ざーざーてるてるぴっかぴか｜リアクション

ざーざーてるてるぴっかぴか

「それじゃあ、その赤坊主と戦っていたわけなんだね……」
　と情報を整理しつつ夏朝が歩いていると、バナナの皮を思いっきり踏みつける。バランスを崩す夏朝の上には桃坊主がふよふよ浮いていた。
「まずい！」
「えっ、てるてる……わぁぁぁ！？」
　咄嗟に助けようとした斗南だが掴んだのはスカート！　当然びたん、と廊下に転ぶ夏朝と斗南。晒される彼女の愛らしい猫さんパンツ。
「わ、悪りぃ。大丈夫か？……って、ねこさん？」
　立ち上がろうとした時、視界に入った物を見て思わず呟いた斗南。彼はおもいっきり突き飛ばされた。なんか、夏朝が纏っていた空気と違う。なんと！　再び人格が【夏夜】になっていたのだ。
「見たのかい？　……夏朝の猫さん（ぱんつ）」
「えっ？　あ……いや、その……」
　妙な空気が漂うなか、見つめ合う両者。しかし、次の瞬間、夏夜は怒りの眼差しで斗南と桃坊主に言った。
「……許さない。許すもんかぁあ！」
「えっ？　今のは事故だ！！　事故！！」
　夏夜が再び現れ、猫さんパンツを見てしまった斗南は殺気を向けられる。こうして、斗南は桃坊主共々夏夜に追いかけられるはめに！！
　そこへ丁度着替えをとりに行ったまゆと別れて桃坊主を探していた体操服の集団……酒浸朱蘭、ルーシー・R・マクミラン、郡トモエ、冴木竜司がその光景を目撃する。
「おおっ！　桃坊主見つけたぞ！！　今度こそ宴会に誘わねぇと！」
「陸上部の足とスタミナ、舐めんといて！　こんどこそじっとしてもらうよっ！！」
　嬉々として追いかける朱蘭。傍らにいたトモエも奮起し走り始める。ルーシーはルーシーでポニーテールを揺らし、いざという時は再びろっこんを使おうかと考えていた。
「うぅ、我はあの状態でも別に構わなかったのだが……」
　追いかけながらも難しい表情なのは、まゆから「ちゃんと体操服をきなさい」と言い渡されていたからだ。自分の身体が一級の芸術品を考える彼女にとって、体操服で身体を隠す事の方が恥らしい。
　そして復活した横嶋下心と七峯亨もまた目撃しており、下心はぱちん、と指を鳴らした。
「さすがだね！」
「仲間にしないなんて勿体無い逸材だぜ！」
「この戦いが終わったら、一緒にＰＥＣとしてエロを極めていかないか、と誘いたかったんだ！」
　下心と亨、まゆと離れた事でPECモードになった竜司は顔を見合わせると、彼らは飛んでいく桃坊主と斗南と共に走っていく。後ろでは正気に戻った体操服姿の咲が夏夜から事情を聞いていた。
「コイツらが夏朝のパンツを……！」
「つまりは変態ということだな。粛清してやるっ！！」
　どこをどうなったのか、夏夜の話を聞いた咲が桃坊主と斗南に鋭い眼光を見せる。そして、いつのまにか集まっていたPECトリオにもギロリッ！
「なんでこんな目に遭わなきゃいけねぇんだよっ！！」
「ふふ、それは乙女の純情を目撃してしまったからだよ同士！」
「よく考えてみれば、今回はまゆ先生の為に走っていたよーな気がする。けど、これも……愛の試練か？！」
「ともかく逃げるぞ！！」
　斗南に清々しい笑顔を見せる下心。その傍らでは竜司が首をひねり、亨が４人を急かす（因みに、亨は既に一度踏まれて天罰済みである事を付け加える）。桃坊主が先頭を切って突っ走っているものの、何故か塔ヶ崎璃亜がその先にいた。彼女はあの後も雨宿りの為に１年５組の教室にいたのだがトイレに行きたくなって出ていたのだ。あと細かい事は気にしてはいけないっ！

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