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うどんの白さにゃ敵わねぇのさ
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「やれやれ、ひと段落といったところかしらね」
瞬城 真魚
はテーブルを拭いて、軽くため息をついた。
焼いた餅を持ち込んで力うどんパーティを楽しんでいた一行は帰った。客が帰っても店の人間にはやることは多い。ひと通り後片付けをして掃除を済ませると、そろそろ閉店の時間だった。
「そろそろ店じまいかしらね……今日は騒がしい一日だったわ」
それでもUWO事件の解決を見た真魚の表情は明るい。
「ところでアレ、犯人をみんなで食べたってことになるのよね……警察的にはどうなんだろう……。
まぁ、もう通り魔事件は起こらないだろうし、いいのか……? あ、いらっしゃーい」
からからと店のドアが開く音。
もう客は来ないだろうと思っていた真魚だったが、まだギリギリ営業時間内だ、問題はない。客は一人でも多い方がいいのだ。
そこにいたのはくたびれた40がらみの中年男と女子高生――天利 二十と
綾辻 綾花
であった。
「……セルフか、懐かしいな」
天利は呟くと、慣れた手つきでうどんをザルにいれて湯掻く。うどんを丼に入れて出汁をたっぷりと注ぎ、サービスの天かすとネギをスルーした。レジで会計を済ます。
「……毎度ありがとうございまーす」
真魚は会計を済ませた天利と綾花を何となく眺める。店内に客は二人だけだ。
店のテレビからは夕方に起きたUWO事件の被害者と警察の対応について報道されているが、真魚はすでに事件が解決してしまっていることを知っている。奇妙な気分だった。
「……自分で言っておいてなんですが、依頼料がうどん一杯っていうのはいいんですか?」
綾花はテーブルに天利と向かい合わせに座り、自分はいくつかのトッピングをしたうどんを置く。
天利のうどんは本当にうどんと出汁のみのかけうどんで、料金にしてはそれこそ子供の小遣い程度の話だ。
「……ああ」
綾花は天利に光る猫と猫集会を探る依頼をして、自身もそれに同行する形でいくつかの事態を見ることができた。
天利が具体的に役に立ったかどうかは別として、依頼自体は成功と言えただろう。
依頼料をまともに取らない探偵――知ってはいたが、奇妙な感覚を覚える。
「……追加のトッピングくらい、自由に頼んでいいんですよ?」
学生である自分の懐具合を案じてくれているのだろうか、と綾花は思った。いくらなんでもうどん一杯を奢るお金くらいは余裕で用意しているのに、という想いもある。
しかし、天利はそんな綾花の違和感を無視して、丼の中のうどんを見つめた。
「いいんだよ、うどんはコレが一番美味いんだ……」
その顔は普段のやる気のない天利とは思えないほど嬉しそうで、まるで旧い友人に再び巡り会えたような表情を浮かべていた。
「……」
両手を合わせて口の中でひと言呟き、天利は割り箸を割った。
「……いただきます」
釣られて綾花も手を合わせ、うどんを食べ始める。暖かなうどんは9月の夜風に少し冷えた身体を芯から暖めてくれる。
美味しいということはもちろんだが、何というかほっとする、気持ちのいい味だった。
「……ちょっと聞いていいですか?」
綾花は口を開いた。
「……何だい、学生さん?」
天利は懐から煙草の箱を取り出して一本咥えた、火はつけない。紺色の箱に飾られた金色の猫のエンブレムが反射して、キラリと輝く。
「おやっさん、て誰ですか?」
「……」
綾花は先ほど、うどんを食べる前に天利が呟いた言葉を聞いていた。
『いただきます、おやっさん』
と、天利は呟いたのだ。このうどんを作った料理人に対する敬意だろうかと最初は思ったが、レジを打ったのは真魚だし、セルフうどん店だとうどんを作ったのは自分という感覚なので、おやっさんという言葉には違和感を覚えたのだ。
「嫌なら、答えなくてもいいですよ」
だが、天利は静かに口を開いた。
「……昔な。俺がまだ今よりもよほどバカで、今よりももっとどうしようもなかった頃、俺にうどんを喰わせてくれた人さ。
うどん屋の店主で、数年間だいぶ世話になった……俺がこの島に来る前の話……昔話さ」
その話が本当なら、天利は未だにその人物に対して恩義を感じているのだろう。そうでなければ、うどんを食べる度にその『おやっさん』なる人物に対して語りかけなどしないだろうから。
「……その人は、今どうしてるんですか?」
「……亡くなったのさ……年だったからな」
「……」
綾花は黙ってうどんを食べた。
一杯のかけうどんはすぐに食べ終えてしまえる。
ふと気付くと、『またたぎ亭』の営業時間は5分前に終了していた。
「おっと、もう閉店時間だったか、すまねぇな」
テーブルを拭く真魚に天利は言った。
「いえいえ、まだ大丈夫ですよ」
飲食店の場合、閉店時間だからと言って客を追い出すようなことはまずしない。食後に少し寛ぐくらいの時間を含めての営業時間なのだ。
セルフ店なので、もう会計は済ませてある。食べ終えた食器を返却口に下げて、天利は真魚に聞いた。
「娘さん……うどんは好きかい?」
どこかで聞いたような話に、真魚は軽く頷く。
「……別に嫌いじゃないですよ。まぁ、好きかって聞かれれば好きです。もちろん、家業っていうのもありますけど……」
真魚は返却口に置かれた天利と綾花の食器をチラリと見る。
「特に寒い季節は、うどんを食べた後のお客さんって、ほっとしたような表情をするんですよね。
そうして少しでもうどんの変わらない味を楽しんでもらえたら、嬉しいですねぇ」
天利はその答えに微笑を浮かべると、綾花に続いて店のドアをくぐった。夜の秋風は少し寒い。背中を丸めながら声を掛ける。
「美味かったよ、ご馳走さん」
真魚は答えた。
「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしてます」
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あとがき
担当マスター:
まるよし
ファンレターはマスターページから!
皆様こんばんは、まるよしです。
今回はラーメンに続いてうどんシナリオでしたが、いかがでしたでしょうか。
少しでも皆様が楽しめるものに仕上がっていれば、幸いです。
ストーリーの中核である事件とはラーメンやうどんは直接関係ないとも言えるのですが、何となくちぐはぐなコメディの雰囲気を出したくて、毎度あのようなシナリオガイドになっております。
『光る猫』の話は次回で終わりにしようかと考えています。また変てこなガイドで皆様にお会いできる時を楽しみにしております。
また今回は時間の都合もあり、個別コメントを大幅に割愛させていただきます、申し訳ありません。
ご縁がありましたら、またよろしくお願いいたします。
多くのご参加、ありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
まるよし
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月13日
参加申し込みの期限
2014年11月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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