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真夜中アリス~和風の国~
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●永遠の森に二人のジャバウォック
そこは静かな森だった。誰にも邪魔をされることのない、私と貴方の――。
小山内 海
は気が付いたらその森に居た。夢であることはすぐにわかった、何故なら海は今まで着たこともないような襟元に可憐なレースが付いた白の袷に緋袴を身に付けていたし、何より隣には大きな赤い鬼が居たのだから。
「海」
そう呼ばれた瞬間、海はこの赤鬼が
御剣 刀
だと気が付いた。二本の角を生やし、3メートルはあろうかという巨躯を海と目線を合わせるようにしている優しい鬼……素顔を面で隠してはいるがその切れ長の美しい瞳は刀のものだった。
その姿に少しびっくりしてしまったけれど、刀と一緒なら夢の中とはいえどんな世界でも安心だと海は思う。それから、不意に連想ゲームのように自分と刀の役どころを考えた。鬼……怪物……そしてここは森だ、もしかしたらジャバウォックなのかもしれないと思い立った瞬間、直感する。――自分達は二人で一つのジャバウォックなのだと。
「俺もそうだと思う、海」
刀も同じ思いだったのだろう。海がその声に頷くと自分達がこの森でどうやって過ごし、生きてきたのかを思い出す。巫女であり声を失ってしまった海を鬼である刀が守り、静かに暮らしてきたのだ。不思議な事に、海が刀に向けて心の中で語りかける「声」は確かに刀へと伝わっていたので不自由はなかった。
時折、海は巫女である証……鬼である刀に必要とされているその証を欲しがり、刀はそれを叶えた。安心させるように、どこにも逃がさないようにと優しく抱きしめ、自分の物だという印を付けるように海の白い首筋へ牙を立てて傷痕を残す。巫女のどんな願いでも一番に聞き、すぐに叶える為にと刀は海の傍を離れず二人は常に共にあった。
そしていつしか、この森には巫女と鬼……二人で一つのジャバウォックがいると語られるようになったのだ。
誰にも邪魔されず静かに暮らせればそれでよかったけれど、稀に人が訪れることもある。それはただ通り過ぎるだけの者であったり、海の巫女としての力を頼る者であったり、力試しとばかりに襲い掛かってくる者であったりと、様々だ。
時に強大な力は崇拝の対象となり、恐れの対象となり、駆逐の対象となりえることを二人はよく知っていた。
『刀くん、なんだか騒がしい……』
「あぁ、森の入り口の方からだな。……よそ者の気配がする」
森に済む動物達の気配や風の匂い等でそれを察知すると、刀はその鬼の腕に海を乗せる。落とさないように、傷付けないようにという配慮が垣間見える仕草にまるで宝物にでもなったような気がして、海は小さく笑みを浮かべた。
「どうかしたか?」
『ううん、なんでもないの。刀くんと二人で、幸せだなって思っただけ』
そうか、と刀が笑う気配がして、海は浮かべた笑みを深くする。ゆっくりと立ち上がる腕の上、落ちないようにとしっかりつかまったことを確認すると刀は森を訪れた者のもとへと歩き出した。
『今度はどんな人が来たんだろう?』
「前に人間が来た時は力を貸して欲しいと言う奴だったな」
二人のジャバウォックは強大な力を持っていたけれど、決して自ら人や世界を傷付ける事はない。二人の平穏を脅かす者、巫女を害する者以外には、だが。
「大丈夫だ、安心しろ。俺が傍にいる、もしも海を傷付ける者ならば力ずくで追い払う」
『うん、大丈夫。信じてるから』
いつだってそうやって二人で生きてきたのだ、これからだって。そう思いながら海は刀の、鬼の胸に頬を摺り寄せた。
森の入り口近くまで来ると、一人の剣士がそこに居た。
「この森に何の用だ」
「お前がジャバウォックか!」
『私達が、だよ』
そう海が訂正を入れるけれど、その声は剣士には聞こえない。きっと剣士には巫女が鬼に囚われた可哀想な少女にでも見えるのだろう。
「この森に巣食う悪鬼を退治しに来た! いざ尋常に、参る!」
人のいう事など聞かないタイプなのだろう、さっさと倒して森の中へ戻るに限る。そう思いながら海は刀のその広い肩へと移動した。戦う時は海が的確な指示を出し、それに刀が従うという戦法をとっている。そうやって、彼の背中を守っているのだ。
剣士が太刀を抜き、ジャバウォックへと向ける。その太刀は今までに見た物とは違い、切っ先が酷く鋭い気がした。そして二人は直感する、これはヴォーパルの剣なのだと。強大な力を持つジャバウォックがただ一振り、ヴォーパルの剣に倒されるのはアリスの物語の筋なのだろう。
『だけど』
「あぁ、そうだ」
ただ決められたストーリー通りにやられるつもりなど二人にはなかった。剣士が振るうヴォーパルの太刀はゆっくりと刀の体力を削いでいくけれど、致命傷には至らない。剣士の攻撃が刀へ向かう度、海が避ける方向を、その拳を奮う先を示すのだ。海を庇いながら戦っているとは言え、鬼である刀の攻撃力は高く剣士の攻撃を払いのけ、障害物を力任せに殴り潰していく。
「ふざけるなよ、人間! 俺達がこんな物で負けるものか!」
『刀くん、左からの剣戟を下がってかわして。それから回り込んで一撃を!』
鬼の咆哮が森に響き、その拳が振り下ろされる。ヴォーパルの太刀は弾き飛ばされ、剣士は利き手に負った傷を庇うようにして太刀を拾うと一目散に逃げていく。
『大丈夫? 刀くん』
「あぁ、これくらいすぐに治る。勝ったな、ヴォーパルの剣に」
『えぇ、だって私達は二人で一つのジャバウォックだもの』
一人なら無理だっただろう。独りなら、心が折れていただろう。けれど海と刀は二人で一つのジャバウォックなのだ、簡単にやられたりするはずもない。
けれど、と海はそっと思う。もしヴォーパルの剣に倒されていたとしても、終わりも全て刀と一緒なら何も怖いことなんてないのに、と。
「帰ろう、海」
お面の奥の瞳が優しく揺らめいているのを見つめながら、海は頷く。刀の腕に座り、来た時と同じ様に森の奥へとジャバウォックは消えていった。
そこは静かな森だった。誰にも邪魔をされることのない、俺と君の――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
加持蜜子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月14日
参加申し込みの期限
2015年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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