められては悪い気がするはずがない。
「ほんと、うちの子ったら何でも出来ちゃう子でねえ……」
「ええ、そうでしょうそうでしょう」
相手に合わせるように会話を進める修。話が礼美のことに及べば「先生にも行き過ぎがあったのかもしれませんね」と必ず女性側に立った返しをすることで神経を逆なでぬようにした。
「でも、それでも息子さんがあそこまで立派に育ったのは、何よりお母様の教育のお陰だと思いますよ」
「あらやだ、あなたうまいのね。まともな生徒さんもちゃんといるじゃない」
「そう言っていただけると光栄です。特に、奥様のようなお綺麗な方に」
「まあ! あたしがもう少し若かったら、その気になっていたかもしれないじゃない、やだあ、ほほほ」
自然に褒め言葉も混ぜる修の話術に、女性はすっかり気分を良くしていた。もうこの時女性の心にある炎は、ほとんど消えかかっていた。
つまり、内に溜まっていたものがだいぶ発散され、満足感が代わりに満たしつつあるということだ。
「なんだか、悪いわね、突然学校に押しかけちゃって」
しまいには、自分からこんなことまで言いだし始めたのだから驚きだ。もちろんそれに対しても修は「いえ、奥様のような教育熱心な方はいつでも歓迎ですよ」と褒め返すことを忘れない。
「今回の件は、私も少し大人げなかったかもしれない。それに、あの先生も思っていたより常識があるみたいだし」
保健室を去る間際に見た光景。それを女性は思い返していた。
あれだけ自分のテリトリーである保健室を荒らされても、生徒たちを怒鳴ったりせず、黙々と片付けをする様子を。そして、それを手伝う生徒たちの礼美への思いを。
「ちょっと、最後に一言あの人に言っておこうかしら。言い過ぎてしまったわね、って」
女性のそんな言葉に、修は笑顔で答えた。
「では、俺がご案内しますよ。どうぞこちらへ」
そして今一度保健室へ向かう修と女性。
悲劇が重なると、逆に喜劇になるのだから人生は不思議なものである。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
保健室、やっぱり満席です!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月15日
参加申し込みの期限
2015年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!