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真夜中アリス~和風の国~
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●花より団子、大胆不敵、人間万事塞翁が馬?
彼女は美味しそうなモノに目がなかった。花も恥らう15歳、乙女と呼んで差し支えない年齢だ。けれどそんなことよりも美味しい物の方が
神薙 焔
の興味を引いた。そう、この夢の中……和風な『不思議の国のアリス』の世界の中でも焔の興味を引いたのは、自分が着ている大正浪漫溢れる白地に赤の矢絣の小振袖と臙脂の袴ではなく……『私を飲んで』と書かれた瓶だったのだから。
焔がここは夢の中だと気が付いたのは文机の上にあった瓶を手に取った時だった。衣装は赤色だけど自分はアリスで、赤色のアリスなんてあたしらしいじゃないの! なんて思ったりしたけれど、それよりもこの瓶だ。
「私を飲んで、ね……まさしく不思議の国のアリスだわ。それじゃ、いただきます!」
お話の中ではチェリータルトとカスタードパイと七面鳥のローストと、あといくつか混ぜたような味だったけど夢の中ではどんな味がするのだろうかとわくわくしながら瓶に口を付け、傾ける。不思議な色をした液体を飲み干すと、焔は舌でペロリと唇を舐めた。
「うーん、これは……水羊羹と白桃とおはぎと鴨鍋とおこしと炊きたての白米のご飯を混ぜたような味ね!」
美味しいのか美味しくないのかよくわからない感想ではあったが、焔は満足そうだ。いつの間にか、身体が縮んでいても、だ。
「確か机の下には箱が……あったあった」
ストーリー通りなら、瓶が置いてあった机の下にはケーキの入った箱があったはずと焔は文机の下を探す。目当ての箱はすぐに見つかり、中を見ると食べてと焼印が入ったカステラがあった。全部食べてしまいたかったけれど、そうすると今度は大きくなりすぎて外に出れなくなることを知っていたので少しずつ調整して口に運ぶ。
「うーん、全部食べちゃいたい……けど今が庭に出るにはベストなサイズなのよね」
泣く泣くカステラを箱に置くと、庭へと続く扉をくぐる。その先ではとてもカラフルな芋虫に会って、大きくなったり小さくなったりするキノコのことを教えてもらうことが出来た。そのキノコもとても美味で、少しずつ食べながら身長を調整していく。
「よし! これがあたしのベスト身長よ!」
いつもの身長より10センチ程高め、目線も少し違って気分がよくなった焔は芋虫にお礼を言うといい匂いがする方向へと歩き出す。向かった先は大きな木、その下ではお茶会が開かれていた。流れるようにお茶会に参加して、点てたばかりの抹茶と練り切りに舌鼓を打つと、
「待ってなさい、まだ食べた事のない美味しい食べ物たち!」
と次なる美味しい物を求めて大きなお城を目指すのであった。
大天使 天吏
は酷く憤慨していた。ここが夢の中で、不思議の国のアリスの世界で、和風めいているのは別に良かった。着ている衣装が赤い花の刺繍がふんだんに施された花魁風の着物ドレスなのも百歩譲って良しとしよう。……正直重たくて動きにくかったけれど。左目の眼帯が花魁風ドレスに合わせたような華美な物になっているのも、まぁ良い。何よりも鳥を愛する天吏が気に入らなかったのは。
「どうしてよりにもよってフラミンゴでクロッケーしたハートの女王に私がならなくちゃいけないの?」
これが漫画ならば背後に『ぷんすか』と書き文字が入る程、天吏は憤っていた。普段はそれ程表情をあらわにしない天吏が見てわかる程にピリピリしているのを感じて、家来達は粗相がないようにと普段の何倍も気を使って女王へと声を掛ける。
「女王様、手のマッサージなどはいかがでしょうか? その後は爪を女王様のお好みでお飾り致しましょう」
「……いいわ、おやりなさい」
鳥をいじめる猫やテオに味方してクローネに敵対する人間も天吏は大嫌いだけれど、ここにいる家来達は人の形をした者もいるけれど動物が擬人化したような姿の者が多かったので憤慨した気持ちをぶつけるのは止めておいた。幸い、猫はいなかったし。
「女王様の手はまるで絹のような滑らかさでございますね、爪も真珠のよう。爪紅も致しましょう、女王様のお好きな模様を入れる事もできますわ」
家来のおべっかに天吏の心は動かなかったけれど、ネイルアートには少し興味が沸いた。どんな模様でも描けるなら、鳥の模様も描けるのではないかと思ったからだ。
「じゃあ、鳥を。黒くて強いカラスを描いて頂戴」
「カラス……でございますか?」
「そうよ、二度も言わせないで」
申し訳ございません、と頭を垂れた家来はすぐに紅い爪の上に細い筆で黒い線を走らせた。それは魔法のように天吏の爪先に美しい黒い鳥を描き出す。家来が筆を置き、上から重ねるように透明なネイルを塗り乾かす為に扇で風を送る。
「お待たせ致しました、出来上がりでございます」
「なかなかいいわね、気に入ったわ」
ほんのり見せた女王の微笑みに、家来達は嬉しそうに頭を下げる。爪の先に舞うように描かれたカラスの絵は天吏が見たクローネに似ていて、天吏の機嫌は格段に良くなっていた。だから、彼女は家来達が促すままに庭へと足を運ぶ事にしたのである。動きにくい衣装の裾を家来達に持たせながら。
「俺、なんでこんなとこにいるんだろう……」
美しい和風庭園に突っ立ったまま、
夢呼・ステイシー
は呟く。明らかに夢だとわかってはいるけれど、どうして目の前に白い椿があって足元には筆と紅があるのか。そして自分はどうして和風の柄とマークが入ったトランプ兵になっているのだろうか? 夢ならばもう少しまともな役どころがあったのではないでしょうか、神様……。
そう一息に心の中で言い切ると、隣に居たトランプ兵が胡乱な目で夢呼を見た。
「おい、何してるんだ。早く塗らないとどうなっても知らないぞ?」
「え?」
「寝惚けてるのか? 間違えて植えられたこの白い椿を女王様が来るまでに赤く塗らないと、首を飛ばされても文句言えないって言ってるんだよ」
夢呼は目を瞬かせる。夢の中で寝惚けているのかとはこれ如何に、じゃない。処刑? ……まっさかー、なんて思ってみるけど他のトランプ兵は必死で塗っている。冷や汗が夢呼の首筋を伝う。いくら夢の中とは言えど、処刑なんてごめんだ! そう思った夢呼の行動は早かった。
「うおおおおおよくわかんねーけど、死にたくねええええええ!!!」
「その意気だ!俺も死にたくない!」
その後はひたすら塗った。超本気で塗った、パッと見て絶対ばれないように!! 必死で塗っていた夢呼だったが、ふと途中で眼鏡の奥の瞳を細めながら自分の右手を見た。
今まで必死で気が付かなかったけれど、なんで筆なのだろうか。しかもこの筆、極細タイプで物凄く塗り辛い。
「時間かかってしょうがねぇっての! あっでもコレ考えたら負けなやつだ、勢いでいくしかないやつだ……!」
もう一度、夢呼は塗って塗って塗りまくった。それは体力との勝負だった。ただ、彼には体力と呼べる物は余りない。
「なんていうかさぁ……俺みたいに体力のない奴、長々立ち仕事するのはむいてねーんだよ……! つ、疲れたああああ!」
ようやく終わりが見え、最後の一本になった頃。高らかに法螺貝の音が鳴り響く。
「女王様のーーーーおなーーーりーーー!!」
「まじかよぉぉぉ!!」
トランプ兵たちの顔が青ざめていく中、夢呼の顔も漏れなく青ざめていた。
「ねぇ、なんでそんな悲愴な顔してるの?」
「なんでって、そりゃ女王様に処刑されるからで……って君、どこから」
「そこの壁に穴が開いてて、そこから」
いつの間にか夢呼の隣にいたのは、美味しい物を求めてやってきた
神薙 焔
だった。焔は夢呼の話を聞きながらも何か美味しそうな物はないかと辺りを見回している。
そうこうしているうちに、庭園に下りてきた女王である
大天使 天吏
がそちらに気付く。
「あら、あなた……アリスね?こんにちは、庭にスポーツでもしにきたのかしら?」
「スポーツ? いいね、あたし体を動かすのは好きなんだよね」
夢呼は話を聞いてくれた少女がアリスなのかと思いつつ、なんだかアリスに友好的な女王を見て、意外といい人なのかもしれないと考える。他の家来達は女王の声を聞き、クリケットならぬ羽根突きの用意をしていた。
「ちょっとお待ちなさい! その鶴は何? まさか鶴を羽子板にするつもりじゃないでしょうね?」
「は、はい女王様。これは由緒正しいこの城のスポーツ、鶴の羽根突きでございまして」
「切腹!!!」
鳥を愛する天吏には夢の中でもそんな事は気分が悪くてできる訳もなかった。即座に切腹を申し付けられた家来はどこかへと連れ去られていく。
「や、やっぱりこえぇ……!」
「何か言ったかしら、そこのトランプ兵! ……あぁ、丁度いいわ。あなた鶴の替わりに羽根突きの羽子板におなりなさいな。逆らったら切腹よ」
切腹の一言に夢呼は涙目になりながら固まる。切腹よりはまだ羽子板になる方が……いやいやいやあり得ないって、などと顔面蒼白になりながら考える。
「アリス、待たせたわね。人間を使った羽根突きをしましょ……アリス? あなた何をしてるの?」
「え? あぁ、お腹空いたなって思ってたらこんな所に美味しそうなモナカがあって、つい」
もぐもぐと口を動かすアリスの手元には鳥の形をした芸術的なまでの美しさを見せるモナカが。
「……いっそ私に喧嘩でも売ってるのかしらって思えるくらいね。もういいわ、アリスもそこのトランプ兵も、全員切腹よ!」
「え?これ女王様のモナカだったの? でもちょっと食べたくらいで切腹って」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ、アリス!」
ついでとばかりに切腹を言い渡されたトランプ兵もとい夢呼が焔に叫ぶと、焔はいい笑顔を返した。
「こういう時はどうするか、知ってる? トランプ兵さん」
「えっ?」
「三十六計逃げるに如かずって言うのよ! 首から上がなくちゃ美味しい物を食べられないものね!」
「君は最後までそれ!?」
焔が夢呼の腕を掴んで走りだす。後ろには天吏に命じられた沢山のトランプ兵達。走り出したその先にはまだ見ぬ美味しい物が――!
「って目が覚めちゃった! あたしまだ美味しい物食べ足りてないのに!」
「ほんとに、なんて夢……」
「良かったーー! 夢だと思ってたけど、夢で良かったーー!!」
目覚めの言葉は、三人三様だったようで。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月14日
参加申し込みの期限
2015年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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