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はあ、はあ、と肩で息をしているのは
血陣 遵
です。
「まったく……何やらまた変なことに巻き込まれたみたいだ……」
不平げに言って、腕に巻いた包帯を調べます。
案の定、赤いものがにじんでいました。
それでも、追跡者を撒くことには成功したようです。しかしどうも途中でループしてしまったらしく、遵は見覚えの場所に戻ってきていました。
すでに遵は、ここが尋常の地ではないことを理解しています。冷たい熱を放つ薄紫の太陽が、決してあの場所から動かないということも。
パニックになってもおかしくない状況ながら、遵はどこか、冷静な我が身を自覚していました。
参道商店街にこの魔宮への入り口があったのだとすれば、巻き込まれたのは自分一人とは思えない。
誰か、同じ状況に陥っている人たちがいるはずです。協力し合えばここから脱することもできる……はず。
確証こそありませんが、その希望に遵は賭けているのでした。
「あれは人……かな?」
希望のあかりが灯りました。彼の前方、こちらに向かって手を振っている姿があります。走ってきます。背格好からして自分と近い年齢の少女のようです。
「やっぱり人がいたんだ!」
遵はすぐに手を振り返しました。
「おおい、こっち……」
少女は黒いワンピースを着ていました。ばっさりと前髪を揃えたロングヘア、赤い大きなリボンを頭につけております。
目鼻立ちは整っており、なかなか可愛いと言えそうです。
……虚ろな目をしてなければ!
「いひひひひひひ! もう終わりもう終わりもうおわりいいいい!」
少女は焦点の合わない目で首をほぼ直角に傾け、異常な言葉を口走りながらそれでも、ぞっとするくらい無表情なのでした。笑ってるのか怒ってるのか怖がらせたいのか、どれなんですか!(全部かも!)
「いひいいいいいいいいいいいい!」
彼女は口の端からヨダレ、もとい、黒い砂をざらざらこぼしています。まだヨダレのほうが可愛げがあるかもしれません。
声にならない叫びを上げ、遵は背を向けて逃げ出しました。
あれはまさに怪物でしょう。あんなものとデートするなんてごめんです。
怪物がそれほど早く走れないことを彼は知っていました。振り返り振り返り走ると、どんどん距離が開いていきます。
ところが、なんということ。
「あっ!」
遵は段差につまずいてどっと転んでしまいました。さらに悪いことに、居酒屋の横手に置いてあった空の酒瓶の山に突っ込んで、そのまま埋まってしまったのです。
ただの空瓶でも、こういう状況なら立派な障害物です。焦って脱出しようとすると、足がもつれてしまいます。
そうこうするうちに、
「いひひひひひひいいひっ……!」
可愛くない少女の可愛くない絶叫がどんどん近づいてくるのです。
万事休す。
そう思われた瞬間、ずぼっと音がして少女の胸が避けました。
中央からタケノコか、槍の穂先みたいなものが突き出してきたのです。
けれどそれはタケノコでも槍でもありませんでした。
それは氷、尖った氷塊でした。
少女は前のめりに倒れました。その瞬間崩れて、黒い砂とそれを入れる袋へと変化していました。彼女を貫いた氷塊が、落ちて粉々に砕けるのと同時でした。
「おや……血陣さんでしょうか。これまた妙な所で会いましたね」
その声を聞いて、どれだけ彼は嬉しく思ったことか!
「ソフィ君……!」
地獄に仏とはまさにこのこと、そこに立っていたのは正真正銘、本物のソフィ・C・リードホルムだったのです。
「どうして俺を襲ってくるんだ」
と問うたところで、誰も
市橋 誉
に答えてくれないのでした。
「もう駄目だ……もう駄目だ……」
このように日本語でつぶやいているのならまだしも、
「うっうう、うめうめうめうめ……」
大抵の連中はこんな風に意味不明のうわごとを口にしながら、夢遊病者のように足取りで誉に近づいてくるのです。
それにしても数が多い。奇怪な住民たちは、ざっと数えただけで十人はいます。逃げながら何人かは押しのけ、場合によっては倒したりしてここまで来た誉ですけれども、全員倒すのは難しいように思えました。彼らは着実に数を増しつつあるため、いちいち相手をしていたらキリがなさそうです。
そもそもこの商店街に、キリというか出口が、見つからないのですが……。
ともかくこれ以上接近されてはたまらない。やはり逃げるしかないでしょう。
角を曲がって誉は、そこに派手な光景を目のあたりにしました。
ハッ! という掛け声、
セイッ! 気合とともに正拳突き、
セアアッ! 跳躍とともに回し蹴り!
彼女は奇怪な集団に包囲されていました。彼女は、戦うことを選んだ模様。
蹴りに突き。拳に踵。
全身凶器のようになり、立ちふさがるもの背後に立つもの、すべて撃破していくのはジーンズにパーカー、頭にキャップというボーイッシュないでたちの少女でした。
よく日に焼けた褐色の肌、黒い髪、ナイフみたいに鋭い視線。
それらがすべて完璧なまでに噛み合い、野生の狼みたいな美に結実しています。
彼女の名は
詠 寛美
です。誉は彼女を知っています。
寛美は強い。次々と住民を黒い砂が詰まった袋へと変えていきます。けれども相手が多すぎます。寛美の背後で大柄な男が、ゆっくりと拳を振り上げ……。
けれども黒い男は、バランスを失って屈み込みました。
膝裏を強く打たれたのです。その瞬間、鍵盤楽器の夢見るような音色が鳴り響きました。
「一人では危険だ」
誉です。誉がその能力『奏でるもの』をつかって、蹴ると同時に音を立てたのです。誉の脚には鍵盤が描かれていました。
「詠、俺だ」
「市橋……!」
このとき誉を見上げた寛美の表情を、しばらく彼は忘れられないでしょう。やはり恐怖のただなかにあったに違いありません。彼女は潤んだ眼をして、それでも唇は喜びに震え、そして、
「市橋っ!」
むしゃぶりつくようにして誉に抱きついてきたのです。
抱きとめた寛美の肌は、ジャスミンの香りがしました。
けれどもそれは一瞬のこと、すぐに寛美は突き飛ばすようにして誉から離れると、
「お前もか」
取り乱した自分などまるで存在すらしなかったかのような口調で問いました。
「ああ」
誉もすぐに己を切り替えました。今は、再会を喜び合っている場合ではないのです。
誉の攻撃、それに同時に鳴り響いた鍵盤の音は予想外だったと見え、打たれた住民はもちろん、包囲した敵はたじろいで後退しました。
ですがこれも一瞬のことでしょう。すぐにまた迫ってくるに違いない。
焦りや恐怖は当然、誉のなかにもありました。けれどそれは表に出さず、彼は冷静に微笑むのです。不安は伝染するもの。わざわざ不安をかき立てる必要などありません。
「一人では危険だ。一緒に行こう」
寛美はうなずきました。
そしてふたりは、包囲の隙間を狙って飛び込みここから抜け出したのです。
薄紫の光に覆われた商店街を走ります。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月14日
参加申し込みの期限
2015年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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