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あなたのそばに蕎麦屋すすきのーすすきのー
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――ほどなくして、定食三品がテーブルに並んだ。
「うん、旨い」分厚い鴨肉をほおばり、感に堪えたように、刀が言う。
「相変わらずここの蕎麦は美味いよな。
……鴨の下ごしらえもバッチリだ。それでいて、出汁に鴨の味が出すぎていないし、歯ごたえもい」
『なんだか刀先輩、グルメレポーターみたいです』
クスリと笑う小淋のスケッチブックに踊る、かわいらしい文字。
「ただの美味いもの好きだよ」そう言って刀も笑う。「しかし、グルメレポーターか……そういわれると照れるな」
美味しいもの大好きな彼は、その一つ一つに賛辞を惜しまない。
そのどれもが心の底からの賛辞なので上滑りせず、人の心に届く。そういう意味では修に似ていた。
少し離れた死角になった場所で、よしっと眼鏡を光らせる五月。
『なんだか秋って感じですね』
きのこ蕎麦でほっとした気分の小淋、流麗にペンを走らせる。
薫り高く、歯ごたえもあるきのこの天麩羅が、豊富な種類盛られている。
どれも、秋の風味を凝縮し「これがキノコだ!」と誇り高く主張するような、深みのある味だ。
「ふふー、定食なだけあって盛りだくさんだね!」アホ毛ををぴん!と張りながら、雅人が気色を満面に浮かべる。蕎麦の上にドンと乗った大ぶりのサンマかば焼きは迫力ものだったし、栗ごはんもデザートもおいしそう。
「どれから手をつけようか迷っちゃ……う……?」
雅人のアホ毛が、警戒するように震える。
視界の先にあったのは……。
「……な、茄子のお漬物だ……」
果実のような独特の触感を持つ茄子の漬物は、わりあい人によって好き嫌いが分かれる。
店主の配慮で、薄切りにしてあったものの。
「……お茄子は、ちょっと苦手なんだよ……でも、残すわけにいかないし……」
ぽやんとしている風情の彼も、無下に出されたものを残すわけにいかないという仁義があった。
「……あとで考えよう。とりあえず蕎麦をご賞味!」
雅人が箸をつけると、サンマのかば焼きが白い身をのぞかせ、中から脂をあふれさせた。
香ばしいにおいがあたりに立ち込める。
丁寧に下味をつけて、たれに工夫をしたサンマは、旨みの塊だ。
出汁の熱さに、それがじわじわ惜しみなくしみ出していく。
「美味しくて、身も心も温まるねえ!」
生臭さは生姜で打ち消されている。たまにサンマの脂が固まりになって、歯の先に引っかかることがあり、それが濃厚なうまみとなって口に広がる。
しばし三人、無言で蕎麦をすする。幸福であたたかい時間が過ぎた。
「そうだ」刀は顔を上げる。「おかず、トレードしないか?」
「とれーど?」
「うん、ちょっと他のおかずの味も気になる」
南瓜の煮物を差し出す彼。傍らで五月が、そっと取り分け用の小皿を用意した。
小淋は笑顔で応じ、舞茸の天麩羅を差し出す。
「それなら俺は、サンマさんのかば焼きを一切れ!」小皿に乗せて渡す。「ふふふー、南瓜は大好きだから、ありがたくいただくよー!」
「うん、うまい!」鴨南蛮の汁に舞茸をくぐらせると、極上の味。思った通りである。「舞茸の天麩羅が、さくさくして美味い!」かば焼きをご飯にのせて食べると、これもまた妙味。「かば焼きも、味がしっかりしててご飯にあうな!」
刀のグルメレポーターぶり全開である。
一同は和やかに笑い、デザートまでしっかりいただき、人心地ついた。
「そういえば、一年ももう過ぎちゃうんだね……」最後に残った茄子の漬物と格闘しながら、雅人がつぶやく。
「そうか……支援部の活動も、もうそれくらいになるのか」感慨深げに刀は言う。
島に来て半年、もれいびになって、神魂絡みの事件、妖怪をはじめとするいろいろな怪異にかかわるようになった。その中で、彼自身の心境の変化もあったし、強さを追い求める姿勢は変わらなくても、さまざまな人のかかわりの中で見出せると思うようにもなってきた。
強さに奥行が出てきたというこか。
(これからも、それは変わらないんだろうな)
変わらない日常、それでもうつろい、変わっていくもの。
「寝子祭に球技大会、楽しみだなぁー!」雅人が笑顔を作る。
『もうすぐ選挙や中間テストもありますし、』
小淋はそうスケッチブックに書いた後、付け加える。
『お二人はまた、勉強会のことも考えないと、ですね』
ぎしり。
一同の動きが停止した。
感電したクジャクの尾のように、雅人のアホ毛が蠕動する。
「中間テストか……」秋の空に、刀はふっと昏い眼差しを投げる。
前回のテスト、彼は全力を出し切ることができず、出来が少し良くなかったというか、4科目が零点だった。
やればできる男。ただ、興味が勉学の方にまったく向かない。
もったいない。万人の認めるところだった。
「今度は頑張らないとなー」目が遠い。
『また、勉強会をしましょう』
にっこり笑って、スケッチブックを差し出す小淋。
以前はそれで、数学を頑張ることができた。
「テ、テストは、は……」何とか栗ごはんと一緒に食べる技を編み出し、頑張って茄子の漬物を食べる雅人。塩味が程よく、栗の香りも高いが、やはり茄子の漬物は苦手だ。
「ま、また勉強会の開催を希望しますー!」
障子越しの、午後の陽ざしがかすんでいる。
刀も雅人も、瞳はうつろで、心は宙を彷徨っている。
晩秋の物悲しい風が、二人の間に拭いたようだった。
中間テストの存在が、ここまで人の心を腑抜けにするものなのか。
「そばが……テスト科目だったらいいのに」
「そばって英語で、スタンド・バイ・ミーでいいのかな」
支援部の男子二人を見て、小淋は勉強会の開催をあらためて心に誓った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
ぱーすぺ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月06日
参加申し込みの期限
2015年04月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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