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たんぽぽのラプソディ
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●ぽかぽか、ふわふわ●
時折流れてくる緩やかな風に揺れる草や花々を、くりくりとした瞳が追い掛ける。
人間からすればさして広くもない花畑も、小さな存在にとっては大冒険の舞台の真っ只中だ。
ひらひらと頭上を追い越していったモンシロチョウに気を取られ、茶トラの子猫は草に滑ってコテンと転ぶ。
「ふふ、にゃーくん色んなものに興味津々だね」
その後をポリ袋片手にゆっくり歩いて来たのは、
桜庭 円
だ。
不思議な花畑での顛末を耳にした彼女は、少し前に引き取った子猫のにゃーくんと一緒に花畑を訪れていた。
色んな草花の匂いを嗅いだり、前足でちょいちょいしながら探索を進めているにゃーくんを脇目に、円は綿帽子になったタンポポに目星を付け……。
「あら?」
何かが落ちている。
近くに落ちていたのは、スケッチブックとペンケースだ。
「落し物かな。……?」
更に花畑の隅っこ、木の根元の影にも黒い服っぽいものが落ちている。
「これ、ウチの制服だよね」
とりあえずスケッチ道具を拾って、無造作に畳んであるような女子制服に近付いていくと、先に到着していたにゃーくんがしきりに何か探っていた。
「にゃ? みゃ? ふにゃ!?」
聞こえてくる鳴き声は、にゃーくんのものより甲高い。
にゃーくんがしきりに鼻を押し付けてふんふんしたり、顔を舐めていたのは掌に乗るくらいの大きさしかない子供の虎だった。
「子猫? ……じゃない気がするけど、にゃーくんより小さい!」
「にゃーみゃー!」
にゃーくんと一緒に円に抱き上げられた虎の子は、懸命に何か訴えている。
「ちょっと待ってね。えーっと、こっちは……美弥子くんのだね」
円は制服を回収して軽く畳み、しゃがんだ膝に二匹を乗せるとスケッチブックをパラパラめくって描いてある絵や名前を確認した。
因みに美弥子の画力の方は、十代の学生としては至って普通だ。
(それじゃこの子が美弥子くん……な訳ないか)
自分の膝から滑り落ちて、近くの草花にじゃれついている虎の子をしげしげ眺める。
知らなければうっかり勘違いしてしまったかも知れないけれど、聞いた話では美弥子のろっこんは風を吹かせるものだった筈。
(うー、ちっちゃいせいか、あんまり力はないみたい……)
やたらちょっかいを掛けてくるにゃーくんに、虎の子――実はろっこん【とらとラ!】で変身した
虎渡 からん
――は前足をかぷかぷしてやったものの、にゃーくんはじゃれ合っているようにしか思っていないようだ。
何しろ今のからんは子供の虎、しかも掌サイズ。
変身した自分がどれくらいの能力があるのか色々試してみようと思ってここに来たものの、動物図鑑で眺めた勇ましい虎のような力は、やっぱりないみたい。
二匹のしましま模様は縺れ合って草の間を転がる。
「みゃー(あっ、たんぽぽ!)」
頭上でゆらゆら揺れるのは綿帽子に気付いて、からんは大興奮。
「にゃー! みゃみゃ……(わぁわぁ! すっごく綿毛大き……)っぷしゅ!」
ぶわわわわわっ。
(ふあぁぁぁぁ!!!? ふえたぁぁぁ!!!!!)
「あーあ、子虎くん綿毛だらけだよ」
ポリ袋に入れた綿毛にふーと息を吹き掛け増やして、にゃーくん用のベッドを作っていた円は、綿毛まみれで目を輝かせているからんに苦笑した。
(もふもふっ! もふもふすごいんだよ!!)
円はポリ袋をもう一枚出して、からんにくっ付いていた綿毛を詰める。
「子虎くんのベッドも作ってあげる。……よし、じゃあそろそろ行こうか」
ふかふかの綿毛ベッドに乗って運ばれていたからんだったけれど、自分にくっ付いていた綿毛がぽわわと離れていったのに釣られて円の腕から飛び降りる。
(綿毛っ……と、届かないー!)
「わ、子猫……?」
脇目も振らずに追い掛けていたら、目の前ににゅっとそびえる二本の足。
見上げると、マスクをした美弥子の顔があった。
「やっほー美弥子くん」
からんの背後から円の明るい声が聞こえる。
「こんにちは! この子、桜庭さんちの子? かわい」
言いながら円から視線を戻すと、虎の子は小麦色の肌に金の髪が眩しい裸の少女になっていた。
「……あっ!?」
「え?」
「え……?」
視界の高さと相手の表情に、からんは元の姿に戻ったと気付いた。
固まった美弥子の後ろに付いて来ていた少女たちも、戸惑いを見せる。
「きゃー!」
「うわぁー!」
「わぁ猫島さん、回れ右回れ右ー!」
「えっ、えっ?」
「子虎くん、服、服!」
叫ぶ美弥子とからん、最後尾の寝太郎は訳も分からずアリーセに方向転換させられ、円はからんに駆け寄る。
「……なるほど、そんな事があったのか」
ランニングがてら寝太郎に頼まれたものを届けに来た刀は、顛末を聞いて呟いた。
「いやぁ、お騒がせしちゃったな~」
ちゃんと制服を着たからんは、円に作って貰った綿毛袋片手にあっけらかんと笑う。
「綿菓子食べるー?」
「食べる!」
そして寝太郎が袋を開けて差し出したお菓子に、早速食いつく。
刀が買ってきたスポーツドリンクや聖が持ってきていたミネラルウォーターで喉を潤し、のんびり一休みといった雰囲気だ。
「はー、今日は短い間に色々あったなぁ……」
円に届けて貰ったスケッチブックを抱えて、美弥子は大きく息を吐いた。
「今日はお手柄だったね」
「お手柄?」
オウム返しの美弥子に、円はにゃーくんが寛いでいる即席綿毛ベッドを持ち上げて見せた。
寝太郎も大きめのポリ袋の口に綿帽子をかざして、息を吹く。
見る間に増えた綿毛は、口を閉じた袋を揺らすと中でふ~わふわと移動する。
「持って帰って枕クッションに詰めてみたら、春らしい夢が見られるかも知れないね~」
「タンポポの夢……」
アリーセは想像した。
(綿毛をいっぱい服に付けたら、串田さんのクシャミで飛べないかしら……。
ああ、でも綿毛だけ風で飛ばされちゃいそう。
せめて、綿毛自体が巨大化するか、私が小さくなれたら……)
綿毛に掴まって空をふわふわ飛ぶ姿を思い浮かべて微笑んでいるアリーセを、寝太郎は「楽しそうだなぁ」と眺めている。
「こうやって楽しめるのも、美弥子くんが神魂の影響受けたタンポポを、見付けてくれたからだからね。
ほら、ふかふか」
「にゃー」
子猫にまで同意っぽいお声を貰って、美弥子は「たまたま、だったんだけどね」と眉を下げて笑う。
「そうだ串田、まだもれいびやろっこんについてよく分かってないようだが……他の人のろっこんはもう見せて貰ったのか?」
刀の問いに、美弥子はうーんと唸る。
「みんな違う事が出来るっていうくらいしか……さっきの虎渡さんのも、そうなんだよね?」
実は時子も断続的にろっこんを発動して小鳥と話しているのだけれど、ナチュラルすぎてちょっと判別し難かったのかも知れない。
「まあ、実際に見せた方が早いか」
呟くと彼は徐に腰を上げ、突然手にしていた飲み掛けのペットボトルを遠くへ放り投げた。
頭の中で、撃鉄が落ちるイメージが閃く。
と同時に周囲の時間が酷くゆっくり流れているように感じられ、少し先をスローモーションのように横滑りしているペットボトル目掛けて走り出した。
目標を掴むと、その足で元来た方向へ引き返す。
「……えっ、あれ?」
刀にペットボトルを渡されてもぽかんとしている美弥子に、彼は口許を緩めた。
「す、凄く早く動けるのね……?」
「これでも、今日はそんなに早くない方だ」
ろっこんの効果の強弱は、もれいび自身の状態や一般人の目の有無も関わっているのだと、彼らは美弥子に教えた。
「私の力も見せてあげるね! こうやって右耳を触るとー……」
続いて凛が右耳に手を当てる。
『こんな事が出来るんだよ!』
「わ、私の声!?」
「……と、こんな力だよー」
美弥子のびっくり顔に笑みながら、左耳を触ると凛本人の声に戻った。
「私も最初は戸惑ったよ。
耳を触ったら猫の声になって、喋れなくなってびっくりしちゃったよー。
今はいい感じに使わせて貰ってるけどね!」
「私は以前から鳥さんとお話したいと思ってたので、話せた時は嬉しかったですね……。
知らない方の近くでは、驚かれるので気を付けてますけど……」
明るい凛の言葉に目を細め、時子も自分のろっこんについて語る。
「……ん?」
「み」
耳を傾けていた刀が視線に気付いて見下ろすと、にゃーくんが短く鳴いた。
(これか?)
「にゃあ!」
ポケットから煮干を出すと、尻尾をぴーんとさせて反応するので綿毛ベッドまで届けてやる。
「そんなに爪立てたら、袋が穴だらけになっちゃうよ」
煮干を前足で押さえてかじり出したにゃーくんに、円はそう言いつつ楽しげだ。
「私が能力に気付いた時は……」
アリーセが怪我をしていた猫に引っ掛かれて、あやす為に歌っていたら猫の傷が癒えたという体験を聞きつつ、刀は「そろそろ行くよ」と立ち上がった。
元々落神神社で剣術の練習をする為に来たのだ。
ランニング後の休憩も、充分に取れた。
「自分も後で行くよー」
まだ草むしりしてないし、という寝太郎に頷いて、刀は花畑を後にする。
(これだけ自分のろっこんについて話してくれる人がいるなら、僕のは説明しなくても良いか……)
なんて考える解理にとって、自分のろっこんは人前で教えるにはちょっと恥ずかしいものだった。
相手を好きだという気持ちを出力に変えて放つビームなんて、実演しようもないし。
解理の思いはいざ知らず、聖は感心げにみんなの話を聞いていた。
「最近起きている不思議な事は、そういう意味だったんですか……猫のテオ様は落神様なんですよね?」
「一応ね」
テオの事を思い出した解理は、ほんのりむすっとしたものを浮かべながら答える。
「では、助けて貰ったお礼をしませんと」
「あんな自己中な奴なのに?」
不満げな解理に、聖は穏やかに微笑んだ。
「神様には神様の理があります、テオ様が御自分の事情のみで動いていらっしゃったとしても、それで私達が助かっているのならお礼はするべきです」
テオ様、ありがとうございますと目を伏せる聖の考え方も、一理あるだろうか。
「ふーん……」
解理は納得いかないまでも、思案げに視線を落とすのだった。
「美弥子さんのろっこんは風を起こすので授業中は注意が必要ですが、急いでいる時などは後ろから風が吹くので早く走れるかも……」
「そ、そんな事出来るかな?」
アドバイスしてくれる時子に、美弥子は目を瞬かせた。
「自分でコントロール出来るように、練習が必要かも知れませんね……でも、ろっこんはその人にとって、大切な意味のある力だと思ってます……」
「そうだね。ろっこんは、自分自身みたいなものだし。
素直に、受け入れてあげれば良いのかも」
時子の言葉に頷いた円は、可愛らしくて美弥子くんらしいねという。
「そうかな~」
ちょっと照れる美弥子。
「変質者撃退とか、ちょっと涼みたい時とか便利そうじゃないかね!」
解理のやや力強い声に「……あ~」という反応が。
「どうしたんだい?」
「ん、まあ……ちょっとね!」
怪訝そうな解理に笑顔を返す凛や若干数名の脳裏に、誰かさんの顔が過ぎっていった……。
「で、でも! 工夫次第で人の役に立つ事も出来るんだよね」
美弥子は膝の上で拳を握り締める。
「前向きなのは、美弥子さんの魅力の一つです……」
何かあった時には相談に乗るという時子に、真面目な顔で美弥子は頷いた。
「うん、頑張ってみる!」
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シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
コメディ
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年02月04日
参加申し込みの期限
2013年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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