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たんぽぽのラプソディ
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キャットロードの一角にある、寿司屋『笹寿司』。
その裏手の路地に、猫たちが集まっていた。
どうやら店で捌いた魚のアラなどを、大将が分けているようだ。
魚の匂いに群がる猫たちを、ビールケースに乗せられた板の上で見下ろしている、目つきの悪い痩せた灰色猫が一匹。
「こんなところにいたのか……探したよ」
通りの方からテオに声を掛けたのは、ドラッグストアの袋を提げた
伊賀 解理
だった。
『何の用だ』
面倒事を嫌ってか、テオはあまり歓迎していない様子で解理を睨む。
路地に入った解理は用件を話した。
ろっこんやもれいびに関して一番知識があるのはテオだろうという事で、彼女はテオに美弥子への説明をして貰おうと頼みに来たのだ。
『なんで小娘ひとりの為に、俺がそんな事しなきゃならないんだ』
案の定か、テオの答えはすげない。
「そんな事言って……これでどうだ?」
解理はちょこんと鼻の上に乗った眼鏡越しに目を細め、猫じゃらしをテオの前でフリフリして見せる。
テオの耳がピクッと反応した。
が、彼自身はそれがいたく気に入らなかったらしい。
『やめろ』
「やめて欲しければ黙って……来い!」
テオを確保しようと伸ばされた解理の腕を素早く避けて、彼はスタッと別の箱の上に降り立つ。
その攻防に、魚を食べていた猫たちがびくっと身を起こした。
「このダメ猫!」
不穏な空気と憎々しげな解理の悪態に、猫たちの多くがそそくさと逃げていく。
しかし、テオはその目をツイと細めただけだ。
『そのダメ猫に頼ろうとしたのは、何処のどいつだったろうな?』
「……ぐっ」
埒が明かない。
不毛な問答で時間を費やすより、今もきっと困っている美弥子の許へ向かった方が良いだろう。
地面を蹴りつけたい気持ちをぐっと堪え、解理はクラスメイトの為に長い白衣を翻して路地を引き返す。
解理の背を見送ったテオは、やれやれと言いたげな顔でその場に丸まるのだった。
「……わ……た……げ?」
木々の間を散策していた
黒依 アリーセ
は、低い樹木の枝葉に引っ掛かってふよふよ揺れていた綿毛を見付けて、摘み上げてみる。
その拍子に綿毛の塊からぽわわ、といくつかの綿毛が解れて辺りを漂った。
「やけにもこもこしてるけれど……タンポポの綿毛よね? これ……」
ここに引っ掛かっていた分だけで、アリーセの知っているタンポポの綿帽子の一輪分以上、量があるような。
「あら、あっちにも」
周囲を見回せば、同じように落ちたり引っ掛かっている綿毛らしきが点々と不規則に続いている。
(辿って行った先には、巨大タンポポが……なんて事があったりするかしら?)
アリーセはちょっとわくわくしたものを抱きつつ、包帯に覆われた左手に拾った綿毛を集めながら、その軌跡を追う事にした。
落ちている綿毛を探しているうちに、アリーセはなんとなく見覚えのある場所に近付いている事に気が付く。
「ここは……このまま登っていくと、落神神社だわ」
もう少し横に歩けば、石段がある筈……と向けた視線の先に、手を繋いだ女子生徒たちが駆け下りて来るのが見えた。
「雨寺さんに、串田さん?」
凛はアリーセのクラスメイトで、所属している軽音部の副部長でもある。
彼女が手を引いていた美弥子はといえば、相変わらず上半身にアリーセが拾ってきた綿毛らしきものを沢山付けたままだ。
「何かあったのかしら」
慌て具合も気になるし、綿毛の出所の手掛かりも得られるかも知れない。
アリーセは石段に出ると、二人を追って降りて行った。
石段を降り切ったところで、凛と美弥子はひと心地ついたように深呼吸する。
「ふー、ここまで追い掛けては来ないみたい……って、アリーセちゃん?」
凛が振り仰ぐと、今しがた自分達が降りて来た石段を、何故かアリーセが降りて来るのが見えた。
「二人とも、こんにちは」
「こんにちは。あれ、黒依さんも綿毛が……」
「え?」
美弥子の声にアリーセが自身を見回すと、黒く艶やかな髪の動きに合わせてぽわぽわと綿毛が漂う。
綿毛を拾い歩く間に彼女もまた、美弥子ほどではないにしろ綿毛少女と化していたようだ。
くすくすと笑い合って、アリーセは彼女たちにどうしたのか尋ねる。
「それが…………くしゅんっ」
言い掛けた美弥子のくしゃみに、またひゅるると風が吹く。
凛とアリーセの黒髪が軽くなびき、その表面を波打つように光が走る。
「ふふ、春の風は気持ち良いねぇ♪」
軽く髪を押さえながら笑う凛の脇で、美弥子は目を輝かせた。
「わー、いいなっ。二人ともきれいな黒髪で……とと、じゃなくて、さっきの話なんだけど」
一陣の柔らかな風が、春の匂いを乗せて吹き抜けていく。
「ん~。良い感じの風だなぁ」
跳ねた寝癖をそよがせて、
猫島 寝太郎
はてくてくと坂道を歩いていた。
いつもならこんな暖かな日は、縁側で猫と微睡むのが気持ち良いかも知れないけれど、今日は珍しく身体を動かしたい気分になったのだ。
それならついでに神社の掃除をしようかな、と簡単な掃除用具とポリ袋片手に裏山を通る道をのんびりと。
ハコベやスミレの仲間など、道端で摘んだ花は小ぶりなものが多いけれど、とても可愛らしくて目を和ませてくれる。
「もうすぐ4月も終わりだねー」
入学して数週間の日々は、あっという間に過ぎてしまった。
月が変わる頃には、このぽかぽかと包み込むような空気も爽やかなものに変わっているだろう。
夏の気配はすぐそこまで来ている。
残り少ない高校一年生の春を謳歌するように日差しを背に浴びながら歩いていると、落神神社へと続く石段の前に集まっている3人の女子生徒の姿が見えた。
(みんな芸術科の子たちかな? あれ、変顔の美少女……)
そのうちひとりは、委員を決めるホームルームの時に廊下を忍び歩いている途中に百面相を垣間見たアリーセだった。
何故か彼女も茶色い髪をお下げにした生徒も、白くてぽわぽわしたものを沢山くっ付けている。
どうしたんだろう、と思いながら近付くうちに、寝太郎の耳に彼女達の会話の一端が入ってきた。
その内容に、瞬きひとつ。
「え、変態さんが出たの?」
口をついて出てしまった呟きに、3人とも寝太郎の方を向く。
「あー……まあ、ある意味そういえばそう、かなぁ……」
黒髪の生徒のうち、明るく元気そうな少女――凛が、何処か困ったような笑みを浮かべて歯切れ悪く答えた。
「でも、他にも女の子たちいたのに置いてきちゃった……大丈夫かな」
茶色のお下げ髪の少女、美弥子は神社に残された女子たちが『彼』に苛められていないかと、心配そうだ。
「良かったら、自分が様子を見てくるよー」
「いいの?」
縋るようでもあり、ちょっと申し訳なさそうでもある美弥子の様子に、寝太郎は頷く。
「うん、元々神社に用があったから。ここで男は自分だけだしねぇ」
頼もしい人を見るような眼差しに見送られ、彼は石段を上り始めた。
神社の境内では聖と、なんやかんやで持ち前の世話好きを発揮してしまった時子が、お社の前にまばらに生えていた雑草を引っこ抜いていた。
「ふー、石段も地味にしんどい……ん?」
「こんにちは、いいお天気ですね」
「あ、こんにちは……」
やって来た寝太郎に顔を上げた聖に倣って、時子も挨拶する。
見たところ、境内には和やかに草むしりしている二人しかいないようだ。
「えーと、ここに変態さんがいるって聞いたんだけど……」
大丈夫だった? と尋ねる寝太郎に、聖と時子は顔を見合わせた。
それっぽい人物に一応心当たりはあったけれど、果たしてそう呼んで良いものか。
「大丈夫です。ここにいた方なら、もうお荷物を纏めて帰られたようですし」
ちょっと考えてから、聖はそう答えた。
実際、龍八は吹っ飛んで散乱した道具を回収すると、さっさと撤収していた。
「荷物? 野宿でもしてたのかなぁ」
野宿の変態さんといえば……と、本来ここにいた人物とは似ても似つかない胡散臭いおっさん像が出来上がり掛けるが、とりあえずそれは横に置いて。
「何もなかったのなら、良かった。下にいる子たちが心配してたからねぇ」
にこっとえくぼを浮かべて笑うと、寝太郎は彼女たちに伝えて来るねと石段を引き返して行った。
「下にいる子たち……」
「きっと、串田さんたちの事ですよね。私たちも行きましょうか」
時子の呟きに、抜いた草をゴミ袋に入れていた聖が告げた。
「どの道、日が暮れるまでに全部綺麗には出来ないですから……それでも御巫さんが手伝って下さったお陰で、捗りましたしね」
微笑んだ聖は、手を洗ってから持参したお神酒とミネラルウォーター、米と塩をお社に供えてお賽銭に5円玉を添え、作法に則って拝礼を行う。
「流石ですね……」
時子が感心げに眺めていると、彼女の肩に小鳥が舞い戻ってきた。
『おこめ、おこめ』
「小鳥さんはお米、食べるんですか……?」
『おこめ食べるのは、茶色いヤツ』
どうやらスズメの事を言っているようだ。
渋めの緑色を背に持つこの小鳥は、花の蜜や果物が好きらしい。
「随分、懐かれてますね」
「あ、はい……」
今度は時子が感心される番。
朗らかな笑みを浮かべる聖に、少しはにかんで応えた。
そろそろ仕事を終えて帰る人々も出てくる時刻か、通りを行き交う車の数が増えているようだ。
竹刀袋を背負った黒髪の少年は、何とはなしにそれを視界に入れながら、ランニングフォームで歩道を駆けていく。
やがて、メールの着信を告げた携帯電話を取り出して、しばし足を止める。
『了解』
短い返事を打つと、
御剣 刀
は最寄のコンビニへと進路を定めた。
「よろしくねー」
二文字の返信を表示する画面に呟いて、寝太郎は携帯電話をしまった。
普段は寝子島神社の方で剣術の練習をしている刀が、今日はこちらに足を伸ばすと聞いていたので、何か入用なものがあったらという彼の好意に甘えてスポーツドリンクやお菓子をお願いしたのだ。
それにしても。
「階段上り下りするだけでも、結構な運動になるよねぇ……」
この陽気の中で身体を動かすと、暖かいを通り越して暑いくらい。
額にうっすら汗しながら、彼はふぅと息をつく。
寝太郎が石段の下に辿り着く頃には、解理も合流して美弥子とアリーセにくっ付いていた綿毛を取ってあげていた。
「いやはや、くしゃみが強い時は風の範囲も広くなって、後ろに回り込んでも巻き込まれてしまうのか」
結んだボサボサの髪を、更にボサボサにしたまま解理はハンディモップで美弥子の輪郭を撫でていく。
「面白いくらい取れるね」
「便利な世の中になったものだよ」
自分たちが小さい頃にも同様のものはあった気がするけれど、性能は段違い。
大人しく綿毛を取って貰っている美弥子にまったりと笑みを浮かべて、解理はハンディモップをビニール袋の中に入れ、絡めた綿毛を振り落とす。
「神魂の影響、か……」
眠たげな目つきのせいでやる気なさそうに見える解理だけれど、落神伝説への興味から遥々寝子島高校に入学しただけあって、らっかみによって引き起こされた現象には興味津々だ。
そのうち後から石段を降りて来た聖と時子も加わって、綿毛はきれいに取り除かれた。
「あら……?」
何処かへ飛んで行った小鳥が、何か咥えて戻って来た。
美弥子の周りをくるくる飛んだものの、何か諦めたように時子のところに戻り、ぽとりと彼女の掌に落としてチチ、と鳴いた。
小ぶりで黄色い、スミレの仲間らしき花だ。
「綿毛より、花の方が似合うそうです……」
小さく笑って時子が髪に花を挿げてやると、美弥子は照れ笑いを浮かべた。
「あ、ありがとう」
「後はこれだな」
解理は自分が持ってきたティッシュで鼻をかんだ美弥子に、マスクを渡した。
「わ~、ありがとう!」
くしゃみの連続で敏感になった粘膜には有り難い。
「なんだかみんな集まっちゃったねー」
女の子たちの隅っこで、寝太郎がふにゃっと笑う。
立ち話もなんだし……と周囲を見回すと、長~い石段が目に入る。
「うーん、降りてきたところでまた上ってくのもちょっと……。
そうだ、その花畑に行ってみない?」
自分も見てみたいな、と彼女たちに提案するのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
コメディ
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年02月04日
参加申し込みの期限
2013年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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