サンマさん、サンマ星に帰る｜リアクション

サンマさん、サンマ星に帰る

●サンマさん捜索作戦

　その頃、博美はサンマ星のサンマさんたちに対して聞き込みを続けていた。
　とりあえず近くを歩いていたサンマさんAを捕まえて話を聞いてみる。

「あのーすいません、最近急に来た、若しくは、帰ってきた人を知りませんか？」

　姿かたちは同じに見えても、本人たちにとっては、違いがあるかもしれない。目立つ所があれば知っているかもしれないと思って聞いてみたのだが、帰って来た回答は思わしいものではなかった。

「さぁ？　それはわからないんだぜぇ。サンマさんは沢山いるからな」

　と、その時、後木真央がサンマさんAの背中に飛び付いて叫んだ。

「背中にファスナーがない、ということは本物のサンマの精霊なのだ！
　大爆発して焼きサンマを周囲に撒き散らし飢えた子どもを救うのだ！　
　救世主なサンマさんの技が見られるに違いないのだっ」

　真央は寝子島の寝子サンマさんとその他のサンマさんの見分け方を『背中にファスナーがあるかないか』だと推測し、行きかう大量のサンマさんの背中を確かめ始めた。

「寝子島でサンマさんは舞台で焼きサンマほかほかだったのだ。
　精霊さんたちならもっと華麗に魅せるに違いないのだ見たいのだ～」

　テンションマックスの真央は次々とサンマさんたちの背中をチェックし始める。

「寝子島のサンマさんは観光大使でヒーローなのだおネコさまの視線に負ける最弱ヒーローだけど日々漢気を魅せようと頑張ってるのだ！」

　しかし懸命の捜索にも関わらず、背中にファスナーのあるサンマさんはなかなか見つからなかった――