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漁 良太
が異変を感じるまでには、いくらか時間がかかりました。
それというのも彼が、色々なことを考えるのに忙しかったからです。
「人参と豚バラに玉ねぎ袋入り、安ければジャガイモ、あと洗濯洗剤2キロのほう……人参と豚バラに……」
ぶつぶつと繰り返しているのは、良太が母親からお使いを頼まれた買い物の数々、メモを取ってくれば良かったのですが、「それくらい覚えられるって!」と手ぶらで家を出たせいで、彼はこのリストを呪文のように繰り返しながら歩くはめになったのです。
しかもそのリストを繰り返しつつも、良太の頭の中は最新号の『週刊少年にゃんぷ』のことで埋め尽くされていました。あの連載とあの連載の続きが気になるし、毎回一話完結のあれは絶対最初に読みたいし、最近ちょっとつまらなくなってきた看板連載にしたって、やはり気にはならないことはない。にゃんぷはお使いついでに買う予定なのでした。
というように頭がさまざまなタスクで一杯だったため、良太が異変を感じるまでには、いくらか時間がかかったというわけです。
「……ん?」
知らない路地裏に迷い込んだのか、最初に彼はそう思いました。
ここは参道商店街、目をつぶってていても歩けるくらい、熟知している道のはずです。おなじみの道のおなじみの時間帯、数え切れないくらい目にしてきたはず。
それなのに。
いつの間にか良太は、まったく知らない場所にいる自分に気がついたのです。
ここが商店街なのは間違いありません。まっすぐの目抜き通りがあるという構造も同じ。
ところが左右の店がまったく違います。八百屋ドラッグストア美容室に定食屋……いずれも見たこともないものばかりでした。島外の別の町にでも来たのかと疑ってしまいました。
知らない路地裏にでも迷い込んだのでしょうか。これだけ大きな道が路地裏というのも変な話ではありますが。
「あれ……?」
変だよな、と良太は呟きました。
歩いている人の数も、普段の参道商店街と比べると少ない。黒っぽい服を着た人ばかりで、夕陽を避けるように日陰ばかり選んで歩いているようにも見えます。
夕陽?
いや、そもそもあれは夕陽なのでしょうか。なにかおかしい。
良太が見上げた空は、奇妙に薄紫の光を放っていました。夕陽の上に、薄いセロファンを被せたかのような。
本能的に薄ら寒いものを肌に感じながら、良太は振り返ってきた道を戻ろうとしました。
途端、ぎゃっと声を上げそうになります。
彼の真後ろ、手を伸ばせば触れられそうな距離に、ビア樽みたいに太った中年の男性がぬぼっと立っていたのです。黒っぽい顔色の男性は、起き抜けのように無表情で真正面を向いています。なのに両の目玉は良太ではなく、真上に向けられていました。
しかもその男性が、出し抜けに腕を伸ばして良太をつかもうとしてきたではありませんか!
「え? なに? 何の用?」
良太は跳び退りました。自分の声が上ずっているのがわかります。どう考えても普通じゃない。
ところが男性はなにも答えず、「ぶわ」だか「ぬわ」だかよく判らない声を発すると、もぐもぐと咀嚼するような口をしながらさらに手を伸ばしてきました。
「ちょ、ちょっと! なんだよ!」
良太が下がっても、下がっても男性は迫ってきます。そればかりか、よたよたと早足になりました。口を牛みたいにもぐもぐさせたままで、です。その口の奥からザラザラというような音が聞こえてきたのも意味不明ではありませんか。
「来るなっ!」
はっきりとそう言って良太は背を見せました。駆け出します。
振り返ると男性が、口をもぐもぐ、さらにザラザラ、異常な様相で追ってくるのが見えました!
「なんだよあのおっさん!」
太ったおっさんなんかに負けるもんか! と、良太は全速力で逃げ出しました。
ただ、こうした場合当然「助けて!」と言いそうなものなのに、彼はそんな声を上げる気にはまるでなりませんでした。
周囲からもつぎつぎ、あの中年男性みたいな様子の人間がゆっくりと姿を見せ始めたからです。皆、どこを見ているのかよくわからない目つきです。こんな異様な事態が進行しているのに彼らは驚きもせず、そればかりか男性と一緒になって良太を追いかける者まで現れています。
絶対、おかしい。
とはいえ彼らは足が遅いようで、あっという間に良太は、奇怪な人々を引き離すことに成功しました。ところが彼は止まれません。
「うわ今度は犬かよ!」
さらには犬が追いかけてきたのです。チワワみたいな犬ですが、人間同様まったく生気がない。しかもザーっと、口から黒い砂をこぼしながら走ってきます。
良太は逃げます。走って逃げます。商店街の出口を目指して……それがどこにあるのかはわかりませんが。とにかく、逃げます。
「人参と豚バラに玉ねぎ袋入り、安ければジャガイモ、あと洗濯洗剤……」
なのに良太の口はいつの間にか、お使いの内容を繰り返しているのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
ホラー
SF・ファンタジー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月14日
参加申し込みの期限
2015年01月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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