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【それはとても柔らかな】
美味しそうなパイ屋さんを発見したのは、やはり数日前のこと。
伊予 祐
はまだ口には出せない大切な人──甘い物が大好きな
雪代 伊織
をこの店に誘う事に成功した。
その喜びのあまり、昨夜は全くもって眠れなかったのは秘密。
楽しみが浮き立ち、今日の出会ってからの妄想を重ねていたところで、
「待たれましたかっ?」
約束の時間5分前。焦った様子で遠くから彼女が走ってくる。
柔らかに、そして急ぐあまりせわしなく揺れるスカートの彼女。
祐の心は妄想的な非現実から更に遠くに行って、そして彼女が目に前に来て、やっと現実に戻ってきた。
「いや、全然大丈夫さ! それにまだ時間前だしな」
まさか心が急くあまり30分前から待っていましたとは言えず、しかも今までずっと心の中で幸せデートを妄想していましたとは更に口に出して言える訳もなく。祐は僅かに照れた様子を誤魔化すように、爽やかな笑顔を伊織に向けた。
「それになら良かったですわ。では……参りましょう!」
まるで甘味という名の戦場に向かうかのように、気合を入れてお店を見上げた伊織をエスコートするように、祐はお店のドアを開けた。
「おおう、パイだけでも色んな種類があるんだなあ」
「どのパイもとても美味しそうで目移りしてしまいますね……」
入った店内、そのメニュー量に圧倒される祐と伊織。
それでも、美味しそうな香ばしい匂いが伝わってくる。
しばしメニューと格闘していた伊織は、覚悟を決めたように顔を上げた。
「……かくなる上は──ここからここまで全部ください!」
「お……。なるほど、そう来たか。よし好きなの選んでくれ、奢るよ」
「え? いえ……っ! そんな訳には参りません!
ここは、数を減らして……!」
「大丈夫、大丈夫。俺の財布の外側は厚いんだ。支払いは任せろーっ」
「で、でしたら……」
戸惑いがちに注文を続ける伊織。
奢ってもらう事を全く視野に入れていなかった彼女は、祐に食いしんぼうと思われてしまってはいないかと内心とても恥ずかしく思ったが、口に出してしまった手前、もう引き返せない。
恥ずかしさに僅かに頬を染めながら注文を続ける伊織。
そして傍らで、ここで祐の懐の内側は、外側と違って針を刺すような痛みを訴えている訳なのだが、今そんな事を表に出しては、全てが台無しだ。
祐の中で、今日の主役は、彼女なのだから。
テイクアウト用に頼んだ大量のパイ群を前にしばし二人は沈黙する。
とてもイートインスペースに広げられる量ではない。
どうしたものかと思案した後、祐が決めたように口にした。
「折角の秋晴れだ、持ち帰ってゆっくり食べようか。
にしてもこれだけたくさんあると外で広げるのも大変だな」
「そうだ! 折角ですし私のお部屋でたべませんか?」
「え、家? マジで!?
いいのか?」
「ええ! お茶なら私でも入れられますし、もらってばかりでは悪いですもの!
……それとも、お嫌……ですか?」
おそるおそる伺うように上目遣いで祐を見る伊織。
「い、行かせていただきますとも!」
突然のお誘いに、祐の心臓は飛び出しそうなまでに緊張していた。
「(ちょっと息整える。ヒッヒッフー……よし大丈夫)」
実はあまり大丈夫ではないのかも知れない。
伊織は一人暮らしの女の子だ。祐が、今まで心配していないかと言われればそれには間違いなく否と答えただろう。
しかし、
「(これがパイ神様のご加護ってやつか)」
今回は、ついに緊張を通り越して、世界のどこかでは奉られている可能性も無くは無い、パイ神様のご加護を受けてしまった祐の方が若干心配ではある。
場所は、店からあまり遠くない星ヶ丘の2LDKのお洒落さが滲み出るマンションだった。
伊織がお茶を淹れている間、祐は座りながら辺りを見渡す。
部屋の中には分厚い英語の本が入った本棚や飾られた猫のぬいぐるみ等など。
特筆すべき派手な要素はなく、綺麗に片付けられた女の子の部屋という柔らかな雰囲気。
「(あ……いい匂いがする)」
それは、ダイニングの方で淹れている紅茶の匂いとも違う、甘いミルクのような、優しい優しい彼女の匂い。
二人で並んでパイを食べる。
同じパイを分け合う幸せ。同じ時間を過ごせる幸せ。
行儀良く、そして幸せそうにパイを頬張る伊織に祐は尋ねた。
「おいしい?」
「ええ、とても……!」
食べていたパイを飲み込んでから、満足そうに微笑む彼女。祐にとって、そのありきたりとも言えるかも知れないその返事が、一番の大切な宝物。
そんなやり取りをしてから、伊織は改めてパイ以外の状況に目を向けた。
「(今ふと気付いたのですが、私は今殿方とお部屋に二人きりですよね)」
そう意識してしまうと伊織は一気に緊張してしまう。相手とは一緒にお菓子を食べたり、旅行に行ったりもした仲であるのに。
しかし、伊織は緊張しながらも、どうして──こんなにも祐の隣が心地良いのかを考える。
パイに向けて食べる手をそのまま止めて。
「(この人の隣は、あたたかい気持ちになれます。
本当にもらってばかりで……いつかこの人に少しでもそれを返せるといいなぁ、なんて漠然と思って──)」
そんな伊織はふと、祐の目線に気がついた。
じっと、こちらを見つめる眼差しに目を合わせる。
……いつもよりずっと距離が近い。
降ろしていたパイを取るのを忘れていた伊織の細い手に、祐の手が重なる。
祐の方から寄せた顔は、見つめあう存在にとって睫が触れ合うのではないかと思うほどに近く。
この島に、まともな神様は今不在。
ならば、祈るのではなく……少しだけ勇気を出そう。
祐が心にして、僅かな間の後。ゆっくりと重なった二人の影。
そこで何があったのかは、二人だけの秘密……
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月28日
参加申し込みの期限
2014年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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