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【違う、ということ】
普段はあまり、訪れることのない場所。
(すごい……綺麗な絵が、いっぱい!)
左右で色の違う瞳をきらきらと輝かせながら、
姫上 雪兎
は、そのひとつひとつに見入っておりました。
正直に言って、絵画や美術にそれほどの興味はありません。けれど今日は、こうして目にも鮮やかな絵たちに、周囲を囲まれて。いつもはどこか眠そうに下がっている雪兎のまぶたも、心なしか、ぱちりと見開いているようにも見えます。
(……! なにこれ……すごい)
そんな彼が目を奪われたのは、
(『寝子島三夜湖猫釣之図』……)
浮世絵師、歌川猫麻呂の作でした。
機械の類を目にしたなら、ついついそれを分解(バラ)してみたくて仕方なくなってしまう。そんな雪兎が『猫釣之図』に心惹かれたのは、彼なりの理由があってのことです。
(絵のことは、良く分からないけど。綺麗だなぁ……いつも分解してる機械とは、全然違う。生きてないのに、生きてる感じ? が伝わってくる……)
機械も絵も、無機物には違いありません。けれど冷たく無機質な機械類とは違って、この絵の中には、何か……あたたかく息づいて脈打つような、生命のような力強さを感じるのです。
もともと、人気の高い絵ではありました。けれど、美術については素人である雪兎が、数ある展示物の中からこの絵に行き着いたのは、彼の持つ独自の感性のたまものであったのでしょう。
様々な色、柄の着物を着て釣りに興じる猫たちの姿に、がぜん楽しくなってきた雪兎は、思わず、
「ふふ、この猫たち、すごく楽しそう」
「……そうかしら?」
口をついて出た言葉に、ふいに反応を示したのは。ゴシック調の服に身を包む、雪兎とは同年代に見える少女。
隣で鑑賞していた、
三宅 葉月
でした。
葉月は、怪訝そうに首を傾げた雪兎に気付くと、
「あ……ごめんなさい」
物憂げな瞳を少し伏せて、小さく頭を下げました。
「ううん、別に良いけど……えっと。僕には、この絵の猫たち、楽しく釣りをしてるように見えたんだ……そうは思わなかった?」
雪兎の問いに。葉月はしばし、思案するようなそぶりを見せました。その表情はどこかアンニュイで、また不思議な空気を纏っていて……醸し出す、ミステリアスな魅力。
「……そう、ね。私はここに、良く来るの。この『四季彩展・秋』を見るのも、『寝子島三夜湖猫釣之図』も、今日で二回目……」
森繁美術館は、絵画を専攻する彼女にとっては、勝手知ったる庭のようなものだと彼女は言います。
そんな中、今回目玉として掲げられている三枚のうち、もっとも目を惹いたのが、この絵だったそうです。
「うんっ、この綺麗な色とか、すごく印象的だもんねぇ」
「ええ……そうね。でも」
いかにも楽しそうな雪兎に、葉月はどこか、まぶしげな視線を送りつつ。
「先日見た時には、私も、この色彩が強く印象に残った。色鮮やかで、まるで躍るような赤と青……」
「でも、今日は違う?」
雪兎の言葉に、葉月はこくり。
「歌川猫麻呂は、実はそれほど、猫が好きじゃなかったんじゃないか……って」
かの浮世絵師は、こうした猫をモチーフとした絵を、いくつも残しています。猫に人のような着物を着せたり、時には道具を持たせたり……そんな描写が、今日はなんだか、猫たちを見下しているように見えたと、彼女は言うのです。
「……まぁ、私の勝手な印象よ。あなたの感性が間違っているとか、そんなことを言うつもりは無いの。ただ……」
「ただ?」
ふう。ひとつ、ため息。
「スランプ、なのかしらね。こんなつまらない感想しか出てこないなんて」
いつの間にか、周囲には幾人かの客たちがやってきて、『猫釣之図』を鑑賞しています。
「うわぁ……!」
圧倒されたように、
岡野 丸美
は目の前の絵に見入っています。
「ビビッドなのにけばけばしくなくて、澄んだ色使いに惹きつけられたところで、この構図に、面白い! ってなって……」
「確かに、構図の妙だな。そうそう、九夜山から撮った三夜湖の写真もあるぞ」
「あ、見せて見せて!」
八神 修
がタブレットPCを操作すると、ちょうど絵と似たような角度から撮影された鮮明な写真画像が、ぱっと画面へ現れました。
ついつい気になって、雪兎がそれを横から眺めていると。
「あなたがたも、どうぞ。比較してみると、面白いですよ」
「わ、ほんと? ありがとう!」
「……そう? それじゃ、見せてもらおうかしら」
快く言ってくれた修に、二人も画面を覗き込みます。
丸美と雪兎は、
「メリハリの利いた色使いにも、憧れちゃうけど。やっぱりこの猫たちの可愛さ、面白さ! 飽きさせないよねぇ」
「うんうん! 僕もそう思ったんだぁ。猫たちの生き生きとした感じが、良いなぁって!」
楽しげに感想を述べ合っています。その隣で、修と
鷹取 洋二
は、
「牧歌的な擬人画ですね。そういえば、かの鳥獣戯画は、当時の世俗を反映した風刺画だったと言われていますが……これもある意味、そうなのかな?」
「ふむ、どうだろうな。確かに猫麻呂の作品には、風刺を込めたものが多い。しかしこの『猫釣之図』の、素晴らしきユーモア! 鮮やかな色彩……! この写真を見たまえ、僕には、寝子島の美しい風景に突き動かされた猫麻呂が、ひととき世のしがらみを忘れ、感情の赴くままに描いた……そんな風に見えるがね」
特に、この絵に何らかの刺激を受けることを期待していたという洋二は、修と論議を交わしながらも、しきりに感動の声を漏らしています。
と。すぐ側で、複雑そうな表情を浮かべている葉月へ。ふいに洋二は、
「失礼だが。実は、先ほどの話が、少し耳に入ってね」
「……? ああ……私の、つまらない感想のこと。ごめんなさい、気に障ったかしら」
笑みを浮かべ、こんなことを言いました。
「いや、そうじゃない。ただ少々、羨ましいと思ってね」
「……どういうこと?」
聞けば、洋二は自身の創作に煮詰まり、それを打破するためにここへ来たのだと言います。
だからこそ、
「僕はこの絵を楽しげで、ユーモア溢れるものだと感じた。しかし君が見出したのは、また違った印象……それがなんであれ、人と違った物の見方ができることは、美や絵画を嗜む者にとっては武器になりこそすれ、疎んじるものでは無いのではないだろうか?」
言われて、再び。葉月は、『猫釣之図』を眺めます。
先日は、その色彩が彼女の目を惹きました。今日は、否定的なものにしろ、猫たちの違った表情が見えてきたような気がしました。
では、次にこれを見る時。自分は一体、何を見出すのだろう……?
「えーっ! この絵、即興で描いたの?」
「うん、そうみたい。すごいよね、思い立ったらすぐに、こんな絵を描いちゃうんだもの」
雪兎の驚いた声。丸美が読み上げた解説に、どうやら面食らったようです。
「その場の感覚で描いちゃったなんて、すごい……! よーし、僕も分解しがいのある機械を見たら、感覚だけで分解せるように頑張らなきゃ!」
「……良く分からないけど。きっとそれって、違うと思うわ」
「えっ、何が?」
きょとんとした雪兎の顔が、どこか可笑しくて。彼の独特の感性が、そう。確かにちょっぴり、羨ましく思えて。
葉月はくすりと、ほんのり小さな微笑を浮かべました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月28日
参加申し込みの期限
2014年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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