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真夜中アリス~和風の国~
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●花鳥風月、猫に木天蓼、純真可憐
足首まである赤く豪奢なスカートが覗くそのドレスは着物とゴスロリを合わせたような、一般的に和ロリと呼ばれる衣装だった。柄は美しい自然をモチーフにした物で上品な物。そしてその衣装を身に纏っても遜色ないスタイルと美貌を持つ彼女は、鏡の前で溜息を吐いていた。
「もしかして、ハートの女王様ってわけ……? 私が……?」
気が付けばハートを模した玉座に座り、周囲の者からは女王様と呼ばれていたのは
城山 水樹
だ。余りに唐突な出来事で、化粧を直したいと姿見がある部屋へとやってきたのだ。自分の姿を見れば、なんとなくの役どころは把握できた。何より女王様と呼ばれどこか恐れられていたのだから。
「もしかしても、もしかしなくても……誰彼構わずに死刑! とか絶叫しちゃう、あの……?」
鏡の中の顔は、あちゃーというような苦々しい表情を浮かべていた。アリスの世界で和風なのは理解できたけれど、どうして自分が物語を読んだ時にも思ったイタい人物にならなければいけないのだろうか。
「ん、でもここは夢の中だし……何も元ネタに忠実である必要なんかないわよね」
うん、よし! と、ちょっと脱線気味な思考に至ったけれど、自分がどう振舞うかは自分で決めるものだと水樹は頷いて部屋から玉座へと戻ることにした。
そうと決まればまずひとつ。むやみやたらに死刑とか叫ぶのをやめにすること。ちょっとした粗相でも飛び上がるような勢いで謝ってくる家来に、
「気にしなくていいわ、これから気を付けなさいね」
とでも言おうものなら、何か悪い物でも食べたのかとでもいうような表情を向けられて、水樹は何度目かになる溜息を吐いた。いったい今までどれだけ女王様はアホなことをやってきたのかと、考えるだけでもますます頭が痛くなる。
「はぁ……頭痛いわ」
思わず頭を抱えてそう言うと、家来達が一大事とばかりに水樹を寝室へと運び込み、主治医まで現れて絶対安静を余儀なくされてしまうのであった。
青く広がる空の下、樹の大枝に器用に寝そべっているのは尻尾の先が白いロシアンブルー風の小柄なチェシャ猫……
黒谷 エイミー
だ。首には赤いちりめん生地に桃色の鈴が付いた首輪がアクセサリーのように付けられている。
ぐうっと伸びをする度に、ちりんちりんと可愛らしい音が風に乗って流れていく。ゆらゆらと揺れる尻尾は彼女の退屈さを表しているようだった。
「んにゃーー、誰も来なくて暇だよっ! 誰か来てくれないかなっ、そしたらチェシャ猫らしくいーっぱい悪戯してみせるのにっ」
つまらないと呟いた瞬間、彼女は猫の俊敏さでパッと顔を上げる。その顔は先程まで暇で死にそうになっていたものとは真逆の表情。何かいいことを思い付いた、そんな楽しそうな顔だった。
「そうだよっ誰もこないならボクが誰かを見つけに行けばいいんだよっ」
そう、チェシャ猫であるエイミーと遊んでくれる誰か、楽しませてくれる誰か。まだ見ぬその『誰か』を捜し求めて、エイミーは枝の上からくるっと一回転しながら飛び降りるとキャットウォークで歩き出す。
にんまりと悪戯っぽい笑顔を浮かべながら、お散歩気分で尻尾を揺らし、どんな悪戯をしようかと想像を巡らせる。
「チェシャ猫ってことはー、突然現れたり透明になったりできるってことだよねっ」
試しとばかりに、歩きながら透明になれっと念じてみると身体が周囲の風景と同化していくのを感じてエイミーは感嘆の声を上げた。
「これってなかなか面白い能力だよねっ! 体をバラバラにしたりもできたようなっ?」
自分の身体がバラバラになるのを想像して、エイミーはもし出来たとしても止めておこうと一人頷く。
彼女が誰かに出会うのは、もうすぐそこ。
水色の袷に藍色の袴、ピンク色のリボンが可愛らしい少し変わったエプロンドレス、それから焦げ茶の編み上げブーツ……そんな姿で草原に佇むのは
御巫 時子
だ。ここはいったい? 私は……そう首を傾げた瞬間、時子の目の前を着物姿で白兎が走り抜けていく。その手には少し大きな懐中時計が見えて、時子はここが夢の中でちょっと変わったアリスの世界なのだと気付く。
「私らしい夢ですね……」
そう言いながら、それならばウサギさんを追いかけてみましょうかと走り出す。白兎は着物姿だというのにすばしっこく、時子はいつの間にかその姿を見失ってしまった。
どこへ行ったのかと辺りを見回すと、畳敷きの台の上に丸いちゃぶ台が置かれ、座布団の上に座ってお茶を楽しむ人影が見える。壁のない和室のような場所でのお茶会とくれば、三月ウサギと帽子屋のお茶会に違いない。時子はそっと近付いて、声を掛けてみることにした。
「こんにちは、懐中時計を持った白いウサギさんを見ませんでしたか……?」
「やぁ、可愛らしいお嬢さん。白ウサギかい? 向こうの方に走っていったけど、それよりもよかったらお茶を淹れていかないかい」
顔を上げた和装の帽子屋を見て、時子は一瞬ドキッとした。帽子屋が、どことなく
五十嵐 尚輝
に似ている気がしたからだ。先生なら緑茶よりもコーヒーの方が似合いそうだと思いながら、勧められるままに空いている座布団へと座る。
「美味しいお茶を淹れますね……お口に合うといいのですけど……」
ちゃぶ台の上に並んだ沢山の湯飲みは大小様々で、時子は人数分の湯飲みに丁寧に淹れた緑茶を注ぐ。熱過ぎず、ぬる過ぎずな絶妙な温度とその味に三月ウサギとネズミ、そして帽子屋から絶賛の声が飛んだ。美味しいお茶とお茶菓子、そして珍しいお話はいつまでも楽しんでいたいくらいだったけれど、時子は白兎を追いかける為にごちそうさまでした、と声を掛けてお茶会を後にする。
帽子屋達に教えてもらった道を歩いていくと、尻尾の先が白いロシアンブルーのチェシャ猫……
黒谷 エイミー
に話し掛けられた。
「んにゃっ! やっと会えたよっ! 人だよっこんにちはっ! ボクはチェシャ猫、キミはっ?」
「え、えっと……アリス、と申します」
やっと人に会えたと興奮気味のエイミーにほんの少し戸惑いながらも、時子はお辞儀をしながら名乗る。エイミーはキミがアリスなんだねと嬉しそうにパタパタと尻尾を動かしながら、何かを思い付いたようににんまりと笑うと少しずつ透明になって、首だけになりながら時子の目の前でふよふよと浮いて見せた。
「きゃぁっ! だ、大丈夫なのですか……!? 首だけに、なっています……」
「にゃははっビックリしたかなっ!?」
「はい、吃驚しました……! ええと、その……首だけでも大丈夫なんですよね……?」
心配そうに見てくる時子に、脅かしすぎたかなと思いながらエイミーは透明にしていた部分を元に戻していく。
「にゃー、ごめんねっ☆ お詫びに、アリスと一緒に行ってあげるよっ! アリスと一緒なら楽しそうだしねっ」
「ありがとうございます、白ウサギさんが向かった方へ行こうと思っていて……あっちですね」
時子が指差す方向には、とても立派なお城のような日本家屋のような建物がある。二人はそこを目指して歩き出した。
遠くて近いような、近くて遠いようなその距離も一緒に歩く連れがいれば楽しいもの。あっという間に辿り着き、大きな門を見上げる。すぅっと息を吸い込んで、時子がその大きな門を叩こうとした時。
「にゃっ! アリス、こっちに抜け穴みたいなのがあるよっ。こっちから行ってみよっ」
「え、でも……」
「いいからいいからっ!」
エイミーが見つけた抜け穴に引き摺られるように時子も一緒に中へと入ると、そこは美しい庭園が広がっていた。広い庭のひとつひとつを眺めるように歩いていると、どこからか誰かを引き止めるような声が聞こえる。
「お待ち下さい女王様ーーー!!」
「待てと言われて待つ馬鹿がどこにいるのよ!」
そう返すのは、ハートの女王様である
城山 水樹
だ。具合が悪いと勘違いされて寝室にて絶対安静を言い渡されたけれど、余りの退屈さにお城の外へ逃げ出そうと脱走を試みたのである。
驚く時子とエイミーを視界の端に捉え、咄嗟に水樹は二人の腕を掴んで植木の影に身を隠す。
「あ、あの……どうかなさったんですか……?」
「なんだか追われてるみたいだねっ」
「ちょっとね、ここから外に出たくて。突然腕を掴んでごめんなさいね、見つかると厄介だから」
目をパチパチさせる二人に、水樹は頭を下げる。
「気にしないで下さい……! えっと、私はアリスです。こちらはチェシャ猫さん」
「んにゃっ、よろしくねっ」
「あなたがアリスなのね、それにチェシャ猫も! ふふ、私は……」
水樹が自己紹介をしようとした寸前、
「いたぞ、女王様だ! む、曲者も二名発見! 女王様をお助けしろ!!」
時子とエイミーを曲者と勘違いしたトランプ兵の声が響く。水樹が誤解を解こうと口を開いたけれど、響く太鼓の音にかき消されてトランプ兵達には聞こえない。
「女王様だったんですね……!」
「不本意ながら、ね。こうなったら巻き込んで悪いんだけど、一緒に逃げましょう!」
「んにゃっ、面白くなってきたよっ! こっちに入る時に使った抜け穴があるから、そこから逃げちゃおうっ!」
追ってくるトランプ兵をエイミーが惑わし撹乱しながら抜け穴へと走る。飛んできたトランプを避け、三人で抜け穴へと飛び込むと……そこには一面眩しい光が広がって――。
「……着物、か。来年の正月に着てみようかな」
「なんかっすっごく楽しい夢だった気がするよっ!」
「寝る前に、不思議の国のアリスを読んだから……? ふふ、次は鏡の国のアリスを読みながら寝てみましょうか」
目を覚ましたあともどこか続く楽しかったと言う感覚に、三人は笑みを浮かべたのだった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月14日
参加申し込みの期限
2015年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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