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【あこがれ】
閉じこもって一つのことに没頭するだけでは、何事も上手くいかないものです。ことに、創作における素晴らしいインスピレーションとは、頭の中で勝手に湧き上がるものではなく、外の世界に落ちているもの。
旅鴉 月詠
が美術館を訪れるのも、そんな理由からです。
もっとも本人は、
「気が向いたから。それだけ」
と実にクール、そっけないのですけれど。
月詠は展示されている絵の一つ一つを、様々な角度から、じっくりと眺めていきます。時には、その技法について考察しながら。時には、作者がその絵を描いた瞬間、情景へと思いを馳せながら。
特にまざまざとその光景を思い描くことができるのは、『灯台と秋雲』でした。
アマヨイカヲル作。今回の目玉として挙げられている三作、その作者の中では、唯一存命の人物です。もちろん月詠も、この絵と作者について、一通りの知識はありました。
今を生きる作家ということもあって、月詠にとっても想像しやすいところではあり、何より描かれているのは、自身も良く見知っている場所です。
自然、月詠の豊かな想像力は、彼女の意識を作者の心情へと投影し、空想のエノコロ岬へと降り立たせるのです。
見回せば、寝子島の誇る雄大な風景。周囲を海に囲まれ、向こうにはそびえたつ灯台。耳障りの良い波の音が、彼女の耳朶をくすぐり……視線の先には、どこまでも広がる青空。
(秋の寝子島といえば、この景色だね)
作者になりきる月詠は、そうだ、この景色を絵にしようと思い立ち、持ち歩いているスケッチブックにさらり、さらさら。目に付く全てを描き込んでいきます。
アマヨイカヲルの信条といえば、徹底した緻密さを追求すること。その技法は、彼女にとって単なる写真の代替物ではなく、彼女が愛するもの、人や風景、動物たち……全てをあるがままに、自分の手でキャンバスへと落とし込んでいくこと。その過程こそが彼女へ、この世界に生きているという、たまらない実感を与えてくれるのです。
見上げれば、青空の中で泳ぐ、無数の白いイワシ雲……いいえ、寝子島の上空にかかるこの雲は、まさしくサンマ雲!
「そういや今年は、サンマ、食べてないな……」
……なんて、作者が言ったかどうかはさておき。
(ま、勝手なイメージだけどね)
そうして想像してみることは、たとえ妄想であったとしても、その行為にこそ意味があるのだと。月詠は、考えるわけなのです。
「クールでオトナな女性は、芸術を嗜むものよね!」
というのが、つまりは
時高 クレオ
がここを訪れた動機です。
正直に言いまして、絵画や美術品のことは、彼女、あんまり知りません。こうして並んだ絵を眺めていても、いまひとつ楽しみ方というものが分からなかったりします。
(で、でもでも! 私だって、もう小学生の『女の子』じゃないわ。『大人の女性』なんだから……!)
背伸びをしたいお年頃。大人に見られたい、立派なレディとして見られたい!
とはいえ。自分の理想の姿が見えていることについては、前向きで大変よろしいのですけれど。
「へ、へぇー。この絵も、なかなか良いじゃない?」
なんて心にも無いことを口に出してみるあたり、どうにも彼女、カラ回っておりました。
周りに客の姿はあれど、クレオには一緒に鑑賞したり、感想を述べあったりする誰かもおらず、一人きり。いかにも興味がありそうなフリをするのにも疲れてきて、さすがに退屈し始めた……その時でした。
(……! な、なにこれ、すごい……!)
『灯台と秋雲』を目にした途端。にわかに、クレオの瞳が輝き始めました。
(写真みたい……これが絵だなんて。信じられないわ……!)
確かに一瞬、絵画展にどうして写真が? と思ったのです。けれど良く見てみれば……良く見なければそうとは分からない、この緻密さ。精密さ!
気付けばクレオは、まるで魅入られたかのように、この絵のことを知りたいという衝動にかられていました。やがては、
(どんな人なんだろう、これを描いた人って。他にも、作品があったりするのかな? 気になる……知りたい!)
なんだか無性に、そんな風にも思えてきます。
絵の下に掲げられているパネルには、ごく簡単な解説と、作者の名前が記されていましたけれど、クレオの興味はそこにとどまりません。
(アマヨイカヲルさん……どんな人なのかしら?)
もはや、大人の女性としての態度を取り繕うのも忘れて。
「……あ、あの! 良かったら、この絵について教えていただけませんか?」
「うん?」
思い切って話しかけた先には、想像を押し広げてインスピレーションの種を拾い集める、月詠がおりました。
「ええっ、アマヨイさん、寝子島に住んでいるんですか!」
「近年、こちらに移住してきたそうだよ。随分と気に入っているらしいね」
「わぁ……何だかそういうのって、嬉しいですよね」
屈託無く笑うクレオに、月詠は作者について知っていることを、丁寧に解説してあげています。
「彼女は多才でね。絵画の他にも、彫刻や写真。あまり知られていないけれど、書や版画、陶芸などの作品もある」
「すごい……! 私、ファンになってしまいそうです」
月詠の話へ真剣に聞き入るうち、クレオはすっかり、アマヨイカヲルに魅了されてしまったようです。
思わず、ついつい。
「クレオも将来は、アマヨイさんみたいに、いろんなことに挑戦できる大人になりたいな! ……っとと」
言って、慌てて口を押さえます。
自分を名前で呼んでしまうのは、気分が盛り上がったとき、ついつい出てしまう悪い癖。いかにも子供っぽくて、彼女としては、治さなきゃと思っているところなのですけれど。
それを聞きとがめもせず、笑い飛ばしたりもせずに。月詠はあくまでクールに、言いました。
「なれるだろう。君がそうと信じ続ける限り、いつか」
少しばかり小首を傾げたクレオに、月詠は『灯台と秋雲』へ視線を移し、
「美術を志すなら、誰しも少なからず思うはずだよ。『私でも描ける』、と。もちろん、そこに至るための技術は度外視してね。それは後から身につければいい。むしろそうあるべきだと、私は思うのだよ」
「えっと……どういうことですか?」
「『自分にも描ける。けれど、自分ならこう描く。こう描きたい』。そう感じることが、つまりは創作意欲というものだ。例え同じモチーフを選んだとしても、出来上がるものは、人によって違う。そこが楽しい……けれど始めようと思わなければ、そこへ至ることもない」
静かに語る月詠の横顔を、クレオは真剣な顔で、じっと見つめています。
なりたいと思うなら、なれると信じること。自分なりの風景をいつか描けると、思い続けること。
「ただし。君の思い描く風景は、アマヨイカヲルや私とも違った、君だけのものであるはずだね。君が、この絵と同じモチーフを与えられたなら……さて。君はどう描く?」
「……!」
くるり、振り向いた月詠を真っ直ぐに見返したクレオが、何だかどきりとしてしまったのは。
自分とそれほどに背も歳も変わらない、少女だとしても。きっとクレオには、どこか達観した月詠が、紛れも無い、落ち着いて大人な女性に見えたから。
クールな大人……クレオには、まだまだちょっと、遠そうではありましたけれど。
そう思い続けている限り、きっといつかは。
いつかは、クレオらしい……そう。大人の女性に、なれるはず!
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月28日
参加申し込みの期限
2014年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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