サンマさん、サンマ星に帰る｜リアクション

サンマさん、サンマ星に帰る

　押し寄せる怒り狂ったサンマさんの群れから、なんとか逃げおおせた茉菜と斗南。
　ひとしきり走り回って落ち着いた後は、今度こそサンマさん探しをしようと、大量のサンマ相手に聞き込みを開始するのであった。

「寝子島のあちこちの道で、猫で山積みになっちゃった！
　これもサンマさんが『寝子島の観光大使』をさぼっちゃってるからだよ！」

「ファンの、ののこさんがサンマさんが居なくなっちゃったって悲しんでいたよ！
　戻らないときっと悲しさの海におぼれて死んじゃうんだよ！」

　などとトンデモな言いがかりや妄想を広める茉菜。

　と、その目の前をひときわ目を引く、虹色をしたレインボーサンマさんが通りがかった。
　よく見ればそれは、レインボーサンマさんの着ぐるみを着た刀の姿である。

「サンマさーん！　帰る気が無いならもういいよ。ここに居る方が心地いいんだろう？
　後は俺がやっておくから任せておけ！　寝子島の観光大使は俺が引き継ぐ、そして今以上に寝子島を繁栄させてみせるよ！
　だから観光大使を俺に譲るってハッキリと宣言してくれー！」

（これで駄目なら諦めよう、サンマさんの中にある寝子島は俺達を含め死んだんだ……）

　そう思いながら悲しみのあまり、はらはらと涙を流す刀であった。