サンマさん、サンマ星に帰る｜リアクション

サンマさん、サンマ星に帰る

●ウェルカム・トゥ・ザ・サンマスター

　ようこそ。ここはサンマ星。
　初めてそれを耳にする者には謎多き星であろう。
　サンマ星とは何か、それは謎……
　だけど、細かいことは誰も知らない、気にしちゃいけない。
　なぜならここはサンマ星だからだ。
　
「えっと……ここは何なんでしょうか？？」

　訳も分からないうちにサンマ星にやって来てしまったアーサー・Ｔ・シートンは、妙な世界に流れ着いてしまったと、戸惑いを隠せないでいた。

　それもそのはず、自分が今立っている場所は月夜の砂浜で、何か催しでもやっているのか黒山の人だかりができている。
　そして、その人だかりはフツウの人間の姿ではなく、手足の生えたサンマたちなのだ。

　サンマたちは直立しているために、顔は真上を向いてしまっているが、夜空に上ったフツウではないサイズの大きなお月さまを眺めるのには、その姿の方が適しているのかもしれない。とアーサーは思った。
　ただし、足元がおろそかになってしまったらしく、あちこちでサンマ同士での衝突が発生し、時々転んだり口論が行われている。
　まるで変な夢でも見ているようだが、どうやら夢ではないらしい。
　
「また何気に飛ばされてしまいました……
　それにしても、喋る猫……どこかに行ってしまいましたですね。
　それにしても、ここは何なんでしょうかね？？」

　それは誰にも分からない。

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