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寝子召地蔵と流れ星の雨
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「二三! 二三ーーー!!!」
納 十一
は子供の悲痛な叫び声にはっと顔を上げた。たしか、その辺を……寝子温泉街のあたりをぶらぶらと散歩していて、川の水音が聞こえてふと目を逸らした先にあった、橋の袂の地蔵尊、寝子召地蔵にちょっと手を合わせて、そこから周囲の景色が一変していたことに頭がついていかず、しばし呆然としていた矢先の出来事であった。
ばしゃ、ばしゃと、溺れているように大きく必死な水音が十一の目の前から聞こえてくる。
「(うう、川の音ってやだな……ずっと聞いてるとなんか、苦しい……)」
道に迷ったのか、寝子島でよくある不思議な出来事に巻き込まれてしまったのか、とにかくこの不安な場所から出て早く帰りたいと辺りを見回す十一の視界に入ったのは、幼い子供が川に入って水面をかきわけながら何かを探す姿。どくん、と十一の心臓が跳ねる。あの子供に近づいちゃダメだ、何か苦しいことが待っている。困り果てている子供の姿を見て尚、そんな予感が十一の胸を支配した。
寝子召地蔵の涙の噂をぼんやりと思い出し、幼いころの自分がこのどこかにいるのだろうかと考えてしまったのがまずかったのだろうか。あの必死な姿はもしかして、もしかして。柄にもなく深く考えてしまいそうになるのを振りきって、十一がそっと視線を外そうとした瞬間、また声が響く。
「ねえ! ねえおにいちゃん! 二三知らない!?」
「……ふみ……?」
二三(ふみ)。知らない子供の口から聞く、知らない名前のはずだった。だが、十一の心はその響きに何故かひどく戸惑っている。十一の返事をちらちらと待ちながらも、子供はなお必死に川をかき分けて何かを探している。
「おにいちゃんも手伝ってよ! おれの弟なんだ、おれと同じ顔! ふたご!」
「う、えっと、し、知らない……」
本当に、あの子供が幼い十一なら。いったい幼い自分は何を探しているんだろうか、そんな疑問がまず十一の頭に浮かぶ。だがどんなに考えても十一にはわからなかった、そして思い出せなかった。滝が嫌いで、川も好きではない。あんなところに自分から入っていって、ずぶ濡れになりながらも探したい何かが、あの頃の自分にあっただろうか?
「(あたま……頭痛い……!)」
幼い十一が何度も弟と呼ぶ、二三の存在。そんなものは知らない、弟なんていない。だが、この胸をかき乱し騒がせる不安の正体は何だろう。ずきずきと頭が痛む。その痛みの向こうに、つかめそうで掴めない大事な記憶の欠片があるような気がする。だが、痛みは十一がそこへ手を伸ばすのを頑なに拒むのだ。
「弟……そんなの、おれにはいない!」
「おねがい、一緒にさがしてよ! 二三がしんじゃう!」
「やめろよ!!」
二三。十一はこれ以上、その名前を聞いていられなかった。川べりに上がり、駆け寄って袖を引こうとした幼い十一を、十一は直視出来なかった。とっさに動いたのは両腕、そんなつもりはなかったのに、十一は幼い十一を川に突き飛ばしてしまう。高校生の腕力では当然、幼い十一の身体は再び川に落ちていった。
「……ど、どうしよ……起こしてあげなきゃ……」
はっと我に返り、怖がっていたことも一瞬忘れ十一は目の前の川に足を踏み入れた。倒れた幼い十一を助け起こし、抱きかかえて河原まで連れ戻してやる。この子供が本当に昔の自分なのか、十一にはそれを確かめる手段も記憶もない。だが。
「二三……」
うわごとのようにその名を呼ぶ幼い十一を見て、ふと、頭の中にあったもやが少しだけ晴れたような気がした。
「……あ……」
瞬きを、ひとつ。夜は昼に。濡れてしまったと思った服と靴は乾いている。十一が願った通り、元に戻ってきたのだ。だが、十一の心は元通りとはいかなかったらしい。
「誰か、いたんだ……」
それは記憶という川の底に。
二三。幼い十一が今も諦めきれずに探し続けている、双子の弟。
父と母がそばに居ない理由。滝が嫌いな理由。十一の中でばらばらだった何かが少しずつ、少しずつ引き寄せ合っている感覚。
寝子召地蔵は、十一をどこへ導こうとしたのだろう。
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あとがき
担当マスター:
瀬島
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました、ブロンズシナリオ『寝子召地蔵と涙の川』お届けいたします。
ご参加、ありがとうございました。
星降る夜に出会ったあの日の自分と、うまく話は出来ましたか?
お楽しみいただければ幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬島
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月09日
参加申し込みの期限
2015年01月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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